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童貞って言うな!  作者: 袴田一夜
雷門聖奈
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小学校の思い出


ダミアンは私に限らず、他の女の子に平気で失礼なことを言った。


思ったことを口にしてしまうのが癖なのか、あれだけ照れていた可愛い女の子にまで失言してしまう。


イメージと違うと幻滅されて、皆どんどん去って行った。


ダミアンは慣れているのか、去る者は追わない。


可愛い女の子が離れることだけは残念がっていたけれど、数日でけろりとしていた。



「テイト...言葉に気を付けないと、皆に嫌われちゃうよ。友達いなくてもいいの?」



ダミアンが小学校5年生になってもその癖が治らないので、私は言ってやった。



「セイナだって友達いないじゃん」



私は友達作りをとっくに諦めていた。


寄ってくる女の子は皆ダミアン狙いだし。


私と仲良くしたい女の子なんて誰もいない。


最初は悲しいと思っていたけれど、この頃には何も思わなくなってしまった。



「俺はセイヤとセイナがいればいい」



そう答えるダミアン。


私は他の子みたいに去りたい。


でもダミアンは兄の親友だから、会いたくなくても会ってしまう。


兄は器用に友達との時間を分けていた。


学校と平日の放課後は他の友達、休日はダミアンと遊びに行く。


私だって大好きな兄と遊びたい。


休日はダミアンと兄の取り合いだ。


兄の行くところに私はついて行ってしまう。


結果的に私は、1週間ほぼ毎日ダミアンと過ごしていた。



私が自分で本を読めるようになると、ダミアンの読み聞かせはなくなった。


図書室ではお互い無言で本を読む。


ダミアンは毎日面白い本を探していて、私は彼が見つけたおすすめの本を読まなければならなかった。


おすすめがない時は、ダミアンが本を読んでいる横で私は勉強をした。


勉強でわからないところがあれば、ダミアンは教えてくれる。


得意顔になるのが気に入らないけれど、教え方はわかりやすくて上手だった。


ダミアンが卒業するまで、図書室の会は続いた。



悪魔が中学生になって、私はやっと自由になれた。


昼休みに図書室に連れて行かれることもない。


しかも、ダミアンはバスケ部に入ったみたいで、放課後は部活で忙しい。


部活が終わったら、すぐ家に帰って食事の支度をしなきゃならないとか。


ダミアンと平日に会うことはなくなった。


それから私にも友達が出来た。


クラス替えをして、ダミアンのことを知らない女の子と仲良くなった。


林間学校や修学旅行は友達と楽しく過ごした。


ダミアンがいない学校生活はなんて楽しいの!


これが本来私が歩むべきスクールライフ。


でもそれは束の間の幸せだった。


私は中学生になって、再びダミアンと同じ学校に通うことになった。


かぶるのはたった1年。


1年我慢すればダミアンは高校生になる...小学校で4年かぶった時よりマシだ。


けれどその1年が、人生で一番地獄だった。

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