序幕:夢を見た感想
夢を見ていた。
長いようでいて、とても短かった夢を見ていた。
しかも、見ている時にそれが夢だとはっきり認識できる夢だった。そういう夢を見る時は何かが起こると前に誰かに聞いた気もするけど、まあ今この時にはあまり関係のない事だと思う。
夢の内容はいたってシンプルだ。
今まで自分が訪れ、見て、触れて、触った様々な場所を走馬灯のように一気に巡った夢だった。
深緑が日の光を受けて綺麗に輝いている森林。これまた日の光を受けて輝き、その光を浴びた砂が宝石のように見えた海。初めてセスナ機に乗った時に窓から見た穢れを知らない空。月に光に照らされる中、空から降り注ぐ雪の景色。太陽が沈んでいく様子をバックにした歴史ある建造物。
それらが一瞬にして目に映り、そして過ぎ去っていった。
確かにあっという間だった。恐ろしいほどあっという間だった。
人の一生は、本当に走馬灯なのかもしれない。
今になって何でこんな夢を見たんだろう。
一つの場所に留まるということが殆どなかった、生まれてから今に至るこの十七年間。ある場所からある場所に移るときだってこんなことは無かった。
やっぱり・・・・・今回が「特別」だからだろうか。
もう二度と、各地を旅するようなことは無いから、こんな夢を見たのだろうか。
結局の所、答えは出てきそうにない。
まあでも、これだけはハッキリとしている。
今この瞬間にも向かっている新しい土地での出会いに、俺はワクワクしている。
今度はどんな人たちと出会えるのだろうか。それだけあれば十分だった。
えー、初めての人もそうでない人もいるとは思いますが、一応挨拶はしておきたいと思います。
一応、初めまして! この小説の著者の葉月陸斗です。
このたびは「物神は宿り神」を読んでくださってありがとうございます。
初めてでない人は「連載二つも抱えてんのに何をやっているんだ・・・・・」なんて思っているかもしれませんが、申し訳ないです。書きたかったんです・・・・・。
ゆっくりとではありますが、途中で止めることだけはしないので、どうかよろしくお願いします。