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第13話~勝てないよ? どうすんの?~

「で、どうしてあんなこと言ったんだ、ノア」


「だって、あの屑がお兄ちゃんの悪口言うから……」


「屑とかそういう言葉使いしちゃいけません」


 兄は悲しいぞ…


 先生から簡単なこれからの事について聞かされ、解散になった現在、ノアとカイルは空いた教室で二人っきりになっていた。


 今は二人で先程の事での話合い中なのだ。


「それで、どうするんだ?」


「どうするって、殺るしかないですよ」


「殺るってお前なぁ」


 シュッシュッとシャドーボクシングのポーズを取るノアを見て、はぁ溜息を零す。


「ところであいつ……名前はわからないけど、さっきの奴は結局強いのか?」


「ゴミですね。屑ですね。炭ですね」


「そ、そうか」


 あれだけ偉そうな物言いだったから、てっきり強いのかと思っていたけど、ノアの言動を聞く限り、相当弱いらしい。


 カイルは少しほっと息を吐いた。


「それで、具体的にどれくらいの強さなんだ? その、クラスで何番目に強いとか」


――いくら弱いといっても、もしかしたらってこともあるしな。


「え? う~ん、確かクラスでは4番、学年では9番だったと思います」


「なるほど……」


――確か1学年だいたい150人くらいだった気がするから、


「ってぇ! かなり上位じゃないか!?」


「? そんなことないよ、私やお兄ちゃんに比べたら全然」


 そんな妹の笑顔を見て、カイルは気付いた、ノアは重要な勘違いをしているのではないかと、


 そう、致命的な勘違いを、カイルは諦めの様子を醸しだしつつ、ノアに問うた。


「……っで、ノアは何位なんだ?」


「私? 私は2位ですよ!」


 自慢げに胸を張りながら、ドヤ顔を見せつけてくるノアに頭痛がしてくる。


 つまり少なくとも彼女は、自分の学年に強いと思う人物が一人しか存在しないと言うことだろう。そしてその人物は――


「それで、一位は誰なんだ?」


「え? ……一位」


 一瞬びっくりしたような表情をしたノアだが、指はしっかりとこちらを捕えていた。


「やっぱりか……」


 やはりカイルの想像していたことは当たっていたようだ、どうやらノアの中では、なぜか自分よりも高い位置にカイルが存在しているらしい。


 もちろん実際はそんなことはまったくない、というかカイルは、実際に魔法を使ったことはおろか、喧嘩すらまともに行ったことがないのだ。


 この学校が料理学校などでもない限り、カイルが上位に入ることなど、ありえない話なのだ。


「はぁ……なぁノア」


「はい?」


「とりあえず言っとくけど、俺があの金髪ツンツン野郎に勝てる可能性は0だぞ」


「……?」

 ノアは理解していないようで、頭を傾げる。


「それじゃあ一つ聞くが、明日の決闘では魔法の使用有りの決闘、ということだよな?」


「うん、たぶん……」


「じゃあ勝てないな」


 素手とかならまだ勝てる見込みはあったかもしれないが、魔法の使用がありだと、どう考えてもカイルが勝てるわけがない、拳銃相手に素手、いや、拳銃相手よりも厄介だろう。


「どどど、どうして?」


「どうしてもなにも、俺魔法使えないぞ?」


「ええ!? 嘘!?」


「いや、嘘じゃないよ」


「で、でもお兄ちゃん、私を助ける時、魔法使ったんじゃないの!?」


「あれは魔法じゃなくて、ただ魔力を流しただけ、魔法陣は生成してない」


「そ、そんな」


 さっきまでの威勢はどこに消えたのか、ノアは顔面真っ青にしながら机に頭を伏せ、ぶつぶつとなにかを呟き始めた。


「そんな、このままだと私、あの屑の女に……」


「そうなんだよなぁ」


 一番の問題はそこだ。


 カイルが負けて恥じをかくことは別にどうでもいいことなんだが、そのせいでノアがあんな男と一緒になるのは、考えるだけでも……


 ガンッ!!


「お、お兄ちゃん?」


「え? あ? ああごめんごめん?」


 無意識のうちに机を殴ってしまったらしい、手が赤くなっている。


 まぁそれだけは絶対に阻止したいところなんだが、


「今さら誤ったところでどうにかなるとも考えにくいよな~」


「あ! 良い方法思い付いた!」


「お? 本当か?」


――さすがは優等生、俺なんかと比べて頭の回転が速い!


 ノアは親指をグッと立てながら笑顔で一言。


「消す☆」


「没」


「え~」


 どうやらノアの頭は変な方向に回転しているらしい。  


 意見を即却下にされたことに不満があるのか、ノアはぶーぶーと文句を言いたげな顔をしていた。金色の髪が机に広がり、妙に幻想的に見える。


 それから二人で色々と考えてはみるものの、良い方法など一つも思い浮かばなかった。


「やっぱり、俺が勝つのが一番丸く収まるんだけどなぁ~」


 だが一日で魔法を扱えるようにならないことくらい、昔の本を読んでカイルも知っている。


「そうだ! あったよ! 勝てる方法!」


 そこでノアが、思いだしたように机から跳ね起きた。


「本当かぁ? 事前に殺るとか、トラップを仕掛けるとかはなしだぞ?」


「そんなことしないよ!」


 プンプン怒りながら否定するが、さっきからそんなことしか言ってないだろ、と内心で毒つく。


 大した期待も持たずに、カイルは机に肘をついて聞いた。


「んで、どういう方法なんだ?」


「使い魔契約だよ!」


 二人だけの教室に、ノアの活き活きした声が響き渡った。


現在の投票結果①=4②=4③=2です。


ちなみに友人に聞いたところ①=1②=0③=5でした。たぶんというか、友人は俺のイラストを見て選んだ確立が9割ですww なぜ俺の周りにはロリが多いんだ……


これからも投票受け付けます。

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