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7話


 俺達は談笑しながら龍樹の家についた。

 「ただいま~。」

 「おかえりー、バカ兄どっか行ってたの?」

 ん?ああ、龍樹の妹の優奈ちゃんか。

 ホットパンツにタンクトップ、右手にはアイス。家だと開放的になる性格なんだろう。更に髪がボサボサなのを見るに、今起きたのか?

 優奈ちゃんと目が合う。

 「こんにちは、優奈ちゃん。久しぶり。」

 「れっ!玲二さん!?」

 ん?また逃げられてしまったか…。

 そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにな…。

 「おい!バカ兄!ちょっとこっち来い!」

 優奈ちゃんは扉から手だけを出し龍樹を手招きする。

 「うげ、またか…。玲二、悪いけど先上がっててくれ」

 「ああ。言われないでもそうするよ。」

 優奈ちゃんのいる部屋の中へ龍樹が入っていくと、いつも通り兄妹喧嘩が始まった。2人は俺に聞こえてないように話しているつもりなんだろうが、丸聞こえなんだがな。まぁ、お茶でも淹れながらゆっくり待つか。

 「ねぇ!玲二さん呼ぶときは先に教えてって言ってたじゃん!」

 「今回は急だったんだ。」

 「はぁ?そんなの関係ないし!あーもうあり得ない!だらしないって思われたらバカ兄のせいだかんね!」

 「事実だろ?」

 「は?一回死ねば?」

 「そもそもすでにばれてるだろ、相手はあの玲二だぞ?」

 「礼二さんのこと悪く言うなし!それに、ばれるとか言うな!」

 「はい、はい。ばれてない、ばれてない。」

 「マジでうざいんですけど!もういいし!あっち行け!」

 「へいへい、猫被るのもほどほどにしろよー。」

 「猫被ってないし!!」

 いや、被ってるだろ…。そもそも女子は全員被るだろうし…。

 「ねぇ、バカ兄…ほんとにバレてないよね?」

 アレでバレてないと思っているのが不思議だがな…。

 「知るか、聞いてみればいいんじゃねーの。」

 「そんなこと出来るかバーカ!」

 「まぁ、気にしても無駄だとは思うけどな。」

 「ねぇ、どういう意味?」

 「簡単なことだ、玲二はちょっとくらい見てくれが変わったくらいで騙されるような奴じゃないってこと。」

 「じゃあ、どうすればいいの?」

 「そんなこと知るか、自分で考えろ。」

 「は!?やっぱバカ兄は死んどけ!」

 兄妹は面倒くさそうだな。一人っ子で良かった。

 しばらくすると、龍樹が疲れた顔をして帰ってきた。

 「おつかれ。ほれ、せんべい食うか?」

 俺は疲れているだろう龍樹に茶を注ぎ、せんべいを勧めた。

 「おい、そのせんべいどこから持ってきた、人ん家の戸棚勝手に漁るなよ…。」

 龍樹は呆れつつも差し出されたせんべいを食べ始めた。

 「おい、そのせんべいどこから持ってきた、人ん家の戸棚勝手に漁るなよ…。」

 龍樹は呆れつつも差し出されたせんべいを食べ始めた。

 「それじゃあ、どっかの誰かさんが無駄にしたスクロール以外のドロップ品を見極めるか…。」

 「そうだな、っていうか俺どんなの拾ったかよく知らないんだよな、気絶してたし。一回全部広げてくんないか?」

 「それじゃあ、どっかの誰かさんが無駄にしたスクロール以外のドロップ品を見極めるか…。」

 「そうだな、っていうか俺どんなの拾ったかよく知らないんだよな、気絶してたし。一回全部広げてくんないか?」

 「めんどくさいな…。まあいいか。」

 俺は龍樹の前に拾った物を全て出した。

 「まず、これが初戦闘で手に入れたやつ。スクロールもここに含まれるからな。で、最後に殺した犬型のやつらから出たやつで全部だ。」

 「おぉ~高そうな宝石だな、それにスクロールまた出てたんだな。でも、なんか俺が使ったのよりなんかショボくないか?」

 「お~、高そうな宝石だな。それにスクロールまた出てたんだな。でも、なんか俺が使ったのよりなんかショボくないか?」

 「龍樹が勝手に使ったやつは初戦闘ボーナス的なやつだったんじゃないか?つまり、俺が使えるのはボーナスも何も無いしょぼいやつと言う事だな。」

 「そうなるな…まぁいいじゃないか。謙虚が一番だって。」

 「はあ…。次からは迂闊な事するなよ…。」

 「りょうか~い、これよりこのスクロールはお前の物となった!ここで使用していくかい?」

 何でテンション上がってんだ…。後でしばくか…。

 「とりあえず、この宝石なんだが俺の家でも見た事ないやつなんだよな。もしかしたら、未知の物質なのかもしれない。」

 「未知…。」

 「まあ、全てのモンスターから出たわけだから、もしかしたらこれが魔石なのかもな。」

 「魔石って言うと魔力の塊みたいな奴なのかな?色々調べてみないとな。」

 「だな。とりあえず、放置。で、最後にこの水だが…、ポーションだよな?」

 「水?あ、この瓶に入ってる奴か犬から出たんだっけ?」

 「ああ。緑色だけど、俺からしたらポーションにしか見えない訳だが、どう思う?」

 「緑か~。ポーションっていったら青か赤なイメージだな。どっちにしろ試さないことには…。ん?そういえば、このポーションやけに透かすかだな、まるで半分くらい使ったあとみたいに。」

 「まあ、そりゃあお前が飲んだからな。」

 「は?」

 龍樹が呆けた顔を見れた事だし、ネタばらしするか。

 俺は龍樹の前に俺が飲んでいたお茶を差し出す。

 「こちらが普通のお茶になります。まあ、普通だろ?そして、お前が飲んでるやつ。濃ゆくないか?」

 龍樹は一瞬呆けたような顔をすると、何かを察したように視線を先程まで手に持っていた湯飲みに向ける。

 「お前、まさか…毒だったらどうするんだよ!?」

 「南無三。まあ、俺の勘がポーションだと言ってたし、問題ないだろ。」

 いつかはやなきゃいけない人体実験。早い方がいいしな。

 「やっていいことと悪いことがあるだろ!」

 「で、体調に変化は?」

 「体調か…う~ん。」

 龍樹は身体中を細かく見ていく。

 「あ!指のささくれが消えてる!」

 やはりポーションか。

 「なら、問題ないな。よし、スクロールに移るか。」

 

次話更新は12月19日です。

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