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ジェヒョンへの不信感

〈王宮・庭園のあずまや〉


 朝靄の残る中庭に、静かな陽が差し込んでいた。

 へヨンはジェヒョンを呼び出し、あずまやに腰を下ろしていた。


 遠くから聞こえる鳥のさえずりに、どこか気まずい沈黙が混じっている。


「……ジェヒョン」


 へヨンが口を開いた。


「昨日の夜、どこか行ってた?」


 ジェヒョンは一瞬、目を伏せた。

 ほんのわずかの間――けれど、それはへヨンの目に鮮明に映った。


「……城の中を少し歩いてただけです。気分転換にね」


「……ふぅん。誰かと話した?」


「いいえ。ひとりでしたよ」


 その答えは、やけに早く、そして曖昧だった。


 へヨンはジェヒョンの目をじっと見つめた。

 けれど彼はその視線から少しだけ目を逸らす。


「……そう。なんか、疲れてるように見えたから」


 へヨンはそれ以上何も言わず、微笑んだ。

 けれど、心の奥に、かすかな違和感が残った。


 ――ほんの少しの、嘘の匂い。


 昨日の二人のやり取り、そして今の“言葉を避けるような態度”。


 (ジェヒョン……あなたは、何を隠してるの?)


 答えが出ないまま、へヨンはそっと視線を落とした。

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