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少年たちの出会い2

次の日

昨日うっかり楽譜を返し忘れてしまったので、学校に着いたらさっそく返しに教師棟へと向かった。

「失礼します。ディアド先生はいますか?」

「ディアド先生なら第1音楽室にいると思うわ」

「わかりました。リーナ先生ありがとうございます」

朝から音楽室で何をしているんだろう。授業準備かな。

僕は第1音楽室へと向かった。


ん?ヴァイオリンの音…?

音楽室に入るとディアド先生とマクリーがいた。

「あ、フェイル」

「なんだ、君ら友達かい?」

友達…ではないよね。昨日知り合ったばかりだし。

そう言おうとすると、

「はい、友達です」

さらっとマクリーがそういった。

おぉぉおぉう。と、友達か。昨日知り合ったばかりなのに

「そうか。では、明日の放課後に一緒に演奏するという友人はフェイルくんのことだったのか」

「え、あ、そうですね。それで、お二人は朝から音楽室で何をされているんですか?」

「ヴァイオリンの指導をしていたんだ」

なに、個別指導だと?羨ましい。

「個別指導なんていいですね」

「マクリーくんは音楽学校への進学を目指しておるからな。そういう子へは個別指導をするんだ」

そうだったのか。というか、マクリーは音楽学校に行きたいんだ。もう将来のこと考えているなんてすごいな。

「それで、フェイルくんは何の用だい?」

あ、そうだ、楽譜を返しに来たんだった。

「昨日お借りした楽譜を返しに来たんです。昨日うっかり返し忘れてしまったでの」

「そうかそうか。どうだった。楽しめたかい?」

「えぇ、楽しかったです。ありがとうございます」

「おい、今日、それを演奏する約束をしているのに返して大丈夫なのか?」

マクリーが僕に尋ねた。

「うん。全部覚えたから大丈夫だよ」

そう、僕は音楽に限り、記憶力がいいのだ。数回弾けば覚えられる。

マクリーは少しびっくりした顔をしていた。

「君たち、せっかくならこの曲も練習してみたらどうだ」

そう言ってディアド先生は棚から楽譜を出した。

「ピアノとヴァイオリンのデュエット曲ですか」

「少し難しいが、君らなら練習すれば弾けるだろう」

「ありがとうございます!」

新しい楽譜だぁ!楽譜は高いからなかなか買えないから、こうして貸してもらえるのはすごく嬉しい。

「さ、もうすぐ授業が始まるし教室に戻りなさい」

「はい」


授業が終わるとルキが話しかけてきた。

「今日、朝来るの遅かったな。何してたんだ?」

「音楽室に行っていたんだ。昨日借りた楽譜をディアド先生に返しに」

「フェイルは本当にピアノが好きだな」

「うん、好きだよ。それで、明日マクリーっていう子と一緒に曲を演奏することになったんだ」

「へー。そいつは何の楽器を弾くんだ?」

「ヴァイオリン!明日が楽しみだよ」

「よかったな。だが、たまには俺とも遊べよ?」

「あはは。わかったわかった」

そんな会話をしながら僕たちは途中まで一緒に帰った。

「じゃあ、また明日な」

「うん、また明日」

分かれ道で僕らは別れ、それぞれの家へと帰った。


「フェイルお帰り」

「ただいま母さん」

「帰ってきたばかりでごめんだけど、203号室の清掃をしてきてくれないかしら」

「わかった」

僕の家は宿屋を経営している。今日は宿泊客が多く、両親だけでは手が回らないのだ。こういう日は僕も手伝っている。田舎町なので、満室になることは滅多にないのだが、今日は珍しく満室だった。清掃と食事の配膳とやることが多く、あっという間に時間が過ぎていった。

「手伝ってくれてありがとうね」

「いや、これくらいやって当然だよ。それにお母さんたちだけじゃ無理だったし」

ひと段落して僕らは3人で遅めの夕食を食べていた。

「明日は大丈夫そう?」

「えぇ、明日はラナさんも来る日だし大丈夫よ」

ラナさんはうちに働きに来ている女の人だ。

「そっか。それならよかった。僕明日は用事があって遅くなりそうなんだけど、いい?」

「いいけど、暗くなる前には帰ってきなさいね」

「うん、わかった」

僕らはそんな会話をしながら食事を楽しんだ。そして僕は食事後すぐに布団に入り眠った。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。もう少し先の話まで書きたかったのですが、間が思ったよりも長くなっちゃいました。

次は二人の演奏シーンを書きたいです。

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