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童貞って言うな!  作者: 袴田一夜
雷門聖也
25/129

わかりにくい箱



昼食をとるために、帝翔と会社を出た。



「ちょっと煙草買いにコンビニ寄っていいか?」



帝翔の返事を待たずに俺はコンビニに入る。


俺がレジで並んでる間、帝翔は店内をうろついていた。



「セブンスター...88番を2箱」



番号を伝えて、店員が煙草を探してる間、帝翔が何かを持ってきた。



「なあ、聖也。この綺麗な箱はなんだ? カラコン? 俺こういうデザイン好きだわ」



俺は一瞬固まる。


それはコンドームの箱だった。


確かに、ただ蝶が描かれているだけで、何ミリとかもわかりやすい数字も書いてない箱だが...わかるだろ!


わりとどこでも見かけるやつだぞ!


いや、帝翔は今まで彼女がいなかったから、買う機会もなくてわからないのかもしれない。


にしても隣にそれらしい商品あっただろ!



「とりあえずそれ棚に戻してこいよ」



俺はその箱に一瞥した後、帝翔の顔を見ずに前を向いた。


店員が戻ってきたのでかなり気まずい。



「え? まあ、買わないけど...これ何?」



おとなしく戻してくればいいのに、しつこい!



「今会計してるから後にしてくんない? 早く戻してこい」



帝翔の顔を見ていないが、雰囲気的に、あいつが不機嫌になったのがわかった。


俺か?


俺が悪いのか?


何もわかっていないお前より、俺の方が今、恥をかいてるんだぞ!


セブンスターを二箱持って、俺は先にコンビニを出る。


とにかくあの場から離れたかった。


店員は完全に引いてる顔をしていた。


俺と帝翔の為にも、早くコンビニから離れた方がいい。


帝翔は俺の後ろをついてきていた。


コンビニから少し離れたところで立ち止まり、俺は振り向いた。



「童貞にもほどがあるだろ」



笑いながら言った。


あの時は恥ずかしさでいっぱいだったが、離れて多少落ち着いてくると、笑けてきた。



「あの箱、コンドームだぞ! 帝翔がレジでしつこく聞くからめっちゃ恥ずかしかったわ!」



帝翔も笑った。


友達は多くても、やっぱり帝翔は特別だ。


変...帝翔はちょっと、いや、かなり変わっている。


こいつと一緒にいたら人生退屈しない。



「お前って奴は本当面白いよなぁ! この歳になってあんな恥ずかしいことはなかなかねぇ!」

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