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少年たちの出会い

王都と西の国境との間に位置する田舎町で育った僕は、この町で普通の人生を歩むのだろう。しかし、それは少しつまらない気もする。ピアノが得意だし、ピアニストもいいなとか、僕らしい人生を歩みたいものだな、なんてことを考えながら、僕は学校へと向かっていた。

すると、

「フェイル!おはよう!」

「ルキ!おはよう」

ルキは僕の一番の友人で、よく一緒にあそぶ。

「なにボーッと歩いてんだ?転ぶぞ?」

「転ばないって!少し考え事していただけだよ」

「また、考え事か。考えすぎてもよくねぇぞ?」

「別に考えすぎてないよ。楽しい人生を送りたいなって思ってただけさ」

「そんなことかよ。じゃあ、楽しい人生を送るためにまずは今日の学校サボろうぜ!」

「なんでそうなるんだよ。嫌だよ。怒られるし…。さ、もう教室着くしまたな!」

ルキは不真面目な時もあるが、いいやつだし、なんだかんだちゃんと学校に行って、勉強もちゃんとする。

不真面目なのか真面目なのかわからんやつだ。


授業が終わり、帰ろうとした僕に先生が話しかけてきた。

「フェイルくん、すまんが教材を運ぶのを手伝ってくれんか」

「えぇー。…わかりました」

特に予定もないのに断るのはよくないしな。

僕は先生について行き、第3音楽室へと教材を運んだ。

結構量が多く、何往復かしてようやく全ての教材を運び終えた。

「先生、この箱の中には何がはいっているんですか?」

ふと気になって先生に聞いてみた。

「今度の音楽の授業で使うピアノの楽譜だよ」

「ピアノの…。少し弾きたいんですけどいいですか?」

「あぁ、かまわんが…たぶん君には簡単過ぎると思うぞ?…うーん、そうだなぁ、代わりにこれを弾いたらどうだ。」

と言って別のダンボールから楽譜を取り出した。

「これは…レスニーラの『月の光とともに』ですか」

「14歳のクラス用の楽譜だが、君には丁度良いだろう。それは、教員用の楽譜だから使い終わったら私の机に置いておいてくれ。」

「わかりました。ありがとうございます」

「じゃあ、フェイルくん、気をつけて帰るんだぞ。手伝ってくれてありがとうな」

「はい、先生。さようなら」

さて、さっそく弾いてみるか。少しわくわくしながら楽譜を見た。

ゆっくりと暗い曲調から始まり、徐々に音数が増えて明るい曲調へと変わっていく。途中で転調するから間違えそうだ。



ある程度上手く弾けるようになって外を見るとだいぶ日が落ちていた。

急いで帰る準備をして、第3音楽室を出ると同い年くらいの少年がいた。だけど、名前がわからないから、別のクラスのやつかな。

「えっと…。なにか用?」

「お前、ピアノ上手いな」

「え、あ、ありがとう」

「明日も弾くのか?」

「明日は家の手伝いをしなきゃだから、たぶん弾けないかな」

「…」

なんなんだ、こいつは。目的がわからん。

「…えと、君もピアノ弾くの?」

「まぁ、一応。だが、ヴァイオリンの方が得意だな」

ほう、ヴァイオリンですか、いいですねぇ。

「そうなんだ!じゃあさ、今度僕と一緒に何か演奏しようよ!」

「…お、おう。いいぜ」

少し嬉しそうに返事をした。

なるほど、一緒に演奏がしたいのか。確かに、こんな田舎町じゃまともに楽器が弾ける人は少ないもんな。

「じゃあ、明後日一緒に演奏しよう。曲は何にする?」

「今日お前が弾いていた曲でやろう」

「え、でも、あれはピアノのソロ曲だよ?」

「かまわない」

「そ、そう、了解!じゃあ、また明後日な!…えっと」

「マクリーだ。お前の名前は?」

「フェイル。よろしく」

「あぁ、よろしく。じゃあ、また明後日に」

「うん、またね」

こうして、僕達は一緒に演奏する約束をし、それぞれ家路についた。


これからどんな内容にしようか考え中ですが、少し長めのお話を書いてみようと思います。

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