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お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
最初から、間違っていたのは
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『見つけた。我の器となるもの』


ここはどこだろうか


『でも、まだ絶望が足りぬなぁ』


誰だろう


『お主の心におるのはあの娘か?』


ベリッシュの事だろうか


『ふむ……あの娘を殺せば、絶望が広がるかのぉ?』


ベリッシュを殺す………?

駄目だ そんなの 駄目だ


いやだいやだいやだいやだ








「起きろアリーーーーー!!!!」


バッチーーーーンと思い切り頬を叩かれた痛みで飛び起きる。


「い、痛いよサッシュ……」


「ナタリア」


「……駄目。棲みついてしまったわ」


ナタリアとベリッシュも居た。

ここは、僕の部屋?


「? 僕は………」


さっきまで中庭でベリッシュと話をしてて、それから……

それから?



頭に声が響いて、見つけたって

それから気持ち悪くなって





バっと三人を見る。


三人とも、うつ向いていた


これは、きっと


「アリー、落ち着いて聞いて」


サッシュが何時になく真面目な顔をして言う。

僕は先に続く言葉を知っている。


「今、アリーの中に魔王の意識が入ってる」


その時が来たのだ


「!? アリー! こっちを見ろ!」



サッシュがベリッシュを僕の前に突き出す。

その瞳は赤くなっていた。擦ったのだろうか、目尻も赤い。


「アインリッシュ……アインリッシュ………」


手を伸ばしてくるベリッシュの手を、僕は握るべきか悩んだ。

魔王は言った。ベリッシュを殺せば僕の中の絶望は広がるかと。



広がるに決まっている。

こんなにも好きで、愛しているのだから。

前世の、一生触る事なんてできない時から。

ずっとずっと好きで、唯一なのだから



手を、振り払った


「触るな。」


「触るな。出ていけ」


低い声を出す

瞳に涙をためながら唇を噛み締めている

その姿に胸が悲鳴を上げる


死なせる訳にはいかない。殺させたりしない。


だから


「僕に近寄るな」


どうかベリッシュ。僕の気持ちに気づいて。


離れて行って。

僕を、見捨てて


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