3話:神社とヒザまくら
・・・とてもいい気持ちだ。久しく感じる人の温もり。
こどものころ、母のひざで寝ていたときの事を思い出す。とってもスベスベでやわらかく、
優しいくて、いいにおいがした。その感触もなつかしい。
「・・・ッん、ダメぇ・・・。」
何がダメだと言うのか、僕はもっと味わっていたいのに。
「くすぐったいんですってばぁ・・・。」
知ったことか。さらに奥へもぐりこむ。
「・・・あっ、も、もういいかげんに起きなさい!」
べちん!
「んあ?ど、どこだここ・・・。」
「近場の神社よ。若干だけど、霊的たくわえがあるようね。暫く隠れることにしたわ。」
「そういえば僕、気を失って・・・ごめんね、ひざ貸してもらって。」
「あやまるべきはそこではないわ。」
「あれ、もしかして僕、寝てる時何かした?」
「ええ、急ににやけだしたと思ったら、スカートに手を入れてスリスリ、スリスリと。
顔までうずめて、終いにはあんなところまでゴニョゴニョ・・・。」
「え?最後がよく聞こえなかったけど。」
「何でもないわ。とにかくあやまって!」
「ご、ゴメン。」
「まあ、それで許してあげるわ。それはそうとして。祢緒。妹を助ける手伝いをしてほしいの、協力してくれるかしら?」
「ちょ、ちょっと待って。どうして僕の名前を知っているの?」
「え?だって、貴方は祢緒でしょう?・・・もしかして私の事覚えて・・・ないのかしら?」
「え!?僕たち知り合いなの?」
「・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・えぐっ。うえぇぇぇぇぇぇん。祢緒が私のこと忘れちゃったーーー。」
「ちょ、泣かれても困る。そもそも僕、記憶喪失なんだから、覚えてないのが当然というか。
忘れるつもりはなかったというか・・・。」
「・・・ふえ?記憶喪失なの?じゃあ、嫌いになったわけじゃないのね?」
「まあ、そういうことになるのかな・・・。」
「そっかぁ、よかった。よかったぁ。」
泣きじゃくる彼女を見て、なんだかなつかしい気分になった。
彼女が誰であるのか。何の目的があるのか。そんなことはどうでもいいことのように思えた。
「ほら、かわいい顔が台無しだぞ。」
「うん、もうなかないよ?えらい?」
「ああ、えらい。と、言うかな・・・さっきから地がでてるぞ?」
「え?は、はにゃーーーーーーー!」
色白のため、全身が真っ赤に染まるのが分かる。
「ところでさ、妹を助けるってのはどいうことだ?」
「ッそうだったわ。祢緒に妹の救出を手伝ってもらいたいのよ。」
「出来る範囲でなら協力するけど、妹さんは今どこで、どうなっているの?」
「私のことを覚えてないとなると話が長くなるわね。それに、お客さんがおいでになったわ。
話はそれからね。」
瞬間、背筋が凍った。臨戦態勢に入った彼女は、さっきまでとは別人であるかの様に、
殺気と狂喜にあふれた「笑顔」をたたえていたからだ。
お粗末さまでした。レイベリアはツンデレ?そんな設定無かったはずなのに。客観的に見てみると、「ああ、こりゃツンデレ以外の何者でもないな」と思った。次はバトルフェイズに入ります。祢緒に活躍の場はあるのか?しんぱいです。