プロローグで死んじゃった
ヤンでれ……の作品をファンタジーで書けという友人に答えるべく書いてみました。
よろしくお願いします
俺、桐ケ谷 将は突然の死を迎えました。
死を迎えたというよりも、殺されたと言った方が正しいのだろう。
俺には妹がいる。
妹といっても血は繋がっておらず、年も同じでしかも同級生。しかもかなりの可愛い子ちゃんで、理性の強いと認識している俺でさえ意識してしまうことはたびたび……
しかもうれしくないことに、妹はブラコンなのだ、しかも超絶レベルの。
これを他人に言うと、贅沢を言うなとよく言われるが、ならば変わってみろぜひ言いたい。
日に日にエスカレートするスキンシップは、ついに風呂やトイレ、はたまた男子更衣室にまで及び、既成事実をつくられそうになること1日に2回。
さすがの俺も耐えられなくなってきたので、一度友達に相談したら、
「彼女でも作れば?」
と言われた。確かに彼女ができれば、妹もあまりくっつかくなるのかもしれない。ともあれ行動しなければ何も始まらないので、彼女を作ることを決意した。
まぁ彼女を作るっていっても、特定で好きな子はいないので、仕方なしに気になっている女の子にラブレターを送ることにした。
失礼だとは思うけど……え? 直接言えって? はい無茶言わない。
そうして完成しましたラブレター! ドキドキしながら下駄箱に入れ、返事を待つこと1日、なんと下駄箱の中に手紙が入っているではないか!
人目を気にもせずにその場で封を開けると、放課後、体育館裏で待っていますと書かれていた。
そして初のラブレターの返事にドキドキしながら放課後まで待ち、いざ体育館裏へGO!
まだ彼女は来ていないようだ。
先に辿りついた俺は、彼女を待つため、鞄を置いて立ちつくすと、後ろから急いで走ってくる音が聞こえてきた。
おそらく彼女だろう、ドキドキと緊張しながらも、返事を聞くため、意を決して後ろを振り返る。
ザクッ!
そんな音が鳴った。
え? と疑問を浮かべながら、走って来た彼女と共に背中から地面に倒れる。
何が起きたかすぐに理解できなかった。ただ真っ先にわかったことは、腹に刺さっている異物と、目の前の女の子が、自分の義妹であることだった。
次に襲ってきたのは喪失感、体にまったく力が入らない、いつもは軽く感じる彼女の体が、今は石像のように重かった。手に着いたぬるっとした液体を、目だけで確認する。
それは、赤いというよりも、黒ずんだ液体だった。そして俺はあっさりと理解した。
ああ、血か。
以外にもあっさりと現状を受け取った。本当は痛いはずなんだろうが、見事に刺されているため感覚を失っているかもしれないな。
っと、そんなことを考えているうちに時間が来ちまったようだ。視界がどんどん暗くなっていく、まるで映画の始まる前見たいだ。
全ての感覚がのみ込まれる瞬間、将の耳に妹の言葉が聞こえた気がした。
「すぐに追いますね。お兄様…」
こうして俺、桐ケ谷 将の短い十七年間の人生は強制シャットダウンを受けたのだった。