幼馴染がモテ男だと苦労する
中学の始業式、早速ダミアンは女の子達の心を奪った。
彼は昔から無駄に成績が良く、生徒会長になっていた。
生徒会代表挨拶で前に出ただけで、新入生にファンが出来た。
「生徒会長かっこよくなかった?」
「そうなの? 私後ろの方だったから見えなかったけど」
「私も見たけど顔綺麗だった!」
教室に戻ると、女子の間で生徒会長の話題になる。
ああ、嫌だ。
みんな顔に騙されてる。
あいつはデリカシーゼロの失言大魔王なのに。
始業式の後は軽く終礼をして帰るだけ。
家族と帰る人が多く、校庭が待ち合わせの場所になっていた。
私もその一人。
父は仕事が忙しくて来れないので、母と待ち合わせをしていた。
母を見つけると、私は青ざめる。
兄と...ダミアンまでいた。
どんだけにーや(兄)とセットなのよ!
「あの人! 生徒会長」
「めっちゃイケメン」
まわりの女の子達がざわつく。
「聖奈、入学おめでとう」
母や兄より先に、ダミアンが言った。
「セーラー服似合ってるじゃん。痩せてて良かったね」
言いながら私の頭をぽんぽんと叩く。
中学生になってもダミアンの髪型はミディアムツーブロックだった。
父親がそうさせているらしく、ダミアン本人の希望ではない。
顔が良いだけで、髪型やファッションになんのこだわりも興味もないのだ。
兄は高校までは背が低く、それまで私より小さかった。
この頃の兄はまだ160センチほどで、私は165センチ。
ダミアンは昔から私と同じくらいの身長で、元から他の男子に比べれば高い方だったが、中学3年生の頃には170センチくらいあった。
ずっと身長差がなかったのに、気付けば私より大きい。
「あの子のお兄ちゃんなのかな? 紹介して欲しい」
他の子の会話が聞こえた。
実の兄だったらどんなに良かったか。
ダミアンの妹だったら、女子に嫉妬されることもなかったのに。
次の日、私の机に3人の女の子がやって来た。
同じクラスで、見た目からして一軍女子。
「雷門さんって生徒会長と仲良いの?」
「生徒会長って彼女いるの?」
「雷門さんが彼女ってわけじゃないよね?」
ああ、こういうの久々。
しかも小学生の頃と違って、目の本気度が違う。
怖くて、私は怯えた。




