表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
童貞って言うな!  作者: 袴田一夜
明堂帝翔
59/129

聖奈が選んだ服


結局、日比谷で買うのはやめようと聖奈が言って、有楽町まで向かった。


俺が変な態度をとったから、兄と不仲だと思ったようだ。


別に日比谷でも良かったのに。


日比谷から有楽町まではたったの5分。


車を出すまでもない。


好きなラーメン屋の話を俺が一方的にしている間に、有楽町のショッピングモールに着く。



「自分で服買ったことないから、何が良いのかわからないな」



とりあえず目についた服屋に入る。



「お前、どれがいいか選んでくれよ」



聖奈は困った様子だが、俺が選ぶよりかはきっと良いだろう。


任せっきりも可哀想なので、店内二手に分かれて、お互い良いと思った服を見せ合うことにした。



「サモハン見て! これオシャレ!」



早速見つけた服を持って、聖奈の元に戻る。



「昔のT.M.Revolutionみたいでカッコよくない?」



HOT LIMITの衣装のような服を見せると、聖奈は頭を抱えた。


どうやらダメらしい。


何故?


兄さんだって、こういう服着てテレビに出たことあるのに。



「先輩のセンスがよくわかりました。とりあえずこの店はちょっと奇抜なので、他行きましょう」



俺が選んだ服を聖奈は置いて、店を変える。


連れてこられたのはカジュアルめなお店だった。



「先輩は...悔しいけど素材は良いから、シンプルかつ上品なものが似合うと思います。ずばりジャケット+カットソー!」



...カットソーって何?


聖奈は店内を回った。


俺はただ黙ってついて行く。


彼女の目は生き生きとしていた。



「これとか良いじゃないですか! ちょっとダボっとしたジャケット。

色は藍色にしましょう。先輩は寒色系が似合います。陽より陰って感じだし」



俺って陰なのか...?


自分では明るい方だと思っていたのだが。


スーツのジャケットを脱いで、聖奈の言う藍色のジャケットを羽織る。



「わあ! とっても似合います!

これならどんなTシャツとも合いそう。ちなみに先輩は普段どんなTシャツ着てるんですか?」


「沖縄のTシャツしか持ってない。シーサーの絵がプリントされてたり、沖縄弁が書いてあったり」



沖縄の方言の意味は知らないけど。


ましてや行ったこともない。



「それって、にーやのお土産の?」



俺は頷く。


聖也は毎年沖縄に行っていた。


祖父の家が沖縄だということもあって、お盆休みに必ず沖縄。


その度にTシャツを買ってもらっていたわけだが、俺の私服はそれとジャージしかない。


大学時代からほぼそれで生活していることを聖奈に伝えた。



「服に興味なさすぎです! 東京にいてあんなの着ます?!」



沖縄Tがデート向きではないことはわかるが、そんなに悪いとも思えない。


誰ともかぶらないし。


それに...。



「俺のTシャツ、聖奈が選んでくれたんじゃないの?」



俺がそう言うと、聖奈は気まずそうな顔をする。



「し、知ってたんですか? 私がいつも選んでたこと」



聖也に初めて沖縄のお土産を貰った時から知っていた。



『悪いけど、俺が選んだわけじゃねーからな! 聖奈が選んだんだぞ!』



と聖也に言われて、ちんすこうが描かれたTシャツを貰ったのが最初だ。


あれだけ俺を避けていた聖奈が、俺の為に服を選んでくれたのがすごく嬉しかった。



「聖奈が選んだ服は着るよ」



俺の言葉に聖奈は悲しそうな顔をした。


喜ぶと思ったのに、何故そんな顔をするんだ。



「先輩、わたし意地悪したんですよ」



意地悪?



「わざとセンスのないTシャツを選んだんです。まさか本当に着るとは思わなかった」



センスがない?


わからない...シーサー、ジンベイザメ、ちんすこう、ゴーヤ...どのTシャツも可愛いのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ