前世の記憶
こんにちは諸君。私はウェール・ドミア・スミス。栄光なるウェリアド帝国の兵士だ。
突然だが、より良い休息は一兵士として最大限敵を撃つためには重要なことである。
そのために兵舎で休息をしている。
さて、明日も敵を打つため、我らの栄光なるウェリアド帝国のためしっかり働こうではないか。
「奇襲だー!敵がミシアを撃ってきたぞー!」
...何か外が騒がしいな。どうかしたのだろうか
「大変だ。兵舎に向かっているぞ。」
...⁉︎兵舎に向かっている、だと...
いやだ。私は兵士だ。死ぬなら敵を撃ってから死にたい。
もし...この世に神なんてものがいるのならば、こんな苦痛あるわけないだろう。
私のただ、唯一の願いは少しでも帝国のために...役に立つことだ。
いや...私は役に立っていたはずだ。ウェリアド帝国の英雄と呼ばれていたのだ。
俺はウェルミダ・ベリアル。いや私は...
その時、プツンと糸が切れたように記憶が蘇った。
ー俺はウェルミダ・ベリアル。平民だったが戦争で活躍し、
今や英雄と呼ばれ国王様からは侯爵の地位を授かった。
今日は国王様に呼ばれて王城に来ている。
「国王様、何の御用ですか?」
「お前を呼んだのは、国王様デハナイ。ワタシダ。」
「...エンビル公爵。何かございましたか?」
その時、ザクッと腹に刀が刺さった
「公爵。これは一体...?」
「オ前ハ力ツケスギタ。オマエ、排除スベキ。」
なんだ...?何かが取り憑いている?
「お前は何もんだ‼︎」
「ワレ?ワレ魔王デアル。ワレ、ワレ、ワタ、わたしは...」
「公爵⁉︎正気に戻られたか。」
「ああ...ベリアル侯爵。申し訳ない...何かに、何かに取り憑かれていたようなんだ。そんな...私は、私は」
「公爵。あなたは国を思い常に国のために努力してくださった。そんなに落ち込まないでください。
俺はあなたを信じています。」
「ありがとう...ありがとう。」
「あなたにウェリアドの女神の祝福を...」ガクッ
そうだ。俺はウェルミダだ。今度の生もウェリアドのために敵を撃とう。
しかし、本当にそれでいいのだろうか。今度もまた魔王に襲われるような人生になるのだろうか。
そうだ。今生は目立たないようにすればいいんだ。
ウェリアドの女神、栄光なるウェリアド帝国のために、
目立たないよう暗躍すればいいのだ。
『----。これは...奇跡ですね。』
「ん...」
「起きましたか。おはようございます。」
「こんにちは。ここは?」
「ここは医療所です。...失礼ですが...お名前、わかります?」
「...ウェール・ドミア・スミス」
「記憶も意識もはっきりしているようですね。よかった。
あなたはミシアに襲われて瀕死の状態だったですよ。生きてるのは奇跡です。」
「訓練...すぐにしなきゃ。」
「ダメです。貴方は傷が治るまでここで休養してください。
...休まず戦場に行くと返って他の兵士の邪魔になりますよ。」
「それなら...。」
「じゃあ、最低でも傷が塞がるまでゆっくりしていってくださいな」
ゆっくりしてる暇はないんだが...まぁ傷は治らないまま訓練すれば将来動けなくなる可能性もあるし、今は休みますか
ー次回へ続くー
この作品はここで独特言語を解説していきます!
ミシア=ミサイルのようなもの