18/45
ジェヒョンへの不信感
〈王宮・庭園のあずまや〉
朝靄の残る中庭に、静かな陽が差し込んでいた。
へヨンはジェヒョンを呼び出し、あずまやに腰を下ろしていた。
遠くから聞こえる鳥のさえずりに、どこか気まずい沈黙が混じっている。
「……ジェヒョン」
へヨンが口を開いた。
「昨日の夜、どこか行ってた?」
ジェヒョンは一瞬、目を伏せた。
ほんのわずかの間――けれど、それはへヨンの目に鮮明に映った。
「……城の中を少し歩いてただけです。気分転換にね」
「……ふぅん。誰かと話した?」
「いいえ。ひとりでしたよ」
その答えは、やけに早く、そして曖昧だった。
へヨンはジェヒョンの目をじっと見つめた。
けれど彼はその視線から少しだけ目を逸らす。
「……そう。なんか、疲れてるように見えたから」
へヨンはそれ以上何も言わず、微笑んだ。
けれど、心の奥に、かすかな違和感が残った。
――ほんの少しの、嘘の匂い。
昨日の二人のやり取り、そして今の“言葉を避けるような態度”。
(ジェヒョン……あなたは、何を隠してるの?)
答えが出ないまま、へヨンはそっと視線を落とした。




