幼なじみはヤングケアラー

小テストの結果

　いつも通りの学校生活。小テストの結果がクラス全員に返される。ボクはまあまあこんな感じかな？　と悪くはなかった。

　昼休みの教室にて。幼なじみはこんなことを言った。

「私は小テストを一問も正解出来なかった」

　正直驚いた。幼なじみは小学生までは成績は良かった。

「そうなの？　ボクはまあまあ。勉強教えようか？」

「ありがとう。よろしくね。それにしても眠たい」

　どうして理奈は小テストを一問も正解出来なかったんだろう？　ヤングケアラーと何か関係があるのかな？

「理奈、最近は眠れてる？　何か大変なことはないかな？」

「うーん？　私は夢くんの世話をしているだけだけど？」

　そうなのかな？　彼女は無理に笑顔を作ってみせているようだった。

「翔太？　私は大丈夫だから」

「う、うん」

　そう言われたら言葉を詰まらせてしまう。

「理奈？　今日の放課後は一緒に勉強と言うことで良いかな？」

「うーん、そうだよね。私の家で夢くんの面倒を見ながら、一緒に勉強ね。よろしく」

　そうだよね。理奈はヤングケアラー。弟の面倒を見なきゃいけない。と言うことは、彼女のお母さんは仕事か何かで忙しい、ってことかな？