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 オレ様はカッコいい!!!   作者: 犬草
異世界入門編
1/17

00 その男、異世界に来訪する

処女作になります。

稚拙な文章で申し訳ありませんが、読んでいただけたら幸いです

「ここが異世界か、思ったよりも普通だな」


 少年は周囲の見渡して、自分のいる場所がどこかの森の中だ考えた。

 このこの少年。こことは異なる世界において、ファンタジー世界へと赴くために全財産を使い果たした猛者である。


「言っておくが、オレの名前は佐藤三太郎という見窄らしい名前などではない!オレ様の魂の名前はリチャード・サクセス。畏怖を込めてリチャードと呼べ!いいな、リチャードだ!」


 名をリチャード・サクセスというらしい。

 その自称リチャードは自分の来ているシャツやズボンのを摘むと、眉を八の字にして溜め息とともに感想を漏らした。


「これではまるで村人Aではないか。世界も驚天する俺様にはふさわしくない。もっとオプションの装備に金をつぎ込むべきだったか」


 リチャードの言葉が表すように、彼の着るものは特に染色もされていない安物の布地で作られた衣服だ。見る人が見ればエキストラの一名だと断ずるだろう姿をしていた。ベルトのようにズボンを囲む一つの紐があった。そこに釣られたものが一つ。

 腰裏に(くく)りつけられた鞄に気づくと、中身を期待して鞄の口に手を入れる。

 取り出されたものは一枚の紙切れだった。


『この度は弊社のサービスをご利用頂きありがとうございます。

 この紙を読んでいるということは、お客様が無事に異世界へご到着したときう証拠です。』


「ふむ、ここは異世界か。って前置きが長いなぁ」


 リチャードは長々と綴られた言葉を読み飛ばし、本題となる文章を探し出した。


『この鞄は【部屋鞄】(ルームバッグ)と呼ばれているものです。

 内部の空間拡張しており、小部屋ほどの容量を有しています。

 《軽量化》を付加しているため、大荷物を持ち運びできます。

 《保存》を付加しているため、内部の物体の劣化あるいは腐敗の進行を遅滞させます。

 中に入れたものを取り出す際には、内部に手を入れて目を閉じると中に入れたものがわかるようになっています。その物体を意識すると、内部のものに手を触れることができます。』


「フハハハハハ、粋なことをしてくれるじゃないか。ふむふむ、なおこの紙は自動的に消滅しますッ!」

 

 嫌な予感に駆られてリチャードは紙を手放し距離を取った。

 鞄の説明書ともいえる紙はヒラヒラと宙を舞うと、木々の枯葉から作られた腐葉土の上に舞い落ちると白い発行を放ち、


 爆発ッ!


 することはなく、光の粒子となって宙へと消えていった。


「おっ、おっ、驚かせるな!まったくサプライズがすぎるぞ!」


 気持ちをごまかすように鞄の中身を調べる作業へと入った。

 紙に書かれていた通りに、片手を鞄の中へと突っ込むと目を閉じた。閉ざされた暗い小さな世界に文字列が浮かび上がる。


  【戦士の指輪】×1

  【旅人の指輪】×1

  【使用者の指輪】×1

  【職人の指輪】×1


 その中の一つ、【戦士の指輪】を意識して【部屋鞄】から手を抜き出すと、手のひらの中には一つの小さな輪が収まっていることを確認する。


「ゲームとかでいう筋力上昇、知力減少といったやつか?この世界にはステータスが存在すると聞いたが、そもそもどうやって調べればいいんだ?肝心なことを忘れていたな……だがオレはすべての事を想定していた。今こそ秘められた力を解き放つ時!魔眼《黄金鑑定(ゴールドスミス)》発動!」


 彼の右目、黒い瞳が金色へと変貌を遂げる。

 彼の右目は今、通常では見ることのできない情報を【戦士の指輪】読み取っていた。

 

 『【戦士の指輪】 新品 50~200ダード』

 

 今、彼の読み取っている情報は物の品質と貨幣価値を図る瞳。

 初めて見たものの価値すら理解しうるこの瞳は、商売において絶大な優位を得ることだろう。だがそこには、その効能も、その性能も、説明すらも表示されることはなかった。


「っふ、この世界はオレ様の想像を遥かに超えた場所のようだな」


 遠い場所。木々の隙間から漏れ見える青空を見ながら彼は呟いた。その時には既に、彼の右目の色彩は元の黒へと戻っていた。

 賢者の時間を終えた彼は、別に一つしか装備できないことに気づき右手の指全てに【部屋鞄】の中にある四つの指輪を装備した。


「さて、ところで街はどこだろうなフム。こんなときこそ魔眼《俯瞰図(バードアイ)》!」


 再び彼の右目が変化を起こす。少し前に見上げていた空のように青さで視界が埋まり、次いで中央を堺にして四分割する十字線が視界に引かれる。最後に、視界の中には小さな点が浮かび上がった。

 その視界を意識していると、リチャードは突如として耳に手を当てて息を潜めた。

 次の瞬間、目を大きく見開くと全力で駆け出す。


「これは女性、いや少女、いや美少女の悲鳴に違いない!」


 襲われている少女の前に颯爽(さっそう)と現れて敵をなぎ倒す。


 オレ様、最高にカッコイイ!


 ここに異世界からやってきた少年の冒険が始まった。 

 


 

 読んで下さってありがとうございまあす


 イタカッコイイにするかキモカッコイイにするかで悩みましたが、キモカッコイイのは難易度が高いのだと気づきました

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