2話:夜の来訪者たち
顔を上げると、そこには彼女がいた。
今夜の月のように淡く静かに微笑んでいる。
目を引く赤色の刺繍が印象的な真っ白なドレス。ドレスよりもさらに白い透き通るような肌。それを強調する血のように紅い瞳と銀になびく暗褐色の髪。
それら全てが月に照らされキラキラと輝いている。
「こんばんわ。いい夜ね。そうは思わない?“神の統率者”さん。」
「・・・君は・・・?」
「時間がないの。てっとり早く済ませたいからだまっててくれるかしら?」
「済ませるって・・・なにをするつもりだ・・・?」
「黙りなさいと言ったのよ?」
瞬間、戦慄した。
彼女にとってはわずかな怒気を含ませただけであろう瞳を見たとき、僕は恐れを感じた。
殺される。間違いなく殺される。
彼女は生物としてのレベルがあまりにも違いすぎる。
僕の本能がそれを理解した。
「・・・。」
体の芯が痺れて動けない。
でも、それは恐怖によってではない。
ただ、見惚れていた。彼女のあまりの美しさに。
僕はゆっくりと起き上がり、無意識に彼女の唇を僕の唇でふさいでいた。
(何をやっているんだ僕は・・・。)
どれくらい経っただろうか。
僕が唇を離すと、その間に光の橋が築かれていた。
「・・・ッ、七年前と同じことをするのね、貴方は。」
彼女が唇をぬぐいながら言う。
七年前?何の話だろうか。
「ほら、ボヤボヤしてるから囲まれてしまったわ。」
窓から外を見ると、黒のフードを被った人達が何人かいた。
「あれは何?」
「教会の連中に決まっているでしょう?結界を張られると面倒になるわ。早く逃げなくてはいけないようね。」
「どうして逃げるのさ?君が何かしたの?」
「は?何を言っているのかしら?逃げなくてはいけないのは貴方のほうよ。」
「・・・僕?」
わけが分からない。あんな人達に追われるような事をした覚えは無い。
「寝ぼけているのかしら?まあいいわ、とりあえずここをでるわよ。」
そして次の瞬間、僕は彼女に抱きかかえられ大空を舞っていた。
「!!?」
僕はそのまま気を失った。
お粗末さまでした。主人公はこの後、強姦未遂で捕まります。(嘘)
キャラ設定 レイベリア・S・ガデス、Age16、
コメントもらえるとうれしいです。
なあ、花映塚対戦しねぇ?花映塚。抱きしめたいなレミリア様!