表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

04 比賀作太(前編)



 俺の名前は比賀作太。

 俺は自分の事を、どこにでもいる普通の人間だと思ってる。


 ただちょっと人と仲良くなるのが上手いだけで、テレビに出た事も表彰された事もない、ごくごく普通の人だ。


 そんな俺なのに、ある日変な連中に拉致られて、変な場所に連れて来られてしまった。


 それで、あれよあれよというままに、状況は進んでいき、どういうわけだかデスゲームに参加する事になってしまっていた。


 で、「はぁ?」と思ってる内に、何だか不穏な話の流れになっていって、偉そうな声の解説が終わった後、首輪が爆発するとかしないとかという話になった。


「冗談だろ」と思ってると、皆が悲鳴をあげだして、こりゃまずいと思った。


 でも、結局首輪は爆発する事なくて、周囲はどういう顔をして良いのか分からないといった空気になった。


 腰が抜けた俺は、その場に座り込んだんだ。


 だけど、その俺の前に人が立った。


 その人、いや子供は何でこんなところにいるんだろう。

 あきらかにこんな場所にいるべき人間でないはずなのに。


 その子供は、小さな十歳くらいの少年だった。

 でも普通の子とは違ってどこか浮世ばなれした感じがする。


 普通なら、こんな状況だったら泣き叫んでてもいいはずなのに、平然としていたのが不思議だ。


「大丈夫? お兄さん」

「えっ、ああ」


 この子は、周りの人間よりも大人びてて、人を気遣う余裕があるみたいだった。


「大丈夫だよ、お兄さん」


 その少年は先程と同じような事を言う。


「僕は異世界を救った英雄だから。皆の事も助けてあげるね」


 取りあえず表面上は「うん、そっか。期待しているよ」と返しておく。


 思わず、安心。

 やっぱり普通の子供だったみたいだ。

 ちょっと夢見がちなお年頃らしい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ