ネトストの限界
「ごめんね、うちの息子なんだけど、ほんとアホで...マリアちゃん遠慮せず、たくさん飲んでね。息子が払うから」
勝手に俺がご馳走することになっている。
別に構わないが、それはマリアと聖也の関係がわかってからだ。
他の男と付き合っている女には奢りたく無い。
しかし...今日のSNSでのつぶやきでは、「彼氏はいない」と言っていたはず。
彼氏ではなくても、セフレかもしれない。
まだその件について否定はされてない。
「俺達、全然そういうのじゃねーから。マリアは俺の妹の友達で」
俺の疑いを察したのか、聖也は説明してくれた。
「高2の時に聖也さんの妹...聖奈ちゃんとクラスが一緒で。それからずっと聖奈ちゃんと仲良しなんです」
マリアが美しい声で言う。
高2の時ということは、俺が大学1年の頃だ。
聖奈と仲が良いだなんて...知らなかった。
SNSではそんな情報はなかった。
確かに、聖也の妹は地味で暗い性格で、顔写真をネットに上げるタイプではない。
SNSをやっていたとしても、本名ではやらなそうだ。
「妹と一緒に三人で遊ぶことが多くて...って言っても、俺は二人の金ヅルか、運転係にされてただけだけど」
まさか聖也とマリアが親しかったなんて。
灯台もと暗し。
聖也はSNSに一切興味が無い。
マリアのフォロー欄に共通の知り合いがいなかったのは、聖也がSNSのアカウントを持っていないからだ。
「聖也の女じゃないなら、好きなもの一杯どうぞ。ご馳走します」
「いいんですか? じゃあ、お言葉に甘えちゃお」
マリアは笑顔を俺に見せて、ミスティアのジンジャー割りを注文した。
聖也はアードベッグのロックとチェイサーを頼む。




