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幼馴染と遊園地 前編


「あんたもいい加減起きなさい」

ため息をつきながら布団を引き剥がす制服姿の女の子が俺の部屋にいた。

そして俺は思った。

こいつは俺を起こすためだけに生まれてきた悪魔なのだと。


着替えも終わり、俺は今、新たな苦しみを生む学校という名の地獄を目指していたのだ。

魔法だと?!俺はそんなもんほとんど使えないって。

15年前から魔法の研究は進んでいた。

魔法とは、科学で全てを表すことができなかった科学的仕組みだそうだ。

実際に使えるようになったのは、科学の進歩だの人間の進化だのくだらない噂ばかりが飛び交ってる。

そんな曖昧なもののために全授業魔法になった。

ある程度は解明されてはいるものの、魔法を完全に理解できた人は、未だかつて存在しないらしい。

そこまでして魔法を研究する価値があるのかと疑いたくもなるのだが、授業が魔法になったことによって、俺は大変面倒くさいことになった。


現在俺たちは重力を消してフワフワと浮きながら学校の方角に向かっている。

目の前には空と雲だけだった。

「そいえばはるちんは今回の成績もオール10?」

隣に浮いてたちっこいのが成績を求めてきたので答える。

「9だ。それよりはるちんとか呼ぶな」

俺には夢界ハルト(むかいはると)という名前がしっかりとある。

「なんでよー、はるちんって可愛い感じするじゃん」

純粋に講義してくるちっこいのに俺は疑問系で聞き返してみる。

「お前もワフとかフルとかで呼ばれたいか?」

「それは遠慮しとくよ」

こいつは小森ワッフル(こもりわっふる)

俺たちは保育園の頃から、ハーフと家が隣同士と接点が多かった。

なので、小さい頃からずっと一緒に行動してる気がする。

こいつは最近ハーフで可愛いし小さいからと、一部からは愛好家まで作られている。

主に先輩の女子だが……。p

「あれ?でもなんで9なの?あんなに魔法強くて代償なしであそこまでできるのはるちんしかいないよ?」

実は俺は学年で一位の魔法使いなのだが、そのせいでいちいち面倒くさい事に巻き込まれることもしばしばとあった。

「授業サボりすぎた」

ワッフルはその言葉を聞いて一気に膨れる。

「私は授業サボるの許してないよ。行くなら私も連れてってくれたらよかったのに」

優等生の言葉とは思えない。

「そいえばお前サボったことないんじゃないのか?」

自然と聞いてみる。

「私はコピー使って一応授業は全部出てることになってるけど3割ほどは出てないよ」

あまりにも問題発言をする優等生にびっくりしながらも、その手を実行してみることにする。

「それじゃあ今日どっか行くか?」

待ってましたと言わんばかりの笑顔で、

「うん!」

と答えた。



一時間目も無事終わり、その後……。


俺は今コピーを作る魔法を覚えていないことに気がついた。

「はるちゃ~ん。私が代わりに作っておいたからいこ」

そのことにもさすが幼馴染と言うべきか、簡単に気づかれたみたいだ。

いつも思うが、こいつの魔法は一体いくつあるんだろうか。

「お前ってどんな魔法でも持ってる気がしてきたんだけどさ、メモリとか大丈夫なわけ?」

「え、まだ10万メモリくらい残ってるはずだよ」

「ありえない」

俺は顔を手で覆う形で学校を後にした。

メモリというのは、魔法を覚えれる分のゲームで言えばスキルポイントというところだろう。

魔法を覚えるためにはこのスキルポイントが必要なのだ。

どうやって確かめるかは感覚でも大体はわかるのだが、魔道書で確かめるのが一般的だ。

「グリモワール!」

そう言うと、ワッフルの手には一冊の本が出てきた。

それが魔道書なのだ。

それを覗いてみてわかったことがある。

潜在能力の高さだ。

魔道書では自分そのものを映し出されたかのように、潜在能力や、自分に向いてる魔法などを書き写される。まさに自分ではわからないこともこれさえあれば全てわかるのだ。

「お前の潜在能力の高さには時々あきれるよ」

「でしょー」

ワッフルもまんざらでもないように、テヘヘと笑った。


「それでどこに行くんだ?」

俺たちはとりあえず喫茶店で俺はコーヒー、ワッフルはレモンティーを飲みながら行く場所を決めている途中だった。

「あ、こことかどうかな?」

ワッフルはパンフレットを見ながら、先ほどからずっとハイテンションのようだ。

ワッフルが指した場所はこの都市では一番大きい遊園地だ。

魔法使いの中でもトップクラスのものが魔力を送り込んで動かしているこの世界の中でも指折りの遊園地だそうだ。

「まあ、いいんじゃねーか」

だが、過去に普通のジェットコースターでさえ怖がっていたワッフルがこの遊園地に耐えれるのだろうかなどと心配している。大きなお世話だと言われればそれで終わりなのだが、それでも不安は隠しきれていない。

「もう昔みたいにジェットコースターで泣いたりしないから大丈夫だよー」

そのジェットコースター以上のものが大量にあるから不安なのだとは言わなくても目線で訴え続けた。


結局その遊園地に来た俺たちだが、パンフレットを見ても、種類がありすぎてどれに乗ろうか迷っている。

「最初は軽いのからいったほうがいいんじゃないのか?」

「それもそだね。でもここは名物と言われるマッハジェットに乗りたいと思わない?!」

目を輝かせているワッフルを見て俺は察した。どうやってでも俺を連れて行くつもりなのだと。




いやはや、4作目の作品になりましたが、中々続けるには難しそうです。とほほ(涙

作品はとりあえず前編!

後編は来週に投稿しようと思います。

予想してたよりも1話が長引いてしまいましたね。

みなさんにも読んで頂いて嬉しく思います。

よかったら今後とも宜しくお願いしますね♪


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