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08 比賀作太(後編)
何のとりえもない一般人の俺はどうにかこうにかデスゲームを生き残って来た。
でも、さすがにもう無理かもしれない。
「互いの武器で殺し合ってもらいます」って。
おいおいおい。
本気かよ。
物理で殺し合いとか。
今までやってきた事と随分違うじゃねーか。
集められた皆は思い思いに武器を手にして困惑している。
拳銃やナイフ。ハンマーとか棍棒とか。
統一性は?
何でもありだな。
こんなとこに一般人である俺が放り出されたら、一秒でお陀仏しちまうよ。
がくがくひざを震わせていると、「大丈夫だよ。僕が皆を皆を守るから。死なないから」なんて例の少年に励まされてしまった。
くっ、なんて情けないんだ。
こんな小さな子が頑張ってるのに、俺がびびっててどうする。
せめて、二秒か三秒くらいは生き残ろう。
ついでに余裕があったら、少年も守ってあげよう。たぶん無理だろうけど。
恰好悪い所だけはみせまい。
そう、決意した時だった。
第三のゲームが始まった。