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縁生  作者: たると
10/29

1-10

 父の顔は存外、変わっていなかった。

私たち家族にとって悪虐の限りを尽くし

記憶の中では、顔の中央が黒く抜け落ちていたため

拍子抜けにすら感じた。

元の記憶の顔と再会する。




もう、他人だ。




そう思うと、鼻奥が騒ぎ出した。

理由がわからなかった。

父との別れが悲しいなどとは一切思っていなかった。

憎しみや怒りもないではなかったが、

母とこの地を去る喜びの方が大きかったはずだ。

離婚などという形式ばった切れ目とは別に

音が聞こえるほど、父との関係が終わる瞬間を目の当たりにした。

それが少し痛かったのだ。

そう思うことにしよう。





「久しぶりだな。」




「どうだろうね。」












「怒っているか。」










「どうだろうね。」






その先は覚えていない。




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