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トアの継母の真相
玉座の間の扉が重々しく開き、優雅に姿を現したのは、かつて王を奪った女──レディ・エリシア。
「久しぶりね、トア。大きくなったわ。まるで……あの女にそっくり」
トアは鋭い視線で睨み返す。
「母をその呼び方はやめろ」
エリシアは微笑みながら扇子をたたみ、玉座の横へと歩く。
「あなたの母が何を知って、何を守ろうとしたか……可哀想だったわ。
でもね、王妃には、国にとって“正しい役割”があるの。彼女はそれを果たせなかった」
「殺したのか」
「それはあなたが決めることじゃない。……でも、彼女が“消えてくれた”おかげで、私が今ここにいるのは事実よ」
「……!」
トアが怒りに震えるのを、エリシアは優雅に見下ろす。
「この国を動かすのは理想じゃない。力と計算よ。あなたの母はそれを理解できなかった。そしてあなたも同じなら、いずれ──」
彼女の声は氷のように冷たかった。
「いずれ、消えてもらうわ。王子」




