表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
童貞って言うな!  作者: 袴田一夜
雷門聖奈
79/129

生徒手帳

昼休みになって、私は学ランのジャケットを返しに行くか悩んだ。


図書室に行ったらダミアンに会えるかもしれない。


でも...一日貸してくれるって言うし、放課後でも良いよね?


結局私は、昨日と同じ特別教室側の女子トイレに行った。


やっぱり誰もいない。


鏡の前に立って、ダミアンのジャケットを羽織る。


ぶかぶかだ。


なんかちょっと嬉しい。


昔はそんなに身長変わらなかったし。


ジャケットの匂いを嗅いでみる。


良い匂い。


学生服は毎日洗うわけじゃないから、ファブリックミストの香りかな?


石鹸の香りがする。


ポケットを探ると生徒手帳が入っていた。


...学生証の写真もちゃんと美少年。


中を開いてみると、何かが挟んであった。


チェキだ。


写ってるのは学生服のダミアンと私。


入学式の日に兄が撮ったものだ。


兄は思い出をチェキで残すという趣味があった。


思い返せば、確かにダミアンは一枚チェキを貰っていた。



「私、かわいくない」



写真の中のダミアンは、意地悪なんてしなそうな優しい顔で微笑んでいる。


私は真顔。


いかにも愛嬌がない。


こんな写真、挟まなくていいのに。


私はチェキを抜き取った。


ダミアンもノリで貰っただけだし、きっとなくなってもバレないでしょ。


そう思ってた。


でも実際はすぐに気付かれた。



「写真は?」



放課後すぐ、ジャケットを返しに3年生の教室に行った。


ダミアンが部活に行く前に返したかったし、早く行けば兄がいると思って。


幸い、彼はまだ教室にいて、兄と話していた。



「写真?」



私は白を切る。


まさかジャケットを返してすぐに、生徒手帳を確認されるとは。



「挟んであったでしょ? 写真返して。返さないと殺す」


「ご、ごめんなさいっ! 捨てました!」


「はぁ?!」



癇癪起こせばダミアンに何でも言えるのに、そうじゃない時の私は弱い。



「だって、あんな可愛くない写真...恥ずかしいんだもん!」


「いつもあんな感じだろお前」



やめて、聞きたくない!


いつも可愛くないだなんて!



「写真ってなんの話?」



兄が間に入る。



「俺と聖奈の写真」


「ああ、帝翔が欲しいって言って、俺があげたやつ?」


「可愛くないだなんて。いつも通りの聖奈だったよな?」



やっぱりいつも可愛くないんだわ!


写真なんて嫌い!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ