何それ?美味しいの?
話が進まない...
MORPGの例に漏れず、鉄牢でもNPCからの依頼は存在する。
単発のもの、チュートリアル的なお使いもの、そしてイベントの導入として...
ちょっとだけ、っていうか かなり 興奮wしてます 俺。
今回のクエスト、今まで聴いたことが無いです。@ウィキにも載ってません。
っていうか誰を誘うか検討しないと...
サーバーアルタイルの、とある酒場の隅の席、この時間はあの男が客待ちに使っている。
この男と知り合ったのはゲームを始めて3日目だった
有志によるHP@ウィキの存在も彼から聞いた。
ある意味 俺の師匠的な存在なのだが、
金にがめついんだよね これが。
まぁ お金目当てにこのゲームをやっている訳だし
仕方無いッちゃ仕方ないけど、
やっぱり殺伐としてしまうわけで、
もう少し 気の置けない関係になりたいものだなぁ
などと考えているが
もちろん男に興味は無いよ。
「んで、そんな薬草聞いたことある?」
とりあえず、今日彼を訪ねたのは昨日の爺ぃの依頼、
「マルカン草を探してきて欲しい 薬を作るのに必要だから。」
ってことで、マルカン草なるものが何なのか?の情報収集の為だ。
「いや、覚えが無いなぁ。何でそんなものを探してるんだ?」
ボイスチャットの声は少し低くかすれるような、落ち着いた、
なんだか諭されているような印象で
彼が年上そうだということを伺わせている。
モニターの向こうに映るダークブラウンの髪を真ん中から分けた
人間族の男はさりげなく探りを入れてきた。余談だが、密談モードは結構好きだ。
相手が女性だったら尚好きだ。
俺は、少し、もったいぶるように答える。
「俺は剣士だけど、情報は金になることを知ってるよ。」
いつぞやの意趣返しだ。
「日々進化し続けるのは良い事だなリク君。」
「進化というより成長といってくれ。
それで思い出した。この間は2ヶ月も昔の新鮮な情報を譲ってくれてありがとう。
おかげで銀貨6枚もすったぞ。」
俺は彼に食って掛かった。