パシリ戦争【先攻】
【登場人物】
◆赤坂 大(あかさか だい)◆
高1。身長147センチ。超ネガティブ思考の男子。右隣の席に座っている人が苦手。
◆御勅使 美波(みだい みなみ)◆
高1。身長148センチ。背の高い男子に威圧的な態度をとる女子。赤坂君が好き。
平年より10日以上早く関東甲信越地方の梅雨が明け、1学期の期末テストが無事終わり夏休みが待ち遠しくなってきた7月上旬のある晴れた日の昼休み時間……。
仲の良いクラスメイト同士が昼食をとるために机を合わせている教室の中で、釜無高校1年3組の《赤坂 大》はこの日の天気とは真逆の曇り空のような気分で困惑していた。そう、ボクのことだ。
ボクは弁当を忘れてしまった。今までそんな失敗はしたことがなかったのに……昨日の夜はお気に入りの夏アニメの第1話をリアルタイムで見てしまったせいで寝坊してしまい、朝食をとらず食卓に置いてあった弁当もスルーしてしまったのだ。
しかしここは高校。弁当を忘れても「学食」や「購買」などお昼を食べる手段は他にもある。でも困ったことに、ボクは学校に現金を持ってきていないのだ。
お小遣いの一部はスマホの電子マネーにチャージをしている。世の中にはスマホ持ち込み禁止の高校が存在する中で、ボクの通うこの高校ではなぜか電子決済可能な自販機(業者が間違って設置したのではというウワサだが)があり現金がなくても飲み物には困らない。それに、この辺りは帰りにコンビニくらいしか寄り道する場所がない田舎なので基本的に現金は必要ない。
しかもボクみたいなキャラだと、不良に絡まれてカツアゲされることも十分ありうる。そんなとき「お金持ってませんよぉ~」からの「じゃあそこでピョンピョンはねてみろ」と脅されても、ポケットからチャリンチャリンと小銭の音は聞こえてこないので危機回避できる……と思う。
だが今回はそれが裏目に出た。自販機はハイテクでも学食や購買は現金しか使えないからだ。それに加えて誰かにお金を借りようにも「チビ陰キャキモヲタスクールカースト最下層」のボクに金を貸してくれる人などいないだろう。
唯一、貸してくれる可能性のある数少ない(いや1人だけだが)友人でオタク仲間の《大垈 竜地》君は今日、体調不良で学校を休んでいる……万策尽きた。
仕方ない、昼食抜きで過ごそう。ボクは少食だから1食ぐらい抜いても耐えられるだろう。だが今日は午前中に体育があったのでこの状況はさすがにキツい。何で体育着持ってきたのに弁当忘れたのか……今さら後悔しても始まらないが。
このまま教室にいてクラスメイトが楽しそうに弁当を食べている姿を見るのはキツい。それに昼食をガマンして席にポツンといるボクのせいでクラスの雰囲気が悪くなるのは申し訳ないし、どちらかと言えば誰もボクの窮状に気付いてくれない方が可能性は高い。
そうだ、だったらトイレの個室に籠って昼休みをやり過ごそう! それが賢い選択だ。そう思ってトイレに向かおうと教室を出たそのとき……
「あっ赤坂君!」
後ろから誰かに呼び止められた。この学校でボクに話しかけてくる人、しかも女子の声……イヤな予感しかない。恐る恐る振り向くと……
――予感的中。
【開戦】
うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
――ま、また出たよこの人。
そう、ボクの《右隣の席に座っている人》だ!!
何の用ですか? 正直、この人には授業中以外(できれば授業中も)関わりたくないんですけど……。
すると《右隣の人》は、いつもの威圧的な態度ではなく、少しニコニコした顔でボクに話しかけてきた。
「あのさぁ~……ちょっっっと頼みたいことがあるんだけど~」
――え? 頼み? なんでボクに? ていうかこの話し方が逆に怖い。
「私さぁ~今日お弁当忘れちゃってぇ~……悪いんだけど購買でパン買ってきてくれない? お金渡すからさぁ~」
…………は?
はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?
――何ソレ……ボクに『パシリ』をやれってことですか?
ついに来た! 友達でもなんでもないただの「スクールカースト最下層」に対する差別的行為、つまり「イジメ」だ!
「どっ……どどどうしてボクが?」
「だってぇ~購買1階で遠いしぃ~パン売り場は男子ばかりで怖いしぃ~……」
いやいや、だからって他にも男子がいるのに何で!? ボクが行く理由はどこにもないじゃないですかぁああああああああああああああああああああああああ!!
確かに、1年の教室は3階にあるので1階にある購買までは遠い。しかも購買に行くのは飢えた狼のような男子ばかりで、女子にはハードルが高いと言われている。
だがこの《右隣の人》の正体は、クラスメイトとあまり関わりのないボクですら知っているほど有名な「凶悪女子」だ。この人は一部の男子から「ラーテル」と呼ばれていて、男子に対してはどんな相手でも威圧的に対応するらしい。
しかもこの人は確か体育会系の部活に入っていたはず……毎朝3階まで上るのに息切れしているボクなんかよりずっと体力あるだろうし、この人なら下手すりゃパン売り場に群がる男子どもを片っ端から駆除しそうだ。
――これは明らかに不自然な頼みごとだ。「イジメ」で間違いないだろう。
ダメ元で拒否しよう。どうせカースト上位に対してこんな行為は無力だろうけれど、こうなったら「一寸の虫にも五分の魂」だ!
「そっ……そそそそれってべっ、別にボクじゃなくてもいっ……いいいいじゃないですか!? 誰か他の人に頼めないんですか?」
すると、それまでニコニコしていた《右隣の人》が一転して液体窒素より冷たい表情になった。え? ヤバい。調子にのって反抗しすぎたかな?
「あっそ……」
そう言うと《右隣の人》は手に持っていた「紙」をボクに見せてきた。
「コレ、覚えてないの?」
うっ……うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!
ボクはその「紙」を見た瞬間、身体中から血の気が消え失せてしまった。それは以前、ボクが《右隣の人》に渡したメモだった。
この前、授業中に右斜め前の女子の「透けブラ」が気になってチラ見していたところを《右隣の人》に見つかってしまい、「口止め」の代償として『何でも言うことを聞く』と書いたメモを渡してしまったのだ。
この『言うことを聞く』という誓約は現在、《右隣の人》によって「保留」されている。つまりボクはいつ何どき、どのようなことでも《右隣の人》の言うことを聞く「命令」という爆弾の「スイッチ」を渡してしまったのだ……ま、まさか?
ニヤリと不敵な笑みを浮かべて《右隣の人》はこう言った。
「何でも言うこと聞くっていう話だったよね? だからこれは『命令』よ!」
ここで発動かぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
「わ……わかりました」
これは反抗できない。あの出来事をクラス(特に女子)に言いふらされるダメージに比べればこんな苦行など何てことはない。命にかかわるような「命令」をされるよりマシ……とボクなりにプラス思考で考えるしかない。
でもこの人、よりによってボクも弁当を忘れて……空腹で辛いタイミングになぜそんな「命令」をするんだろう? ひどい……泣きっ面にハチだ!
だけどボクは反抗できる立場にない。《右隣の人》から300円を預かると……
「わっ……私目は何を買ってくればよろしいのでございましょうか?」
すっかり「下僕」の状態だ。
「ん~~~っと……それじゃあ……」
《右隣の人》はしばらく考えて
「焼そばパンひとつ買ってきて! 無かったら何でもいいよ」
……え? 意外な答えが返ってきた。ボクにとって焼そばパンって「男子が食べるパン」っていうイメージがあったからだ。
勝手な想像だが、女子って「メロンパン」とか好きそうな気がする。実際、アニメでもメロンパンが好きなうるさいうるさいうるさいヒロインとかいるし……。
300円って金額も腑に落ちない。購買のパン1個だったらおそらくどれを買っても200円あれば足りると思う……何で?
「早く行かないと売り切れちゃうぞ、急げ~!!」
「はっ……はひっ!」
そんな疑問を考える余裕も与えられず、《右隣の人》にせかされるようにボクは1階の購買に向かって走った。廊下を走ってはいけないのはわかっているが、今はそんなこと考えている状況じゃない。
購買の場所は知っていたが、今まで利用したことはない。さっきも言ったが、ボクは現金を持ち歩かないからだ。普段は静かだが、昼休みはパンを買いにくる生徒たち(ほぼ男子)で戦争状態になるらしい。以前、何も知らず購買に行って散々な目に遭ったと友人の大垈君が言っていた……正直不安と恐怖しかない。
※※※※※※※
「はぁはぁはぁ……」
――やっ……やっと購買に着いた。
ウワサどおり、パンを買いに来た男子たちでごった返していた。いや、殺気立っていると言った方が正解かもしれない。
イヤだなぁ~、こんなところに突っ込んでいく勇気などボクにはない。正面はもはや「壁」だ。パンを売っている人の姿はこちらから全く見えない。
ボク個人の買い物ならこの状況を見たとき、迷わず買うのをあきらめて空腹で過ごすことを選択するだろう。しかし今回は違う。
――絶対に負けられない買い物がそこにはある。
前方は「飢えた男子の壁」だが、後方からさらに強力な「命令」という武器を持った《右隣の人》の「圧力」が迫っているのだ。「前門の虎後門の狼」ならぬ「前門の狼後門のラーテル」……猛獣に挟まれている状況だ。このまま手ぶらで引き返して《右隣の人》を空腹にさせてしまったら間違いなく殺されるだろう。
どのみちこのままでは命はない。ならばこの「壁」に命がけで突っ込んで、たとえ目的のモノが買えなかったとしても何かゲットさえすれば生還できる可能性はある。確かあの人も「無かったら何でもいい」って言ってたし……
よし、行こう!! 勇気を振り絞ってあの壁の向こうへ……怖いけど。
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
「オバちゃーん! こっちも焼そばパン!!」
「ハムカツサンドちょーだい!」
――う……うげぇ! くっ苦しいぃぃぃぃ死ぬぅ!
ボクは低身長だから周囲は全て飢えた男子どもの制服しか見えない……押しつぶされそうで身動きすら取れない。東京の満員電車ってこんな感じなのかな?
かすかに聞こえる叫び声はほとんど惣菜系のパンばかりだ。マズい! このままでは焼そばパンが売り切れてしまう! やがて……
「えー無いのー? じゃあクリームパンでいいやー!!」
叫び声が惣菜系からクリームやジャム系のパンに変わってきた。
えぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?
これはヤバい! どうなっているんだろう? 少しずつ前に進んではいるがまだ様子はわからない。飢えた男子どもの物理的&精神的な圧力と汗の湿気と、何とも言えない男子臭で具合が悪くなってきた。
無事生きて帰れるだろうか? ボクはこんな「命令」を下した《右隣の人》を、改めてひどい人だと思った。
――やっと売場までたどり着いたよぉ……。
ほぼ全ての生徒が買い終わった後なので、さっきまでの修羅場がウソのように閑散としている。
ボクは最後の気力を振り絞り、ダメ元で《右隣の人》から頼まれていた……
「すっすみません、焼そばパ……」
「あっごめんねぇ、焼そばパンは売切れちゃたよぉ~」
――瞬殺だ……ですよねぇ~。
パンが入っていたはずの大きなプラスチックコンテナの中に、パンはひとつも見当たらなかった。
――ひとつも買えない状況は最悪だ……これでは殺される。
「他のパンも全部売切……あ、そこに1個だけあるけど、それでもいい?」
購買のオバちゃんが指さした場所……コンテナの手前側、ボクの位置からちょうど死角になって見えなかったすみのところに、「たまごサンド」が1個だけ残っていた。たまごサラダを食パンで挟んだサンドイッチではなく、コッペパンの「たまごロール」とも呼ばれているヤツだ。
「あっ、も……もちろんこれでいいです! これ下さいっ!」
助かった……この際パンなら何でもいい。怒られるかもしれないが手ぶらで帰るよりはマシだ。購買のオバちゃんに代金を払い、急いで3階の教室に向かう。空腹だからなおさら苦行だが、とりあえず買えたことに今は喜びを感じている。
だけど、これはボクの昼食じゃないんだよなぁ……《右隣の人》の分だ。でも仕方ない、ボクの行動が招いた「罰」だ。反省しよう。
――あ~お腹空いたなぁ。
※※※※※※※
教室に戻ってきた……昼休みもだいぶ時間が経っている。できるだけ早く《右隣の人》にパンを渡さなければ……って、
――え? えぇええええっ!? ボッ、ボクの席に……
誰か座っているぅうううううううううううううううううううううううううっ!!
ボクの席が勝手に《右隣の人》の席とくっつけられてしまった! しっ、しかも女子が……だっ誰だろ……あれ?
あれは確か《学級委員長の人》だ。玉……何とかさんって言ってたよな。《右隣の人》と仲良く2人で「弁当」を食べている……え? 弁当!?
――あれ? 何で? 弁当忘れたんじゃなかったっけ?
まあでも今はそんなこと考えてる場合じゃない! 《右隣の人》に買ってきたパンとお釣りを渡さないと! 他人……特に同世代の女子に声を掛けるのはコミュ障にとって難易度の高いミッションだけど……。
「あっ、あの~……」
「あぁ、わりぃじゃんね!おまんの席使っちまっとぉ~、代わりにアタシの席使ってくりょうし~」
《右隣の人》に話しかけたのだが、《学級委員長》がボクの席を使ったことに気を遣ったのか、代わりに答えた――いや、席のことじゃなくて……それと甲州弁のクセが強いなぁこの人。
「あっ、いえ……そうじゃなくて。頼まれたパン買ってきましたけど……すすっ、すみません! 焼そばパンが売り切れてしまいまして……その……」
すると《右隣の人》からとんでもない言葉が……
「あっ……あ~あ~ゴメン! よく探したらやっぱ弁当あったわぁ! アハハ……だからそれアナタにあげるわ! お釣りもあげる! バイト代ってことで」
――え!? どういうこと?
ボクは《右隣の人》の「よく探したらあった」という弁当箱を見た。ぱっと見、隣の《学級委員長》の弁当箱と比べてかなり大きいのだが……こんな大きな弁当箱がカバンに入ってるのに気づかないなんてありえるのかな?
「え? でも……」
「いいからいいから、早く食べないと昼休み終わっちゃうよ!」
「え!? あっはい……あっ、ありがとうございま……す」
なんだかワケがわからないけど、時間もないし……これも「命令」のひとつなのかな? だったらありがたくもらっておこう。
さっき《学級委員長》が席を使っていいと言ったが、他人の席に座るなんて「陰キャキモヲタスクールカースト最下層」のボクにできるワケがない。
屋上に上る階段なら誰もいないだろうからそこで食べよう。教室を出ようと扉を開けたとき、後ろから大きな話し声が聞こえた。
「えぇ~本当けぇ? はじめっからアイツにあげるつもりだったずらぁ~!?」
「ばっ……バカバカバカっ! 何言ってんの、違うわよぉおおおおおお!!」
――え? ボクにあげるつもり?
何で? でもそういや不自然で不可解なことだらけだ。
ボクが弁当を忘れた同じ日に、偶然にも《右隣の人》が弁当を忘れるって……でも結局、あんな大きな弁当箱がカバンに入っていて……しかも気がつかなかったって……。それにあれだけの弁当を食べる人がパン1個だけ買ってこいって……おかしいことだらけだ。
――まさかボクにパンをおごるつもりであんなウソを? でも……
――何で?
確かに席は隣同士だけど、あの人とは別に友だちじゃない。ボクみたいな陰キャキモヲタスクールカースト最下層は、同じ階層以外は誰にも相手にされない「石ころ」または「イジメの対象物」じゃないの?
実際、消しゴムを拾ってあげたときもすごい形相で睨まれたし、透けブラ見てたのを見つかった時も脅されたのに……ボクのことは石ころ以下の存在のはず。
――何で?
――何で?
何でぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?
わっわかんない!どうしてボクみたいな最下層にこんなことを?
※※※※※※※
その後、ボクはスマホの電子マネーで飲み物を買おうと思ったけど《右隣の人》から「バイト代」と称した「お釣り」をもらったので、せっかくだからそのお金で缶コーヒーを買った。ボクは施錠された屋上に向かう階段に座り、買ってきた「たまごサンド」をモヤモヤした気分で食べはじめた。
手作りのパンだ。購買に納入しているパン屋さんは知っている。ボクも普段からよく行く店だ。「たまごサンド」も何度か食べたことあるけど……
――この日のパンは、なぜかいつもより美味しく感じた。
それにしても《右隣の席に座っている人》……何を考えているんだ?
この日以来、ボクの中で存在が気になる《女子》になった。
――《右隣の女子》……何かお礼しなきゃいけないよな。
【終戦】
※※※※※※※
〈1年後〉
ボクは今、パシリを「命令」した《右隣の女子》と付き合っている。
彼女の名前は《御勅使 美波》さん。ボクと同じ低身長だけど、すごくよく食べる女の子だ。デートの時も自然と量の多いものを注文している。本人は気にしているようだがボクは彼女のそんな食べっぷりも気に入っている。
パシリの件は、やはり彼女が弁当を忘れたボクのことを心配しての行動だったようだ。パン1個だけというのもボクが少食だってことを知っていたからだ。
そしてなぜ「焼そばパン」を指定したのかというと……さすがにボクの好みまではわからなかったから炭水化物の多そうなパンを選んでくれたみたいだ。ちなみにボクの好きなのは「チョココロネ」だけど彼女にはナイショにしている。
当時、彼女とはただのクラスメイトで友だちでもなかったから、突然「お金を貸す」とか「おごる」という行為は本人も不自然と思ったらしく「パシリ」という形にしたらしい。でもこの一件でボクは彼女のことが気になりだしたんだけど……。
あっでも「気になりだした」というのは「好き」とかそういうんじゃなく、この当時は「友だち」になりたいっていう程度でしだ。そういう恋愛感情になったのって……まだまだ先の話ですよ。
それ以前に、当時は彼女の名前すら知りませんでした。このあと、それが原因で彼女が……それは次回話します。
あ、そういえば御勅使さんと一緒にいた《学級委員長》の名前は《玉幡 遊》さんと言います。御勅使さんとは中学時代からの親友だそうで、このあともボクや御勅使さんに対して色々とやらかしてくれます(笑)。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次は御勅使さん視点の【後攻】に続きます。