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お姉ちゃんは可愛い悪役令嬢  作者: あきみつ
頼りになるはずの記憶が、全然頼りにならない
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「アインリッシュ……」


ベリッシュの、不安げな瞳とぶつかる。

胸がまたズキンと痛んだ


「さっき一緒にいたのは、どなた……?」


「さっき?」


「手を、握っていらっしゃった方の事よ……」


「ナタリアの事?」


「もう、名前で呼び合う程親しいのね」




親しいというか、僕が一方的に知っているだけの状態で、向こうは僕をベリッシュの弟だという事しか知らない。

しかし悲し気に、寂しそうに目を伏せるベリッシュに胸が高鳴る。

期待してしまう。

僕とナタリアの関係に不安を覚えた?



それってつまり、もしかして、



期待しては駄目だと分かりながらも、期待せずにはいられなかった。


慌ててベリッシュの誤解を解こうと口を動かす


「親しいというか、間接的に知り合いなのはお姉ちゃんの方というか」


「わたくし?」


「手芸部の部長の知り合いなんだって。それで僕らの事を聞いていたらしいよ」


「私と、アインリッシュの事?」


思い当たる節があるのか、ハッとした表情から徐々に赤く染まっていく。

その変わりようを眺めながらついついニヤニヤしてしまう。


「聞いたの……?」


「聞いたよ。お姉ちゃんが僕の事自慢げに話してくれてただなんて。とても嬉しいな」


真っ赤になりモゴモゴと口を忙しなく動かしている。



「やだ、恥ずかしいわ。こんな風にばれてしまうだなんて」


「そんな事ないよ」




頬が緩みっぱなしで元に戻せない。

本人から聞かされるよりも、他人から自慢していた事を聞かされる方が喜びも一入(ひとしお)だ。

でも、面と向かって褒められる事も嬉しい事に変わりはないけれど。

ベリッシュに褒められたなら、どれも嬉しすぎて死んでしまいそうだ。



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