第20話~魔具を手に入れよう・もうあった~
お久しぶりです
さて、なんだかんだでがリムからの決闘から早くも2週間が経過しようとしていた。
え? ガリムはどうなったって? ヴェルの眼光にちびって学校をやめてしまった、シカタナイネ。
そしてヴェルがカイルの使い魔になって、学校では腫物扱いを受けていたが、ヴェルが普通の人間と同じように授業を受け、たまーに会話をするなどして、案外とあっさり周りから受け入れられてしまった。
一部の生徒からはその強さに羨望の眼差しすら受けている。
ヴェル自体はカイル以外に興味はないので、生きていようが死んでいようがどうでもいいというのが正直なところらしい。
ちなみにヴェルと契約をしたおかげで、左腕にびっしりと変な模様が刻まれてしまった。契約の証らしいが、本来は小さい円状な模様が体の一部に刻印されるのが普通らしい。
なんか不良になった気分、これ銭湯お断りとかされないよな。あるかわからないけど…
まぁそんなこんなで特に問題も起こらず普通の生活を送っている。 本格な魔法の授業も始まり、今は校庭にあつまり、先生から初歩魔法の指導を受けていた。
「というわけで、今日は自分たちが得意な属性を知ってもらう」
「得意な属性?」
「そうだ、こいつを使ってな」
そういって先生は一つの石を取り出した。色は無色透明、ガラスのように透き通っている。
「こいつは真霊石、かなーり貴重な精霊石だ。これを一人ずつ自分の魔力を通してもらう。すると空気中に存在する5大元素が反応して、そいつに一番適した元素を取り込み、色を変えるんだ」
ためしに先生が魔力を通すと、うっすらと緑色に変色した。
「こんな感じだ。基本的に自分が使用する魔具は自分の一番得意な精霊石をしようするのが普通だ。入学前に測定し、魔具をすでにもっているものも多いと思うが、念のためもう一度測定しておいてもらう」
というわけで測定をすることになった。ここで主人公補正が掛かれば、虹色!? 全属性かよ! みたいな展開があるのかもしれない。
「おし、カイルは黄色、雷だな」
ま、そんなことないけど。
特に漫画的展開もなく測定が終わる。ちなみにノアも雷だった。
「お兄ちゃんと得意属性が同じなんて……運命じゃ」
「兄妹だから遺伝でしょ」
「ヴェルは黙ってて!」
うっとりというノアに対しヴェルがつまらなそうに答える。
こいつら本当仲良くなったな。
「よし、じゃあ自分の得意属性が決まったところで今日は終わりとする。ああ、まだ魔具をもっていないやつ、必要なら学校で支給できるから、必要なものはあとで自分の戦闘スタイルを申請用紙に書いて提出してくれ、以上」
先生はそれだけいうと手を叩いた。
それを合図に座っていた生徒がぞろぞろと校庭を後にする。
「魔具かー」
申請用紙をとり、3人で寮の自室へと戻ってきたカイル達。
「ノアは中衛・後衛で、杖の形をした魔具だっけ?」
「はい、これですね」
ノアはお茶を入れてから、自分のベッドの脇に縦かけてある長い杖を見せてくれた。
先端に黄霊石がついており、それを囲うようにリングがついている。
後衛で使用される、杖に使用される精霊石は原石が使われるのがほとんどだ。理由は純度が高い石を使用することで、魔法の発動速度、威力を高めるためだ。
一方剣などの近距離武器で使用する場合は、武器としても使用するため、加工する必要があり、その場合は杖よりも魔法の威力は落ちることになる。
「そうなると俺はどう考えても近距離だよな」
「そうだね、お兄ちゃんは身体能力強化も使えるからね!」
「まぁ使った二日間は筋肉痛でまったく体動かせなかったかけどな……」
次の日起きようとしたときは体が石になったのかと思ったけどな……
「大丈夫ですよ! 動けなくても私、お兄ちゃんの面倒見ますから!」
「あ、ああ」
むふーと鼻息を荒くする妹を見て思わず大丈夫かと心配になる。
「まぁとりあえず魔具は近距離で、形は……」
「ちょっとまってください」
剣とかかな?と考えていたら、今まで黙っていたヴェルが声を出した。
「実はご主人様の魔具はもう用意してあるの」
「え?」
突然のカミングアウトにカイルとノアがお互いを見合う。
「えーっと、なんでヴェルが俺の魔具を用意してるんだ?」
「学校に行くっていったから、私が全部戦ってもいいんだけど、いざとなったときのために、護身用があってもいいかと思って、城に取りに帰ってたんだよ」
「あ、だから出発の時いなかったのか」
そういえば学校に行く前日から出かけるとかいって出て行っていたが、あれは自分の城に帰っていたのか。
「そう、一応城にあった使えそうなもの全部ディメンションボックスに突っ込んできたの」
「ディメ、なにそれ」
「ディメンションボックス、まぁ四次元ポケットです」
「四次?」
ノアが意味がわからずに小首を傾げた。
おいやめろ、ジャパンの国民的アニメのネタを出すな、わかりやすいけど
「それで、城にあった魔具を持ってきたってことか」
「はい」
「だめだめ! 魔物の魔具なんて、危ないです!」
「大丈夫よ、ちゃんと人間がつかえるものを選んできたから」
「信用できません!」
ノアが手を×にして拒否を示すが、カイルはそれを手で制す。
「大丈夫だよノア、それにタダで魔具が手に入るならありがたいし」
うちは貴族じゃないんだ、学校で支給を頼んだらおそらく金が掛かるだろう。優秀でもない俺のために親に負担はできるだけかけたくない。
「多少使いにくいとかは気にしないから、とりあえず見せてもらってもいいかな」
「はい、ではこれを」
そういうとヴェルは空中に四角い黒い魔法陣を展開させ、手を突っ込み一本の剣を取り出した。
刀身がうっすらと黄色がかった透明色をしている、実にうちに美しい剣だ。柄の部分の装飾も実に凝っている。
「おお、これは立派な剣だな、なんて剣なんだ?」
「はい、これは煌剣・リーニアヘブンとう剣です」
ヴェルはにこやかにそういうと、その剣を差し出した。
というわけで再開します、文章が安定しないので、あとで直す可能性がありますが御了承を。