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星に願いを  作者: 唐上遼
9/10

優しさについて

 

 それで?また振られたの?


 うん・・


 よかったじゃん。あんな態度の悪い奴別れて正解だよ。


 そ、そんな言い方しないで、いいところもあったんだよ?


 ないよ。


 あ、あったもん・・


 そうやって自分にひどいことした奴のことかばうのやめなよ。見てられないよ。


 う・・


 はい、ハンカチ


 ありがと・・


 それで今日は?


 あのね、こういうことが何度もあったから・・


 そうだね。今年もう3回目だね。


 そ、そんなに・・?


 そうだよ。いい加減にしてよ。


 ごめん・・なんか私すぐに好きになっちゃうから・・


 そうだね。


 優しくされるとすぐ好きになっちゃうから・・


 その通りだね。


 今日は免疫付けようと思って・・


 ・・どういうこと?


 優しくして?好きにならないから


 つまり、どういうこと?


 私、別れた後になぐさめられて、すぐ好きになっちゃって、

 それで何度も失敗したから、だから今日免疫付けようと思って


 僕は弱毒化されたウイルスってこと?


 君になら優しくされても好きにならないと思って・・


 泣きながら人傷付けるのやめてくれる?


 だめ・・?


 まぁいいけど、好きになっちゃうかもよ?


 ならないよぉ!あはは!


 ごめん、ちょっとコップ割りそうになったわ。


 え?なんで?


 幼馴染じゃなかったらチョークスリーパーかけてたわ


 え?なに?技?



 しっかし優しくねぇ・・今までの男はどんな風だったの?


 君はわるくないよ・・そんなこと言うやつとは別れて正解だよ・・ほら、乾杯しよ?

 新たな門出だよ!ほらほら!


 うっわ、気持ち悪・・鳥肌立ったわ


 え?なんで?私が落ち込んでるのを見て気分を上げようとしてくれるの優しいでしょ?


 下心見え見え過ぎて引くだろ普通・・やたら触られなかった?


 ん?まぁお酒入ってからはたぶん・・


 あーイラつく・・もう落ち込んでるときに男と飲むのやめなよ。それで解決じゃん


 だってお家にいたら泣けてきてダメなんだもん・・


 弱ぇ、弱すぎだろ・・


 それだけ本気だったんだもん!


 年に3回目じゃ信用できないよ


 全然優しくしないじゃん!



 そもそも優しさってなんだよ。今まで聞いた話どこにも優しさ出てこないんだけど


 ええ!?優しさの話しかしてないよ!?


 どこにもいないよ。いるのは下心だけだよ


 体目当てってこと・・?


 泣くなよ。情緒不安定すぎるよ


 これが泣かないでいられるかぁ!うわーん!


 なんでそんな子供みたいなのに体は大人なんだよ


 うるせぇ!もっと優しくしろぉ!おっぱい触らせてやらないぞ!


 いつも触ってるみたいに言うのやめろ!



 ああ、本当にめんどくせぇ・・


 うう、そんなこと言わないでよぉ


 だいたいなんで別れたんだよ


 なんか・・思ってたのと違うって・・重いって・・


 前もそんな感じだったよね


 そうだよぉ!わたしは見た目より重いんだよぉ!なんだ重いって!怒るぞ!


 もう怒ってんじゃん

 そもそもさぁ、求めてるものが違うんだよ

 君は生涯の伴侶を求めてるんだろ?


 うん・・


 簡単に手を出してくるような軽薄な奴はどいつもこいつも一夜の相手を求めてるんだよ


 結局体目当てってことか!くそぉ!どいつもこいつもおっぱいおっぱいって!

 わたしはおっぱいの付属品じゃないんだぞ!おっぱいがわたしの付属品なんだぞ!


 残念だけど、君が引っ掛かった男はそろいもそろって君の心を付属品としか思ってないんだよ。

 心当たりあるだろ?


 うわーん!


 周りのお客さんの迷惑だから声上げるのやめろ



 うう・・うう・・


 泣くなよ・・甘いもの奢ってやるから


 うう・・食べる・・


 食欲はいつもあるよな


 うう・・ほんとうにありがとね


 なんだよ急に


 わたし、きみがいなかったらきっといつも立ち直れてなかったよ

 いつもありがとう


 ・・ああ・・うん・・


 いつもいっしょにいてくれるから、安心してるんだ


 ・・そう


 ねぇ・・どうしていつも一緒にいてくれるの?


 どうしてって・・そりゃあもちろん、おっぱいのためだよ


 体目当てだった!うわーん!


 冗談だから大きい声出すのやめろ



 う・・ううう・・


 冗談だからまじ泣きやめろよ・・

 おっぱいは大きくていいけど声は小さくしろって言ったのは謝るから


 うう・・ほんとうに冗談だよね・・?


 ああ、もちろん


 いまぜったいおっぱい見ながら言った!おっぱいに話し掛けてた!



 ほら、わかっただろ?これが君が引っかかった男たちの視線だよ

 君の目じゃなくおっぱい見てる奴とは付き合わなければいいんだよ


 うん・・君ともこれでお別れだね


 僕がいつおっぱい見たっていうんだよ


 いまだよ・・


 ところでいつも気になってたんだけどどこから声が出てるの?


 そっちはおっぱいだよぉ!



 もうばか!きらい!帰る!


 しっかり甘いものは食べていくのな


 お金!私の分!


 今日はいいよ。サービス料ってことで。そのお金でタクシーで帰れよ


 ばか!


 はいはい


 

 ・・はぁ・・これでちょっとは懲りてくれないかな・・


 バッグ忘れた!


 早く帰れ!



 


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