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1ページ目 オープニング
きっとこれから、短いお話でいっぱいになると思います。気軽に読んでください。
――これは、僕の成長をまとめたアルバム――
小さな町のさらに人通りを外れた一角。そこにある古びた本屋で僕は生まれた。けして裕福ではなかったけれど、それでも、幸せだった。
僕が小さいとき、言葉もまだまともに覚えていない頃、お店にはいつも女の人がいた。ママとは違う雰囲気を持ったお姉ちゃんは毎日お店に来て、適当に本を取って読み聞かせてくれた。
『太陽の翼を持つ少女』
『黄金のパンドラの箱』
『3人のピエロのおはなし』
『ある初恋のおはなし』
『またお会いしましょう』
『星屑の声』
『取り戻す物語り』
『銀の月の掬い方』
『色彩の国の五人の妖精』
彼女はほかにもいくつも読んでくれた。
僕の人生にはいつも彼女が傍にいて、言葉が宙にふわふわと浮かんでいた。彼女の言葉は魔法だ。きっと誰にもできない彼女だけの魔法。そう、彼女をたとえるならば、あたたかくてやさしい光りそのものだ。
それなのに…………
覚えたての言葉が彼女を傷つけてしまうなんて………
これは、僕の悲しみが悲しみで終わらないように紡ぐ物語。




