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上も下も分からない
右も左も
立っているのか座っているのか
目が開いているのか開いていないのか
何も分からない
何も分からない感じない暗闇の中にずっと居た。
どれ程時間が経ったのだろうか。
長い時間が経った気がする。気がするだけで、本当は経っていないのかもしれない。
僕は暗闇の中で思考する。
僕は、僕なのだろうか
僕は、僕でいるのだろうか
僕は、僕が分からなくなってきている
ふと光が射した気がした
ぼぉっと、開いているか開いていないのか分からない瞳で、周りを見渡す
相も変わらぬ暗闇……のはずだった
光が、射していた
光の方向に体を向ける。いや、体を向けなくとも、自然とそちらに引き寄せられていく。
何だろうか。
訳も分からぬままにその光に触れる
全身が光の中に入ると、指先から、足元から光の粒が舞い上がる
どういう事だろう
僕は、消えてしまうのだろうか
グニャリと、空間が歪んだ感覚がした
明るい
重い瞼を開けると、うずくまり目を見開いて此方を凝視するベリッシュと聖女がいた
僕は
「おぉぉうえぇぇぇぇぇぇ………」
あまりの気持ち悪さに膝から崩れ落ちた。




