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仲直り【完結】
いつもの教室の昼休み。相変わらず幼なじみから距離を取られる。ボクは悲しくなっていた。
ふと、理奈と視線が合った。でも、ふいっと彼女は顔をそらす。
勇気を出して幼なじみに歩み寄り、こう言葉を伝える。
「クラスメイトのひそひそ話を信じているの?」
「え? それは違うけれど?」
「それじゃあ、どうして距離を取るのかな?」
「私、思ったの。ひょっとしたら翔太に気を遣わせているんじゃないかって」
「そんなことはない。だから、一緒に勉強しよう?」
ボクの考えを伝えた。理奈は笑みを浮かべていた。良かった。誤解が解けて。
「それじゃあ、今日の放課後も、私の家で一緒に勉強しよう? 夢くんの面倒も見てね?」
「うん。もちろん。任せてよ」
ボクは思ったんだ。ヤングケアラーって言う色だけでは分からないことがいっぱいある。きっと世の中のヤングケアラーも十人居たら十通りの人々が居るはず。絶対に孤立させてはいけない。大人も同級生も気付いて声をかけることが大切なんだと。
ヤングケアラーって何ですか?
ヤングケアラーを一人ぼっちにしてはいけない。