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箱入り娘、始めました。  作者: へッどほん
5/23

現実は、非情である。

今回は番外編で+αの話です。こちらを進めないと本編に登場したとき「お前誰や」となりそう(作者が)なので入れてみました。少しゴタゴタしてて少々短いですがよろしくお願いします。


「おはよう」


「おはよう」


「ねぇ!昨日の番組見た?」


「見た見た!面白かったよね!」


「ねー!」


「うちの姉貴がさー…」


「それすっげーわかるわ」


「これ面白くない?」


「なにこれ!チョーウケる!」 


 様々な会話が飛び交う朝の教室…昨日見た番組のこと、自分の家族のこと、なんだかよくわからないもの…話がかみ合う友人とわいわい騒ぐクラスメイト。まだ眠いのか机に突っ伏し眠るクラスメイト。宿題をやり忘れたのか、必死に何かをノートに書き込んでいるクラスメイト…。そんないつもとなにも変わらない教室の風景…。受験生だというのに…まったく…。


「おはよー委員長」


「おはよう、礒島くん」


 私の名前は照山日和(てるやまひより)。年は18歳で趣味は読書、料理、ゲームの平凡な高校生。クラスメイトからは委員長という愛称でよばれてる。


「最近inしてないじゃん、どしたの?」


 私に挨拶してきたこの男、名前は礒島涼太(いそじまりょうた)。私のゲーム仲間のひとりである。


「もう受験生なんだから控えるに決まってるでしょ。あなたも国立受けるなら勉強したら?」


「えーどうせ満点とれるし、めんどいじゃん?」


 この男、俗にいう天才である。私も努力してるのに畜生。さらに…


「俺に勉強してほしいなら…委員長が手取り足取りマンツーマンで勉強教えて?ついでに先っちょだけ、ね?」


 さらにチャラい、うざい、変態の三拍子でそろってる。イケメンのくせに私なんかに気があるらしい。


「嫌よ。それになんで私なんか…」


「なんども言ってるけど、委員長が一番話合うし、楽しいし、初々しいし、何よりも委員長大好きだし」


「…あっそ」


 この天才イケメンド畜生め。


「委員長照れてるぅ!可愛い!付き合って!」


「照れてない!可愛くない!付き合わない!」


 この野郎。大体私には好きな人がいるって言ってるのに…こいつは…。


「…涼、いい加減にしないと委員長がキレるよ」


「おぉ信!お前からも委員長を説得してくれないか?」


「織田くんおはよう」


「おはよう委員長」


 今挨拶してきた彼の名前は、織田信一郎(おだしんいちろう)。こちらも礒島くんと同じゲーム仲間だ。背が高く中々のイケメンさんである。


「はっはっはっ!相変わらずのスルー力だな!ほれぼれするグボアッ!」


「さっきからうるせーぞ礒島ァ‼」


「あ、はる起きた?おはよう」


 彼女は竹中悠(たけなかはるか)。ゲーム仲間ではないが私の幼馴染である。粗暴な口調だがれっきとした女の子である。さらにかなり美少女。


「い、いきなりボディーはきくぅ!」


「だからうるせーよ!せっかく気持ちよく寝てたのによぉ!もう一発行くぞゴルァ!!」


 …美少女なのに残念である…。

 今日も彼は星になる。


「…そういえば明人はまだ来てないの?」


「電車が遅れてるんだって」


 ゲーム仲間の最後のひとり…高坂明人(こうさかあきひと)。身長はあまり高くなくイケメンでこそはないが、人当たりよさそうな顔つきで、勉強も運動もそこそこできさらに…私の想い人でもある。


「けど5分ほどしか遅れてないらしいから、ぎりぎり間に合うと思うわ」


「…といってもあと2分くらいしかないよね?」


「…まあ大丈夫でしょ」


 そのとき、


 ガラガラガラ


「ん?おはよう高坂」


「明人おはよう。別に電車遅れならそんなに急がなくても良かったんじゃない?」


 教室の扉をスライドさせ入ってきた、私の想い人。


「おっす竹中、信一…涼太はまた竹中にやられたのか…」


 友人たちにあいさつしていく彼。彼を見てるだけで胸のドキドキが止まらない。


「おはよう、明人くん」


 私はいつも通り、この気持ちを悟られないようにあいさつをする。いつかこの想いを伝えられたらいいな。


「おはよう、委員長」


 彼があいさつを返してくれる。顔が熱い。きっと私の顔は真っ赤になってるだろう。幸せだ。


 私はこのどうしようもないくらい平凡で…退屈で…幸せな日常が大好きだ。

 私は…私たちはこの日常がずっと続くと思っていた。

 しかし終わりというものは唐突にやってくる。この時の私たちはそれを知る由もなかった…。




番外編をお読みいただきありがとうございます。今回は主人公と関係が深い者達の話を書いてみました。次回はこの中のひとりの転生手続きの話の予定です。次回も何卒よろしくお願いします。

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