01 収集
デスゲームに参加する人間は、偏りのないように選別しなければならない。
年齢。性別。
趣味。特技。性格。
ランダムで選んだターゲットの中から、被っている者を取り除き、さらに厳選。
その中から、秀でた特技を持ったものを抽出し、ふるいにかける。
そうして選びに選びぬいた者達を、我々は人気のない道で待ち伏せて、拉致した。
抵抗を防ぐために、眠らせてから、丁重に特設会場へ運ぶ。
今回のゲームで集めたのはざっと30人ほどだ。
分厚い隔壁で閉ざされた部屋へと運び込んだ後、我々は、監視ルームへ移動した。
モニターを覗き込みながら、ゲームの打ち合わせをこなして数時間。
監視カメラの向こうで変化が起きた。
会場で目を覚ましつつある彼らは、困惑した顔で状況を把握しようとしていた。
不思議そうにウロウロする者もいるし、じっとして不安そうにしている者もいる。
会話をする者もいて、交流が生まれつつあるが、しきにその行いを後悔する事になるだろう。
絆など足手まといだ。
思いやりなどまやかし、ない方がいい。
なぜなら彼等がこれから巻き込まれる事になるのは、生死をかけたデスゲーム。
最期に生き残るのは一人だけ、なのだから。