非日常の幕開け
今回も番外編です。
次回から箱のほうに戻ります。
前回少し短かったため少し長めです。
3/21 筋力→攻撃に変更
この日、私たちはいつもの日常を送るはずだった…。多少何かが変わったりするかもしれないが、同じ日常を送ると思っていた…。
しかし…
「照山日和…君は死んだ。」
日常なんて簡単に崩れ去る。
「…え?あ、はい。そうですか…」
「あれ?なんか反応薄くない?」
「…いえまだ実感が」
なんとなく自分が死んだことはわかる。しかし、謎の空間でイケメン白スーツのお兄さんに死んだことを宣告されてもわけがわからない。
「…ま、いっか!」
この人?軽い
「自己紹介がまだだったね。僕は神です。ここでは5位何て呼ばれてるよ」
なんとなく神様だってわかってた。
「私は照山日和です。趣味は読書ほか多数です」
神様ってもっと神々しいものじゃないのかな?
「うぐっ…中々いいパンチを打ってくるね」
「恐縮です?」
この程度がいいパンチなのか…神様って思いのほか弱い?
「…それじゃぁ自己紹介もすんだし転生手続きに入ろうか」
話しそらした…って
「え?転生できるんですか?」
「え?逆に転生できないって思ってたの?」
だって…
「てっきり天国的なのがあるかなって?」
「ははは…ないない」
衝撃の真実である。
「とりあえず手続きに入るよ?」
「はい」
切り替えていこう。
「先にいろいろ説明するね?まず君が死んだ理由は、神様のせいです」
「ちょっと待って」
え?なに?あなたたちが殺したの?
「あなたたちというのは違うかな?ひとりだけだし…とりあえず経緯を説明するよ」
「…はい」
「まず君と君のクラスメイト達は、勇者召喚陣により異世界に転移するはずでした。しかし、君たちを駒にして何やらたくらむひとりの神様が無理矢理干渉しました。そしてなんやかんやあり召喚陣が暴走し、君たちの半数を吹き飛ばしました。以上」
なんていうかその
「うん?あぁ安心して干渉した神は粛清されたから」
違う…そこじゃない…。
「なんやかんやのふわっふわっしてるとこを詳しくしてくれない?」
「じゃあ手続きを進めるよ」
おいこら。
「詳しく言えないのには理由があるんだよ」
「…そういうことにしといてあげる」
「…さっきまでの敬意が感じられないけどまあいいや。とりあえず目の前にちょっと出てくるから」
「なにが?…ひぇっ!?」
ピローンという気の抜けた音と共に何か出てきた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】
【種族】
【性別】
【適正】
【能力】▽
HP:0/0
MP:0/0
攻撃:
体力:
耐久:
魔力:
精神:
敏捷:
【スキル】▽
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんぞこれ…ゲームじゃないの?
「今からこの中の種族と性別…それとスキルを決めてくよ。はいこれスキルカタログ」
そう言って攻略本のようなものが渡されたが、少し待って欲しい。
「なんでこんなゲームみたいなの?」
「それにはいろいろあるけどわかりやすいってのが一番かな。あと転生する世界について言ってなかったね。君が転生する世界は君たちが召喚されるはずだったスキルや魔法がある世界だよ。ほかの人たちも同じ」
そういえば。
「はるや織田くん…それと明人くんは無事なの?」
礒島くんはどうしたって?あいつは多分大丈夫でしょ。
「竹中悠は無事召喚されたようだよ。けど織田信一郎と高坂明人は残念ながら…」
「…そう」
「ちなみに礒島涼太も無事だよ」
そう…はるは無事だったのね。けど…こんなことになるなら明人くんに…
「なんなら高坂明人の近くに転生させてあげてもいいよ?」
…いまこいつなんていった?
「お?照れた顔もかわいいね!」
…めっちゃ殴りたい。けど
「できるなら…お、お願いします」
「承ったよ。けど種族が限定されるけど大丈夫かい?」
「構いません!」
今度こそ彼にこの想いを伝えたい。
「はは…わかったよ。高坂明人がどこに転生するか聞いてくるからその間にスキルを決めておいて」
「はい!わかりました!!」
ふぅ…とりあえずこんなもんか…な。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】
【種族】
【性別】♀
【適正】
【能力】▽
HP:0/0
MP:0/0
攻撃:
体力:
耐久:
魔力:
精神:
敏捷:
【スキル】▽
鑑定Lv1 思考加速Lv1 体術Lv1
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
スキルだけのはずなのに結構時間がかかった…カタログ分厚すぎる…。
にしても神様おそいな…スキル選びにかなり時間がかかったと思うのだけど…。
「ただいまー」
帰ってきた
「どうでした?」
「それがね…」
なんでも彼は種族をランダムにしたらしい…彼らしい。転生する場所自体はわかったらしいけど、何に転生したかはわからないらしい…。場所はアンデット主体のダンジョンのため、おそらくアンデット族の可能性が高いらしい。さらに、近くに転生しても、気づかずに倒してしまったり、倒されてしまったりする可能性が非常に高いらしい…。
それでも…
「それでもかまいません!それに見つける方法はあります!」
「そう…なら種族にスケルトンかゾンビかレイスのどれかを選んでね」
「その中なら…スケルトンでお願いします」
ゾンビのほうだと腐った姿見られたくないし…レイスのほうだと気づかれないかもだしね…。骨のほうがましな気がする。
「あ、そうそう…最後に継承スキルについて説明しとくね?」
継承スキル?
「継承スキルはね…簡単に言うと身体じゃなく魂が覚えているスキルね?魂自体がスキルを覚えているから、次の生でも最初から覚えてたりするんだよ。だから次の一生に継承されていくスキルってことで、継承スキルなんて呼ばれてるんだけど…。覚えてる魂は非常に稀だから、あまりきにしなくてもいいよ」
稀なら別に説明しなくてもいいと思うのだけれど…。
「稀とはいえ確実にいるからね。一応だよ一応」
そうですか…。
「これで僕からは全部かな?」
「最後にステータス確認だけいいですか?」
「もちろん」
ピローンという音と共に開かれるステータス画面
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】
【種族】スケルトン
【性別】♀
【適正】
【能力】▽
HP:0/?
MP:0/?
攻撃:?
体力:?
耐久:?
魔力:?
精神:?
敏捷:?
【スキル】▽
鑑定Lv1 思考加速Lv1 体術Lv1
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…よし
「確認終わりました準備おーけーです」
「わかったよ…じゃあいまから転生させるね?」
そう言われた次の瞬間、身体が光だし意識が遠のいていった。
「元気でね」
意識が途切れる直前、そういわれた気がした。
◇◇◇
私はしがない骨である。名前は未定。前世は照山日和という名があったが、今世ではまだない。とりあえず、ゲームでのアバター名[くれーぷ]を名乗ることにする。名乗る相手がいないが…。
そんな骨な私はいま、前世の想い人を探してダンジョン内を徘徊中である。しかし同族の一体も見当たらない…困った。
そうそう私の現在のステータス、そしてスキルを紹介しておこう。
ステータスオープン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】くれーぷ(仮)
【種族】スケルトンLv1
【性別】♀
【適正】闇
【能力】▽
HP:16/18
MP:14/14
攻撃:13
体力:15
耐久:9
魔力:16
精神:21
敏捷:11
【スキル】▽
鑑定Lv1 思考加速Lv1 体術Lv1
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
≪鑑定:
対象の情報がわかる。Lvが高いほどわかる範囲が広くなる。≫
≪思考加速:
思考する速度が上がる。Lvが高いほど速度が上がり、負荷が少なくなる。≫
≪体術:
体を動かしやすくなる。Lvが高いほどより精密に動くことが出来る≫
これが今の私のステータスとスキルだ。若干精神が高いが貧弱である。なぜダメージを受けてるかって?ははは、天の声?的なもののせいで、驚いてこけたのよ。
それよりまずは明人くんを探そう。鑑定もあるから割といけるかもしれない。まだ試してないけど…。っと小部屋っぽいの発見。しかも中に宝箱っぽいのがあるやったね。ちょうどいいから鑑定も試してみようかな。
『鑑定』
≪生箱
耐久:53
気配察知Lv3≫
…逃げたわ。この骨の体は速くないけど、逃げ切れたと思う。いや焦ったわね…まさかいきなりミミックっぽいのとエンカウントするなんてね。あの耐久力なによ。私なんてたった9よ。やってられないわね。
まぁまくことが出来たみたいだし、気を取り直して明人くんを探しましょう。
彼女は知らない。もうすでに目的の人?にあっているということに…。
この日、彼女たちの日常は終わりを告げ、非日常が幕を開けた。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
これからも箱の進化ごとに番外編を挟もうと考えておりますゆえ、何卒よろしくお願いします。