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最強のステータスを引き継いで人間に転生した聖獣ベヒーモス、勇者の婚約者(お姫様)をうっかり寝取ってしまう  作者: 銀翼のぞみ
一章

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27話 コスプレプレイ?

 翌早朝――


「ふぅ……いい湯だ……」


 クロノは一人、湯船に浸かっていた。


 せっかくの露天風呂だ。

 目一杯堪能しようと、早起きして湯を沸かしたのだ。


 ちなみにアリアフィーネは、まだベッドの中で眠っている。


「さて、そろそろ出るとするか」


 体を拭き、脱衣所に向かうクロノ。


 手早く髪を乾かし、家の中に入るの……だが――


「おはようございますの! クロノ様!」


「シ、シェリル……!?」


 家に入ったところでシェリルに迎えられたクロノ。

 彼女の姿を見て、思わず驚愕の声を漏らす。


 なんということでしょう……!


 普段はバニースーツを着たお嬢様エルフが、裸エプロンの新妻風エルフに変身を遂げているではありませんか。


 彼女の豊満な胸の谷間が大サービス。

 スラッと伸びた綺麗な脚がとても眩しい。


「うふふ……そんなにわたくしの姿を見つめて……クロノ様はえっちですわ♡」


「は……!? いや、違うこれはだな……あまりにビックリしたからであって――」


 シェリルの裸エプロン姿に見入っていたことに、クロノがそんな言い訳をする……途中であった。


 シェリルは妖艶な笑みを浮かべながら、ただでさえ裾の短いミニエプロンの丈を、クロノを挑発するかのようにクイっと、少しだけ上げるような仕草を見せる。


「……〜〜っ!?」


 あまりに大胆な彼女の行動に、クロノは声にならない声を漏らす。


 そんなクロノに、シェリルがゆっくりと近づきそのまま彼を抱擁……しようとしたその時だった――


「ふふっ……ずいぶんと楽しそうなことしてらっしゃいますね、ご主人様?」


 ――そんな声が階段の方から響いた。


 ハッとした様子でそちらを見るクロノ。


 するとそこには、漆黒のネグリジェに身を包んだアリアフィーネが微笑みをたたえて佇んでいた。


「「ひぇ……!?」」


 彼女の浮かべた笑みを見て、思わず小さな声を漏らすクロノとシェリル。


 そんな二人を見下ろしながら、ゆっくりと階段を降りてくるアリアフィーネ。


 クロノに近づくと、そのまま彼のことを、ネグリジェに包まれた柔らかメロンの中に――むにゅん……! と抱きしめてしまう。


「ご主人様ったら……わたしが見ていないところで他の女の子に、誘惑されそうになるんて、メッ! ですよ♡」


 優しい口調でそう言いながら、クロノの頭を慈しむように撫でるアリアフィーネ。


 もはやクロノは、アリアフィーネにこうして抱きしめられると、抵抗することができなくなっていた。


 トロンとした瞳で、彼女に為されるがままにされてしまう。


「ひゃう! あとちょっとのところだったのに! 結局アリアフィーネさんに取られてしまいましたの……んっんっっ♡♡」


 またもやシェリルは身悶えるのであった。


「ふふ……っ♡」


 余裕の笑みを見せつけるアリアフィーネ。


 いつもならここで終わる……はずだったのだが、今日のシェリルは違った。


 雑念を振り払うかのように、首をフルフルと横に振ると――


「ま、負けていられませんの!」


 ――と、意を決したように叫ぶ。


 そしてそのまま……。


 むにゅんっっ!


 ……アリアフィーネの向かいから、クロノの後頭部を包むように、大きな胸による抱擁を繰り出す。


 それによりクロノの顔がアリアフィーネの胸に深く埋もれる。


 二人の美少女エルフによる柔らかさというの名の暴力に晒され、クロノは「うむぅ〜!?」とくぐもった声を漏らす。


「む、今日は手強いですね、シェリルさん?」


「いつまでも及び腰ではいられませんの! 今日からガンガンいかせてもらいますわ!」


 二人の胸の中で揉みくちゃにされるクロノをよそに、アリアフィーネとシェリルは視線を交わし、火花を散らす。


 そんな時だった……。


 コンコンコンッ!


 ……玄関の扉から、ノック音が響き渡った。


「ぷはぁっ!」


 二人がノック音に気を取られた隙に、ようやく胸の間から抜け出したクロノ。


 これ以上捕まってなるものか! と、そのまま玄関の方へと駆けていく。


「あんっ! おっぱいに挟まれるご主人様、可愛かったのに……」


「け、結局お預けですの!?」


 後ろの方から、そんな二人の声が聞こえてくるが、そんなものを無視して玄関の扉を開けるクロノ。


「おっはークロノちゃん! 朝早くからごめんね? ちょっといいかしらん……?」


 扉を開けると、そんな声とともに、一人の人物が現れた。


 筋骨隆々の巨体、その巨体をボンデージファッションに包み込んだ、最恐の受付嬢――アーナルド・ホズィルズネッガーさんである。


「む、アナ殿、どうした? こんな朝早くから」


「ちょっとクロノちゃんにお願いがあって……て、あらやだ! お楽しみ中だったのね! しかもコスプレプレイなんて、可愛い顔してクロノちゃんもやるわね♪」


 アリアフィーネとシェリルの格好を見て、アーナルドは勘違いしたようだ。


 とても楽しそうな表情で、クロノに「このこの!」と、肘をツンツンと当ててくる。


 まぁ、ネグリジェ姿のアリアフィーネと、裸エプロンのシェリルを見れば、勘違いして当然である。


「おわぁぁぁぁぁぁ!? ち、違うぞ、アナ殿! これはだな!」


 クロノは必死に否定しようとするのだが……。


 なぜかアリアフィーネとシェリルが「「ふふんっ♡」」と、得意げな様子で仁王立ちになるものだから、誤解は余計に加速するのであった――


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