表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
出会った時から好きなのです
3/65

3

「でも……」


姉上は更に悩まし気に眉を寄せつつ申し訳なさそうにした。

元はといえば氷で作った坂を自転車で爆走した僕が悪いのにも関わらずだ。

男児は時に危ない橋を渡るものである。


しかしだ、どうして姉上はこんなにも悩んでいるのだろうか。

何時もは僕の事など無関心なのに。

流石に助ける為とはいえ、池に落とした事に罪悪感を感じているのだろうか。


「どうしたのです? 姉上。何時もなら僕の事など関心が無いのに……」


そう、関心が無いからこそアインリッシュは歪んでいくのだ。

一目ぼれした姉上に見て貰えないから。振り向いて貰えないから。

話しかけても冷たくあしらわれ、プレゼントをあげても身に着けている姿を見ることもない。

どんなに姉上に構って欲しくても、姉上は何時も笑ってはくれないのだから。


ハッとした顔をして姉上は少し傷付いた表情をした。


「アインリッシュが…池に落ちた時、笑ったから……」

「?」

「笑った顔…初めて見たから……」


僕もハッとした。

姉上に話しかける時は何時も緊張していて、笑みも固いものだったのだろう。愛想笑いの様に。


「姉上は、僕の笑った顔が見たい……?」


なんて、少しの期待と、そんな訳無いだろうという否定の気持ちを込めて、微笑んだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ