名前について
今年の花火はどうかな、綿菓子ちゃん
いまいちですね。私への愛がまだまだ表現できていません!
手厳しいね、綿菓子ちゃん。がんばって作ったんだけどなぁ
もちろんとっても素敵ですよ!でも、花火さんは私をほったらかしにした前科がありますから!
もっともっと素敵な花火を作らなくちゃ罪滅ぼしになりません!
わるかったよ、でもほら、花火作るのってとっても大変でさ
今もまだまだ修行中だしね
何も言わずにいなくなって、私はどうやって過ごしていたと思いますか!
毎年毎年もしかしたら会えるかもって期待して、しっかりおしゃれしてお祭りに来たのに、
会えなくて一人で帰る私の気持ちが分かりますか!
それが毎年続いて、もう死んじゃったのかも、
もう会えないのかもって思った私の気持ちが分かりますか!
わるかったよ・・待っててくれるなんて思わなかったから・・
花火さんのばか!甲斐性なし!
わるかったって・・
だから!・・だから毎年いい花火じゃダメなんです!すごくいい花火じゃなきゃダメなんです!
わかった・・わかったから泣かないで・・来年はもっとがんばるから・・
約束ですよ!
うん、あ、いまのはどう?
いいですね!いまのはちょっと愛を感じました!
いまのは僕はかかわってないやつなんだけどね
花火さんのばか!
ごめんごめん
それにしても
なんですか?
綿菓子ちゃんは変わらないね
はい
ずっとあの頃のままみたいで、僕も年を取ってないような気がするよ
・・変わらないことにしたんですよ
え?
変わってしまったら、もう花火さんには会えない気がして
・・・
変わらないでいることはとても難しいことだったけれど、そうすることにしたんです
そうなんだ・・
はい!そうです!
そうなんだね・・
それに・・それに私は、こういう自分自身が好きだったんです
だから、これが私なんです。無理なんてしていません!
ただ、うまく言えないですけど、私は私でいるために戦ったんです
楽なことでは、なかったんですよ
でも、それで、結果としては、今も変わらない私なんです
そっか
はい!
そうなんだね
そうですよ!
・・あのさ
はい?
すごく今更なんだけどさ・・
はい
あの・・
なんですか?
本当に今更なんだけどさ・・
はい
自己紹介、してもいいかな
は、はい!
綿菓子ちゃんは、琴音ちゃんなんだよね?
は、はい!柊木琴音っていいます!
そっか。琴音ちゃん、僕の名前は・・




