種族とスキルと能力と
3/21 筋力→攻撃に変更
目を覚ました。目を覚ましたのは良いが…。
…洞窟…?
そう、俺あらため私は洞窟の小部屋のようなところで目を覚ましたのだ。まぁそれはいい、一応予想の範囲内だったからな。今はそれより大事なことがある。
…親はどこだ?
親に当たるものが見当たらない。それもまぁいい…いやよくはないかもしれんが、自然発生する【魔物】と言われるものもいるらしいからな。おそらく何気に本命だった魔物に転生したのだろうし、それも良しとしよう。問題は次だ。
…気配がない…?
そう、気配がないのだ。
正確には、「生き物の」が前につくが、私は昔からそういうものにかなり敏感だ。なぜと聞かれてもわからないとしか答えられないし、霊的なものはさっぱりだが…。とにかく洞窟に生き物の気配がないのは異常だ。ふつう少なくとも小動物の一匹や二匹はいるものだ。それがどうだろうか。虫すら見当たらない。そういう環境といわれたら納得するしかないが、ここは異世界だ。スキルに魔法のファンタジーな世界だ。そんな世界で環境がどうとか関係はないだろう。むしろ一体で環境を変えるような魔物もいるかもしれない。ドラゴンとか。
ここは…非常にヤバいかもしれない
可能性ははいくつかある。
ひとつ。偶然ここら辺に生物がいないだけ。これなら問題はない。用があればこちらから行けばいいし。
ふたつ。魔物すら耐えきれない過酷な環境。これは死活問題だ。そんな過酷なところに食べれるものが自生しているわけがない。あってもそれは凶悪なものに違いない。そもそもそんな環境で生きる自信がない。
みっつ。私を狩ろうと魔物が気配を消している。これはヤバい。こちとら転生したばかりである。まだ己のステータスすら知らないへっぽこ魔物?である。これはヤバい。死刑台に転生してきたものだ。あるいはまな板か…。
異常が今思いつく可能性である。私的にはひとつ目がいい切実に。
…とりあえずステータスみよ…。
悩んでいても仕方ないから最悪を回避するため、自分の能力値を把握することにした。そこ、現実逃避とか言わない。胸に刺さる。
ステータスオープン
これがステータス画面を開く合言葉であるである。ちなみに開かれるのはは頭の中でである。発言してもいいが、念じるだけでも出てくる。念じるほうは、恥ずかしい人用に作られたのは秘密。
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【名前】
【種族】生箱Lv1
【性別】♀
【適正】地
【能力】▽
HP:28/28
MP:20/20
攻撃:26
体力:23
耐久:53
魔力:19
精神:34
敏捷:0
【スキル】▽
HP自動回復Lv1 MP自動回復Lv1 状態異常耐性Lv1 気配察知Lv3
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……そうきたか…。
ちょっと予想外だったわ…。
なったもんは仕方ない、整理していこう。
まず種族。生箱ということは生きた箱な分けで…え?ミミックじゃね?箱型の魔物ということはミミックかミミック関係だろ?ひょっとすると当たりかもしんない…。やったぜ。人化できるといいけどな。
性別はいいか…。適正もべつにいいな。よく地味とか言われてる土だけど…。
次は能力なんだが…耐久と敏捷、お前らなんや。耐久はまだいい…箱だし。だが敏捷…てめえはなんでや…箱か?箱なのが悪いんか?箱だって速く動きてえよ。それなのになんで0。ショックやで
≪敏捷はその場から自力で動けることが前提の能力です。ゆえにどれだけ速くても動けないならば0となります。≫
うおっ!?誰!?
≪その質問には答えられません。≫
あっはい。通知音的なサポート的なあれかな?とりあえずよろしく?
≪よろしくお願いします。≫
とりあえず敏捷はここから動けないと0なのか…それならしかたないな…箱だし…。次いこ。
最後はスキルかな。なんか増えてるけど一つずつみていこう。あ…鑑定無いけどいけるかな?
≪HP自動回復:
HPが自動で回復または回復速度が上昇するスキル。Lvが高いほどその効果は上がる。≫
≪MP自動回復:
MPが自動で回復または回復速度が上昇するスキル。Lvが高いほどその効果は上がる。≫
≪状態異常耐性:
状態異常に対する抵抗力が上昇するスキル。Lvが高いほどその効果は上がる。すべての状態異常に対する抵抗力を持てるが、その抵抗力はすこし弱い。≫
≪気配察知:
周囲の生物の気配を察知できる。Lvが高いほどその範囲と精度が上がる。≫
あ、いけた。
ふむふむ…なるほど。HPとMPは概ね予想どうりだけど、状態異常は予想より弱いかな?まあ他の耐性と同じくらいなら微妙にチートだし、仕方ないかな。
気配察知は…最初のほうにとれたのかな?気づかなかったけど…何気にLv高いのが気になるけどけど…。
≪情報を通知することができます。通知しますか?≫
できるならお願い。
≪かしこまりました。次回から新情報を通知します。≫
…大体こんなもんかな。次は…ん?んー?
じー。
……。
じー。
…なんかいる!?骨!?骨が立ってるよ!?
じー。プイッ カタカタ。カタカタ。
あ、どこかいった。あれなに?
≪その質問には答えられません。≫
あ、そうですか。ていうかあの骨、察知に引っかからなかったということは相当つよいやつなんじゃなかろうか…
≪気配察知:
周囲の生物の気配を察知できる。Lvが高いほどその範囲と精度が上がる。≫
…あ、あーなるほど。生物ね…骨は生きてないから生物じゃないね…アンデットかっこいいね。なんとまあ厄介な…ん?ひょっとしてここって…?
よっつ。なんらかの理由で生物が入ってこれない。または、入ってもすぐに死ぬ。
…ああ、なるほど。そういうことだったのか…。
どうやら私は…死体の巣窟に転生したらしい……。
お読みくださりありがとうございます。
次回も今週中にできたらと思います。
ついでに前回の補足を少し
男性型女性形は後天的に男性になり、
女性型男性形は後天的に女性になるものと考えております。
まあ、もう出ませんが…。
※3/12 【適正】土 から 【適正】地 に変更
それでは、次回もよろしくお願いします。