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不死の子供たち・設定集  作者: パウロ・ハタナカ
第一部・廃墟の街
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05 組織・傭兵組合


■傭兵組合


◆組織

 文明崩壊後、法と秩序が崩壊した世界では、略奪者や変異体による暴力が蔓延していました。生き残るためには戦うしかなく、元警察、サイボーグ兵士、ギャング、恐れ知らずの無法者たちが集まり、護衛や戦闘を生業とするようになりました。


 最初は無秩序な傭兵団が各地で活動していましたが、戦闘技術を持つ者同士の争いが続いた結果、生存者たちはある種のルールを必要としました。これが〈傭兵組合〉の誕生につながったとされています。


 組合は、無秩序な暴力を管理するために設立されましたが、すべての傭兵が従っているわけではなく、未だに略奪者めいた強奪を行う者たちも多い。そのため、一般市民からの評判は極めて悪いです。


◆組織の構造

 傭兵組合に所属する各傭兵団は、基本的に軍隊のような階級制度を持ち、それぞれの傭兵は経験と実績に応じてランク付けされています。


・新兵〈ソルジャー〉

 傭兵としての基礎を学ぶ訓練生です。組織内の雑務をこなしつつ、戦闘技術の基本を習得する。暴力が横行する厳しい世界なので、訓練中のイジメなどで心が折れてしまう者も少なくない。雑務には物資の確保や管理も含まれるため、多忙な生活を送ることになります。


・傭兵〈マーセナリー〉

 一人前と認められた戦闘員です。商人の護衛や脅威度の低い変異体の駆除、廃墟での戦闘任務などを請け負います。部隊では突撃兵としての役割も持つため、生存率は極めて低いです。傭兵生活のはじまりです、クレジットを稼いで組織に貢献しましょう!


・指揮官〈コマンダー〉

 実績を積み、何度も死地をくぐり抜けた強者です。危険度の高い任務に就き、チームの指揮も執ることがあります。脅威度の高い変異体〈人擬き〉などにも冷静に対処することができる優秀な兵士です。


 しかしその多くが戦闘によるストレスで何かしらのトラウマを抱え、徐々に精神が蝕まれている状態です。まともな人間は少なく、アルコールや覚せい剤などの薬物に依存する者が大半を占めます。


・工兵〈オペレーター〉

 特定の武器や戦術に長けた専門家で、精鋭のひとりとして部隊に参加します。凄腕のスナイパーもいれば、旧文明の装置などを解析するネットランナーなどがいます。


・隊長〈ジェネラル〉

 傭兵団の指揮官です。それぞれが担当する地区があり、他の部隊と競い合うことで組合に貢献し、その度合いによって多額のクレジットを支給されています。戦闘能力は高いですが、組合での特権を失いたくないので、〈廃墟の街〉に出ることを極端に嫌います。


・戦団長〈ウォーロード〉

 各地域の傭兵団を束ねる英雄にして最精鋭。彼らの方針次第で傭兵団の評判が大きく変わります。戦闘狂であり、自ら進んで戦場に赴きます。


・評議会〈エルダー〉

 傭兵組合の運営を司る長老たち。彼らは各勢力との交渉を担当し、組織の方向性を決定しています。しかしその多くが個々の能力ではなく、血筋によって権力を手にしているので、組合に対する忠誠心は低く、しばしば他の勢力との間で裏取引が行われている。


◆訓練と教育


・生存術

 食料の調達方法や清潔な水を手に入れる方法を学びます。水の浄化や雨水の収集方法なども学びます。怪我や病気に対する基本的な対処法や応急処置についても学びます。〈廃墟の街〉で手に入れられる医薬品の種類と、利用方法も学ぶことになります。


・戦闘訓練

 装備の扱い方を習います。兵器や車両の操縦方法も厳しく教え込まれます。罠の設置や解除方法も一緒に学びます。変異体や略奪者の対処法も徹底的に叩き込まれます。


 その後、それぞれの新兵に適した戦闘技術を教え込まれます。集団での戦術や包囲、襲撃などについても丁寧に学ぶことになります。その過程で地形の読み方や地図の作成方法、探索した廃墟の位置情報を記録する方法も学んでいきます。


◆任務

 傭兵組合に所属する隊員は、任務を遂行することで生計を立てています。


・隊商護衛

 商人組合の隊商が〈廃墟の街〉を移動するさいの護衛を請け負います。略奪者や変異体から商人を守るのが主な役割です。


・変異体の討伐

 廃墟や工場跡には危険な変異体が潜んでいることが多く、それらの駆除を依頼されることもあります。


・鳥籠や施設の警備

 完全武装した警備兵として施設を防衛するために雇われます。


・特殊任務

 貴重な遺物の回収や暗殺など、裏仕事を請け負うこともあります。


◆組合の掟

 傭兵組合には、いくつかの掟が存在します。


「契約は絶対」

 引き受けた仕事は、どんな犠牲を払っても遂行しなければならない。契約違反をした者は組織から追放されます。


「仲間殺しは厳禁」

 組織内での抗争や依頼主に対する略奪は禁止されています。ただし、裏で私刑が行われることは珍しくなく、各部隊でのイジメが横行しています。


「恐れは死を招く」

〈廃墟の街〉では、小さな油断やミスが重大な事故につながり、生死を左右することがあります。恐怖は判断を鈍らせます。ときには薬物の力を頼ることも必要です。


◆傭兵団

 傭兵組合は秩序を維持するための存在でありながら、その倫理観は曖昧です。依頼次第で〈鳥籠〉を守ることもあれば、逆に襲うこともあります。


・正統派傭兵団

 組合の掟を厳守し、依頼主を裏切りません。〈鳥籠〉や商人組合などと良好な関係を築いています。


・無法者傭兵団

 与えられた任務を遂行しますが、その裏では力なき者に対する略奪行為を繰り返しています。彼らは〈傭兵組合〉に所属しながらも、略奪者と変わらない存在と見なされます。


◆他勢力との関係


・商人組合〈友好的だが緊張関係〉

 傭兵組合の主な依頼主であり、護衛や取引の交渉役として不可欠な存在です。ただし、クレジットのためならどんな仕事でも引き受ける傭兵たちのことを警戒し、信用していません。


・スカベンジャー組合〈敵対的〉

 その仕事柄、〈廃墟の街〉で出くわす頻度が最も高いですが、ならず者が指揮する部隊の多くはスカベンジャーから物資を強奪することがあるため、敵対的な関係にあります。


・略奪者〈敵対的または同盟〉

 傭兵団の中には略奪者と手を組んでいる者もいますが、基本的に敵対していて、〈廃墟の街〉で遭遇すれば戦闘になります。〝レイダーギャングを排除する〟という任務もあるため、標的にされることもあります。


・不死の導き手〈友好的だが緊張関係〉

 カルト集団の多くは異端者を排除するため、武装勢力としての側面も持ち合わせています。傭兵組合は彼らの施設を警備することもありますが、信者とはみなされていないため、しばし争いに発展することもあります。


・変異体〈敵対的〉

 任務の多くが集落の近くに迷い込んできた変異体の排除や、廃墟を棲み処にする〈人擬き〉の排除なので、つねに争っている状態です。その過程で〈人擬きウィルス〉に感染し、〈人擬き〉に変異する傭兵も多いため、切っても切れない関係です。

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