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「いっでぇ……何、これっ……急にっ」
あまりの痛みに目がチカチカし、思わず座り込んでしまう。
頭上ではナタリアが慌てている。
「ど、どうされたのです、医務室、いえ、その前に先生を、だ、だれか」
「だい…じょうぶっだから……すぐ、治まるはず……っ!」
どんどん霞んでいく視界の向こうから、寮に戻った筈のサッシュが手を振りながら向かって来ていた。
「おーいアリー。さっきベリッシュ様がお前の事探してたぞー…って、どうしたアリー!!」
「胸がっ、急に痛んで……」
「心筋梗塞か!?」
この世界にも向こうと同じ病名が存在するんだなぁと、薄れゆく意識の中で思った。
「まだ…死ねないっ……のにっ!」
胸の痛みは治まらない。
まだベリッシュに告白もできてないのに、死んでたまるものか!
「さっきベリッシュ様が走って去って行ったけど……あっ」
「~~~~~~なにっ!?!?!?!?」
「お前それあれだ、病気じゃねえや。ベリッシュ様が強い不安を感じたぞ」
「え!?」
「どういう事ですの?」
「ベリッシュ様が感じる不安が強ければ強い程、お前の胸が痛むようにしといたんだった」
「じゃぁこれは、」
ベリッシュが、強い不安を感じた証拠?
「……っ!! ベリッシュはどっちに行った!?」
「あっち」
サッシュが指をさした方へ、激痛の走る胸を押さえながら駆ける
ベリッシュが不安を感じた。今まで指輪が反応する事は無かったのに。
早く傍に行かないと
早く、早く
足がもつれそうになりながら、ベリッシュを探して走った
後ろでナタリアが、サッシュにどういう事か問い詰めている声が少しだけ聞こえた。
にしてもめっちゃ痛すぎだサッシュ!!!!




