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不死の子供たち・設定集  作者: パウロ・ハタナカ
番外編・01

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019 番外編・技術・兵器


■技術・兵器


◆◇ビー〈Bee〉


 半自律型偵察ユニット〈H-1838〉は、旧文明期の技術革新が生み出した高度な偵察ドローンです。このユニットは、特別なAIエージェントを搭載したカスタム設計のモデルであり、旧文明期以前の技術では到達できなかった柔軟性と適応力を有しています。


 小型の機体はひし形状で、濡羽色の光沢のない装甲で覆われています。その装甲は敵の目を欺くために緻密に設計されていて、光学迷彩を換装することで背景に溶け込み、ほとんど視認できなくなります。必要に応じて改造することで、シールドを展開することも可能で、汚染地帯や敵の砲撃からユニットを保護する役割を果たします。


〈H-1838〉の最大の特徴は、回転翼を持たず重力場を発生させ飛行する先進的な技術にあります。これにより振動や音の発生が極限まで抑えられ、従来型のドローンと異なり、敵の監視や感知装置に検知される可能性が最小限になっています。また、悪天候や地形的な障害にも影響されることなく安定した飛行を維持できます。


 このユニットの特筆すべき能力のひとつに、優れたハッキング機能があげられます。敵対的なドローンや戦闘車両のシステムに侵入し、一時的にその制御を奪取することが可能になっています。これは、旧文明の高度なサイバー戦術を反映したものであり、敵の兵器を一時的に無力化し、作戦遂行における有利な条件を作り出します。


 このプロセスはAIエージェントによるリアルタイム分析と連携していて、目標を精確に選定し、高速で侵入と制御の切り替えを行います。


 さらに、〈H-1838〉は共有ネットワークに接続された複数のドローンを遠隔操作することも可能です。この機能を活用することで、自爆型ドローンを含むさまざまなタイプの無人機を編成し、完璧な連携を取ることが可能になります。


 例えば、敵の前線を撹乱するために自爆ドローンを運用したり、敵の通信拠点を無力化する電子戦型ドローンを操作したりすることができます。このネットワークの運用によって、〈H-1838〉は単体での性能だけでなく、戦場全体での戦術的影響力を格段に向上させます。


 また、多目的センサーモジュールを搭載しているため、環境や任務内容に応じた対応が可能になっています。


 アイカメラを複数のモードを切り替えることで、センサーが機能しない汚染地帯などで最適な画像データを取得し、人工知能によって迅速かつ正確な情報統合を行うことができます。これにより、〈H-1838〉はその場の状況をリアルタイムで解析し、作戦に必要な情報を提供することが可能になっています。


 機体設計には高い拡張性が組み込まれていて、用途や任務に応じて追加モジュールや武装を搭載することも可能です。例えば、電子戦モジュールを装備することで敵の通信網を攪乱する機能を追加することが可能で、偵察と軽攻撃の両方を担うことができます。


 この偵察ユニットは、文明崩壊後の混沌とした世界において、アネモネたちの戦術的優位性を高める革新的な兵器になっています。その能力は戦場の状況を劇的に変える可能性を秘めていて、敵の脅威となるだけでなく、味方の生命線としても機能しています。


◆アネモネ専用多脚車両〈軍用規格〉


 文明崩壊後の戦場における重要な軍用兵器として設計された次世代型の地上戦闘ユニットです。その機体は、自動車ほどの全長を持ち、車体中央に配置された球体型操縦席を中心に、左右対称に六本の脚を有する構造が特徴的です。


 この多脚構造により、従来の車両で移動が困難な地形でも高い機動性を維持し、起伏が激しい戦場や瓦礫が散乱する〈廃墟の街〉での運用を可能としています。


〈姉妹たちのゆりかご〉で発掘された軍用車両のひとつであり、〈廃墟の街〉で発見され、修理の後に再利用される建設用車両とは異なり、高い機動力と戦闘能力を有しています。


 アネモネの専用車両は、車体全体を青いモジュール装甲で覆われています。装甲板は旧文明の鋼材により、従来の装甲を凌駕する防御力を備えているだけでなく、クラッシャブルストラクチャーを採用することで高い防御性能を有しています。


 この装甲は一定のエネルギーを受けると自動的に壊れる特性を持ち、その破損によって衝撃エネルギーを分散させ、車体内部の重要な機関を保護する仕組みになっています。これにより、被弾時のダメージが最小限に抑えられると同時に、迅速な修復が可能となる設計が施されています。


 さらに、車両にはシールド発生装置が搭載されていて、青い薄膜状のシールドを展開することで銃弾や飛翔体の軌道を逸らすことが可能になっています。このシールドは、一時的に強力な磁界を形成して攻撃を無力化する技術ですが、その使用には大量のエネルギーを消費するため、戦術的な運用が求められています。


 射撃管制装置には、日本の光学機器メーカー〈シグマ〉製の高集積タイプの光学観測モジュールが採用されています。


 この装置は、複数のモードから最適な画像やデータを撮影し、センサーが動作しない汚染地帯や過酷な環境下でも確実に情報収集を行うことができます。収集されたデータは内蔵された人工知能によって統合され、リアルタイムで分析され、戦術決定を迅速にサポートします。


 また、管制システムには〈データベース〉と統合された戦闘用支援モデルが採用されていて、最新の戦術データをリアルタイムで受信することが可能になっています。これにより、敵軍の動向や戦場の環境変化を瞬時に把握し、適切な対応を取ることができます。


 この連携システムは多脚車両の戦闘能力を大幅に向上させ、つねに戦術的優位性を確保する助けになります。

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