現実は、非情である。
今回は番外編で+αの話です。こちらを進めないと本編に登場したとき「お前誰や」となりそう(作者が)なので入れてみました。少しゴタゴタしてて少々短いですがよろしくお願いします。
「おはよう」
「おはよう」
「ねぇ!昨日の番組見た?」
「見た見た!面白かったよね!」
「ねー!」
「うちの姉貴がさー…」
「それすっげーわかるわ」
「これ面白くない?」
「なにこれ!チョーウケる!」
様々な会話が飛び交う朝の教室…昨日見た番組のこと、自分の家族のこと、なんだかよくわからないもの…話がかみ合う友人とわいわい騒ぐクラスメイト。まだ眠いのか机に突っ伏し眠るクラスメイト。宿題をやり忘れたのか、必死に何かをノートに書き込んでいるクラスメイト…。そんないつもとなにも変わらない教室の風景…。受験生だというのに…まったく…。
「おはよー委員長」
「おはよう、礒島くん」
私の名前は照山日和。年は18歳で趣味は読書、料理、ゲームの平凡な高校生。クラスメイトからは委員長という愛称でよばれてる。
「最近inしてないじゃん、どしたの?」
私に挨拶してきたこの男、名前は礒島涼太。私のゲーム仲間のひとりである。
「もう受験生なんだから控えるに決まってるでしょ。あなたも国立受けるなら勉強したら?」
「えーどうせ満点とれるし、めんどいじゃん?」
この男、俗にいう天才である。私も努力してるのに畜生。さらに…
「俺に勉強してほしいなら…委員長が手取り足取りマンツーマンで勉強教えて?ついでに先っちょだけ、ね?」
さらにチャラい、うざい、変態の三拍子でそろってる。イケメンのくせに私なんかに気があるらしい。
「嫌よ。それになんで私なんか…」
「なんども言ってるけど、委員長が一番話合うし、楽しいし、初々しいし、何よりも委員長大好きだし」
「…あっそ」
この天才イケメンド畜生め。
「委員長照れてるぅ!可愛い!付き合って!」
「照れてない!可愛くない!付き合わない!」
この野郎。大体私には好きな人がいるって言ってるのに…こいつは…。
「…涼、いい加減にしないと委員長がキレるよ」
「おぉ信!お前からも委員長を説得してくれないか?」
「織田くんおはよう」
「おはよう委員長」
今挨拶してきた彼の名前は、織田信一郎。こちらも礒島くんと同じゲーム仲間だ。背が高く中々のイケメンさんである。
「はっはっはっ!相変わらずのスルー力だな!ほれぼれするグボアッ!」
「さっきからうるせーぞ礒島ァ‼」
「あ、はる起きた?おはよう」
彼女は竹中悠。ゲーム仲間ではないが私の幼馴染である。粗暴な口調だがれっきとした女の子である。さらにかなり美少女。
「い、いきなりボディーはきくぅ!」
「だからうるせーよ!せっかく気持ちよく寝てたのによぉ!もう一発行くぞゴルァ!!」
…美少女なのに残念である…。
今日も彼は星になる。
「…そういえば明人はまだ来てないの?」
「電車が遅れてるんだって」
ゲーム仲間の最後のひとり…高坂明人。身長はあまり高くなくイケメンでこそはないが、人当たりよさそうな顔つきで、勉強も運動もそこそこできさらに…私の想い人でもある。
「けど5分ほどしか遅れてないらしいから、ぎりぎり間に合うと思うわ」
「…といってもあと2分くらいしかないよね?」
「…まあ大丈夫でしょ」
そのとき、
ガラガラガラ
「ん?おはよう高坂」
「明人おはよう。別に電車遅れならそんなに急がなくても良かったんじゃない?」
教室の扉をスライドさせ入ってきた、私の想い人。
「おっす竹中、信一…涼太はまた竹中にやられたのか…」
友人たちにあいさつしていく彼。彼を見てるだけで胸のドキドキが止まらない。
「おはよう、明人くん」
私はいつも通り、この気持ちを悟られないようにあいさつをする。いつかこの想いを伝えられたらいいな。
「おはよう、委員長」
彼があいさつを返してくれる。顔が熱い。きっと私の顔は真っ赤になってるだろう。幸せだ。
私はこのどうしようもないくらい平凡で…退屈で…幸せな日常が大好きだ。
私は…私たちはこの日常がずっと続くと思っていた。
しかし終わりというものは唐突にやってくる。この時の私たちはそれを知る由もなかった…。
番外編をお読みいただきありがとうございます。今回は主人公と関係が深い者達の話を書いてみました。次回はこの中のひとりの転生手続きの話の予定です。次回も何卒よろしくお願いします。