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お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
最初から、間違っていたのは
30/65

30

乙女ゲーム『世界の終わりは貴方と』は2パターンあった


1つはナタリアが主人公で学園物。平民の子が類まれなる【光の魔法】を使役しつつ悪役令嬢に立ち向かいつつ成長していく物語だ。明るく楽しくハッピーエンドに突き進む。

悪役として登場するのは、ベリッシュ。


もう1つは聖女が主人公の物語だ。ある日突然、塾の帰りに召喚された女子高生が世界を守るため世界樹の浄化に向かう。最後は攻略対象者と結婚するハッピーエンドか、元の世界に戻るノーマルエンドがある。


攻略対象者はどちらも変わらないが、学園物を楽しみたいか、冒険物を楽しみたいか選べる仕様になっていた。


ただ一人、ナタリアの方では攻略できても、聖女の方では攻略対象から外れるキャラクターがいた。

そのキャラクターの代わりに、旅に同行する王宮魔法使いが追加される。


聖女のラスボスは、魔王。

500年前、聖女によって封印されていたはずの魔王に意識を乗っ取られ敵になる。

どのルートを辿っても、同じキャラクターが乗っ取られる。


プレイヤーはそれはそれは嘆いた。妹も嘆いていた。

余計な事しやがってと運営に毒づいていた。


アインリッシュは、ナタリアルートではベリッシュと不仲だったが、聖女の方では良好な関係を築いていた。

良好というより、今の僕の様に、恋心を伝えられないままでいた。

しかしある日、ベリッシュに恋人がいる事を知る。


行き場のない恋心にアインリッシュは苦しめられる。

消えてしまいたいとさえ思う。

その心の隙間に、魔王が入り込んでくるのだ。


抗うことなく魔王を受け入れたアインリッシュは、旅立ちの日、ベリッシュを………



「アリー?」


意識をサッシュに向ける。

ナタリアの物語ならば、不仲でないといけなかったのだ

ベリッシュを諦め、新しい恋をしなければいけなかったのだ



僕が魔王になるルートは、回避できない

それなら


「サッシュ、お願いがあるんだけど……」


僕は、僕を殺す方法を、取るしかない






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