表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星に願いを  作者: 唐上遼
5/10

星について


 星の光は遠く遠くの星が過去に発したもので、今はもうその星はなくなってしまってるかもしれない


 聞いたことある話、でも、よくわからないわ


 なんて説明すればいいかな、たとえば・・手紙みたいなものだと思ったらいいんじゃないかな


 手紙?


 ビデオレター、動画データ、そんな感じ


 それは、どういうこと?


 遠くの星から他の星に向けてデータが送られる

 その星からのメッセージを開封すると、その星について様々なことが分かる


 ええ


 その星に興味を持った人が、その星に向かって宇宙船を飛ばす

 到着してみると、その星はもう滅んでしまっている


 悲しい話ね


 悲しみつつ自分の星に帰ると、そこではまだデータの受信が続いている

 データの中では平和なその星のことが語られている

 ああ、これは過去のことだったんだ

 僕らが開封するまでに時間は流れてしまったんだと気付く


 不思議な話ね


 実際にそんなことが起きる場合、データよりもはやい速度で動けないといけないけどね


 でも、ちょっとロマンチックね


 そう?


 だってその星は死んでしまっても、その星が生きていた証が残っているってことでしょう?


 そうか、そうだね


 夜空にはたくさんの星が浮かんでいた。

 その光は長い長い時間を旅していまこの星に届いている。

 もし星が死んでしまっても、

 人の一生からすれば永遠みたいに長い時間、

 その光は遠くの星の空で輝き続ける。


 どうして人は星に惹かれるのかしら


 夜空に輝く姿が美しいから、スケールの大きさに圧倒されるから、とか


 きっとそれだけじゃないわ

 だってあなたにその話を聞いてもっと惹かれるようになったもの

 私はきっと、星みたいになりたいのだと思う


 星みたいに?


 そう

 星みたいに生きたい

 もし私が死んでしまっても、誰かの心で輝きたい


 空には無数の星が浮かんでいた。

 ただ光っているだけのその存在に、どうして人は憧れるのだろう。

 どうして特別なものを感じるのだろう。

 見上げる僕らの視線には気付かず、星は無邪気にきらきらと輝いていた。






 

 

 

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ