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星に願いを  作者: 唐上遼
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生まれ変わりについて


 もしも前世があったなら、私は結婚していたのかしら。

 もし結婚していたのなら、どうしてその人のことを何も覚えていないのかしら。

 どうしてだと思う?

 私はこう思うの。多分私は、満足していなかったんだって。

 本当にその人を愛してはいなかったんだって。

 本当にその人は私を愛してはいなかったんだって。

 だから生まれ変わって、新しい姿を得たの。

 きっとみんな同じなのよ。

 誰かを心の底から愛したくて、その人に心の底から愛されたくて、みんな姿を変えているの。

 この姿ならどうかなって、ずっと試行錯誤しているの。

 今の私たちこそ、最先端なのよ。

 そしてこの姿でもまだダメなら、もっともっと姿を変えるの。

 愛されるために。

 いちばん大切な人にいちばんに思ってもらうために。


 君はまた、生まれ変わるの?


 それは、君次第かな。


 からかうなよ。


 ふふ、怒った?


 酔ってる?


 少し。


 彼女は弾む足取りでアスファルトを歩いた。

 その後ろ姿を見て、僕は思った。


 僕は生まれ変わるだろうか。


 それはきっと彼女次第だ。

 そう思ったけど、僕は口には出さなかった。


 姿をもし変えられるとして、君の姿が変わったとして、この心は変わるだろうか。

 それとも変わらないだろうか。


 もし変わらないなら、生まれ変わることの意味は何だろう。


 案外彼女が気付いていないだけで、彼女は心から愛されていたんじゃないか。

 夢見がちにどこかへ行ってしまう彼女のことを追いかけて、

 何度も生まれ変わってるやつもいるんじゃないか。


 そう思ったけど、僕は何も言わなかった。


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