私たちの出会い〜ヘヨンside
私が彼に初めて会ったのは、7歳の時。父が王になった日だ。
その日の朝の光は冷たくて、まるで誰も私たちを歓迎していないようなそんな気がした。
「今日からワシが王となる。ヘヨン、それが何を意味しているか分かるかね?」
父の顔つきは、昨日までとはまるで違っていた。
「君は、今日から王女になる。王女というのは、国のために敵国に嫁がなくてはならない。君は、今日からワシの政治の道具となり、この国のために尽くすのだ。分かったな?」
「わ、わかりました」
あまりにも父の表情が怖くて、ただ同意することしかできなかった。
まだ7歳。
この父の発言の全てを理解していたわけではない。
ただ分かったことは、私は父には愛されていない。
それだけだった。
変わってしまったのは、父だけではない、母もだった。
昨日までは私と弟を平等に扱ってくれていたが、この日を境に母は、弟のみを可愛がった。
後継者になる者だからだ。
この日も母は、ずっと弟の右手を握っていた。
王の間はいつもより広く、そして寒く感じた。
父が静かに声を上げた。
「ヘヨン、今日からこの者がお前の護衛だ」
そう言って、黒い服を着た少年が現れた。彼の目は、何も語らず、ただ静かに私を見つめていた。
私はただ、また誰かが私のそばに立つのだ、私の味方ができるのかもしれない、そんな期待感すらあった。
でも、彼の目は違っていた。
どこか私を睨んでいるような、憎んでいるようなそんな目をしていた。
言葉は交わさなかった。
けれど、その沈黙の中で、私たちは、長い付き合いになる。
そう確信した。




