ブラコンな妹を攻略した話
最近、困っていることがある。
それは妹のみおのことだ。
妙に甘えるようになってきた気がするのだ。
なにか心境にでも変化があったのかもしれないけど。
寝息を立てているみおの頭をゆっくりと撫でる。
小柄で胸も控えめだけど、俺の可愛い可愛い妹だ。
同じベッドで寝ていることは両親もたぶん知っているはず。
でも、毎回必ずというわけではないし、肉体関係があるわけではないので特に問題ないと思うけど。
そろそろ俺の理性も限界だ。
何かの拍子に押し倒しそうで怖い。
(なんとかしないといけないことはわかっているんだけどなぁ……)
でも、みおの悲しむ顔は見たくない。
子供のころはよく泣かせてしまった。
それもこれも俺が悪い。
くっついてくる妹のことをうざいと感じたり、恥ずかしくて冷たく当たってしまったことがあるのだ。
アニメやゲームの妹ものを知ってからは心を入れ替えた。
だからどうしてもつい甘やかしてしまうのだ。
それに、俺の場合は子供のころからずっとそういう目で見ている。
セクハラに該当されてしまうが、当時はその意味も分からずに頻繁にお尻を撫でていた。
一度、母親に怒られてからはやめたけど。
当時はそれが性欲ということがわからなかった。
その謝罪の意味もあるけど。
(やっぱり妹ものが原因だよね……)
はっきりと妹に好意を寄せていると気づいたのは、そういうアニメやゲームを知ってからだ。
おかげで、ラノベや漫画などで、ブラコンな妹を攻略しない主人公の気持ちが理解できなくなった。
たとえ実の妹でも相手から好意を寄せられていればそれでいいじゃん?
作家も作家だ。
ヒロインじゃないのなら最初からブラコンな妹なんて出すんじゃねぇよ。
ガソリンをまいて火をつけるぞ。
まあ、だからこそ、エロゲやエロ同人に走ってしまったのだが、逆にこれはこれでまずかった気がする。
結婚はできないけど、事実婚に近いことはできる。
この国では性行為も妊娠させることにも合意があれば罪には問われない。
だからこそ、実の妹とそういう関係になりたいと思うようになってしまったのだ。
「お兄ちゃん?」
パチッと目を開けたみおと目が合う。
ああ、くりくりっとしたおめめが可愛い。
「悪い。起こしたか?」
「えへへ。なんでもないよ?」
そのまま目を閉じてすぐにすやすやを寝息を立てる。
可愛い。
まあ、ちょっとぐらいなら大丈夫だよね?
みおの頭にそっとおやすみのキスしておく。
(ん?)
薄暗くてよく見えないけど。
なんかみおの顔が赤い気がする。
豆電球の明かりのせいかな?
ちょっとまぶたが重くなってきた。
俺もいたずらばかりしてないでそろそろ寝よう。
――
学校が終わり、家に戻った後。
みおが帰っていたので、みおの部屋で正直に自分の気持ちを彼女に伝えた。
不思議と恥ずかしさはない。
それどころか、胸がすっとする。
「そっか。お兄ちゃんもだったんだね」
「も?」
「実はね。みおもお兄ちゃんのことが、その、好きだったんだよね」
目をそらしつつもみおが言葉を返してきた。
「そうだったんだ……」
「だからね。その、気持ちを確かめるために、その……」
「甘えていたと?」
「う、うん。でも、お兄ちゃんが子供のころにみおのお尻を触ってたことは忘れてないからね? 今でも一緒に寝てる時にさりげなく触ってるよね? この前はおっぱいも触ってたよね?」
さーっと血の気が引いていく。
全部ばれてた。
一度はやめた。
「ごめん。ばれなければ大丈夫かと思って……」
「みおがつーほーしたらおにーちゃんはけーさつに捕まっちゃうね? おかーさんでもいいよね?」
「ご、ごめん。可愛かったから。どうしても我慢できなくて……」
駄目ということはわかってたけど、我慢できなかった。
「そっか。じゃあ、何をすればいいかわかるよねお兄ちゃん?」
不意にみおと目が合った。
「えと……」
「ね?」
すっと顎を上げた後、みおがゆっくりと目を伏せた。
長いまつ毛。
ほんのりと赤く染まった頬。
言われなくてもキスを求められていると思う。
ふぅっと息を吐く。
そして、ゆっくりとみおの唇に自分の唇を軽く重ねる。
「ふふ。お兄ちゃん。しちゃったね」
「う、うん」
軽くだったけど。
心臓がバクバクと暴れている。
顔が熱い。
みおを直視できない。
手で顔を隠す。
「お兄ちゃん。お兄ちゃんがどうして女の子のように恥ずかしがっているの?」
「え、そう?」
「うん。普通はみおの反応だよそれ……」
なんか冷たい声で返された。
若干、ジト目にもなってる。
これはこれで可愛いけど。
ええい、こうなったら仕切り直しじゃい。
「そこに直れみお。もう一度するぞ」
「やーだ」
ぷいっとそっぽを向くみお。
可愛い。
好き。
みおを抱きしめ、ゆっくりとその場に押し倒した。
――
「うーんとね。みおがお兄ちゃんのことをはっきり意識したのはあのときかな?」
みおとシャワーを浴びた後、彼女を抱っこしながらその話を聞く。
それはみおが小学6年生だったころ。
熱を出して寝込んだときがあった。
その日は夏休みであったが、平日ということもあり両親は仕事でおらず、俺がつきっきりで世話をしていた。
あのときはみおがゲロ吐いて後処理とかが大変だったけど。
でも、みおとしては本当に心強かったとのこと。
「そっか」
「うん。そのときからずっと好きだったよ? それでお兄ちゃんはいつからなの?」
「みおのお尻触ってたときからかな?」
「ほんとぉ? それみおが幼稚園児だったころの話だよね?」
「まあ、明確に意識したのは中一の時だけどね」
ちょうど性に目覚めてオタクになったころの話である。
そのときに美少女アニメを片っ端から見てたんだけど、そこで妹ものというジャンルを知った。
リアルに妹がいる人は妹ものを苦手にする人が多いって聞くけど。
いや、俺、普通にハマったねん。
みおもみおでブラコンっぽいし。
なら攻略するしかないよね?と思ったのだ。
「あ、やっぱり。あのころからだよね? お兄ちゃんの態度が急に変わったの」
「気づいてたんだ?」
「うん。それまでよそよそしいところがあったのに急に優しくなったし。普通に一緒に遊んでくれるようにもなったよね? あとみおの好きなアイスとかプリンとかも買ってきてくれるようになったし」
「まあね」
当時はみおに気に入られるように色々とやってた時期だ。
まあ、アイスやプリンとかは今でも偶に買ってきているけど。
「ふーん。じゃあ、お兄ちゃんのほうが先にみおのことを好きになったんだね?」
「そうだね」
「そっか。ふふ。なんか勝った気がする」
「うん。俺は負けた気がする」
でも、みおが幸せそうならそれでいいや。
それから両親が帰ってくるまでみおの部屋で過ごした。
――
「お兄ちゃん。今日はありがとね」
「別にいいって……」
土曜日という事情もあるが、遊園地はそれなりに混んでいた。
今日は両親が休みだったので、母親には「みおと遊びに行ってくる」とは伝えた。
母親からは「仲が良いわねぇ」とは言われたけど、それ以外は特に何も言われなかったし。
父親はちょっと無関心っぽいのでどうでもいい。
たぶん野球でも見ているのだろう。
両親には内緒の関係。
でも、遊園地ではみおを恋人として扱った。
一緒に手をつないで歩いたり、腕を組んでみたり。
ソフトクリームも食べた。
そして、記念にプリントシール機で一緒に写真を撮った。
みおはそれを気に入ったようで、偶にプリントシールを眺めてはニヤニヤしているし。
「でも、今日はあっという間だったね……」
「そうだね」
俺の部屋でみおを抱っこしながらだらける。
ちょっと疲れた。
体が重い。
はしゃいで動き回ったみおはもっとだろう。
「でも、本当に俺とで良かった? 結婚はできないけどいい? 事実婚のようなことはできるって聞いたから、それでいいかな?と思ったんだけど……」
「それはみおも知ってるよ。だからみおだって悩んでたんだよ? でもね、お兄ちゃんから好きって言われちゃったから……」
「そっか」
「お兄ちゃん」
不意に頬にキスされた。
ちょっと顔が熱くなる。
「みお?」
「今日は楽しかったから。また誘ってね?」
「ああ。また今度行こうな? 今度はどこがいい?」
「うーんとね。じゃあ、水族館がいい。イルカとかペンギンがいるところ」
「わかった。考えておく」
お昼とかも遊園地で食べたので、ちょっとお金を使いすぎてしまった。
またためないといけない。
可愛いみおのためなら、痛くも痒くもない。
本当だったら漫画とかエロゲとか欲しかったんだけど。
それに近いことをリアルでやっていると思えば、安いものだろう。
――
ブラコンな妹を攻略した話。END
――
いかがだったでしょうか?
妹ものが読みたかったので短編ものとして妹ものを書いてみました。




