召喚獣 材料 討伐
今回かなり遅くなり申し訳ございません。
戦闘シーンが難しくて難しくて、もうさっくりしてしまえと知能0で戦いを終わらせました。
おっはようございます、朝です。ちょっと眠いです。
いつものように一階に降りて朝食を頂き、宿屋を出る。教会はそこまで離れていないけど、ギルドと違って街の中心辺りにあるから人通りは多い。
周りを見ても女性しかいないんだけどね、私としては暴漢とかに会わないからいいけど…いや、今の私なら簡単に撃退出来るから男性が居ても問題にならないかぁ…。ちょっと複雑かも。
そんなことを考えながら歩いて行くと教会に着く。結構立派な教会で、入るのを躊躇ってしまいそうになる。大きな扉を開けて中に入ると、長椅子に座って祈っている人やシスターと話をしている人、十人くらいの人が教会に居た。やっぱり全員女性だけど。
先客がシスターと話をしているので順番を待たないといけない。教会内を見渡すとやっぱりと言うか、入口から真っ直ぐ見える位置に女神像があった。…本人に似ていないけど。
教会にきたからお祈りをしておこうと女神像に近づいていくと急に静かになった。周りを見ると教会にいる人達が固まっている…いや多分止まっている。私は動けると言うことを考えると……
「君の感覚なら久しぶりになるかもしれないな、この世界に来てどうだ?」
女神様ですよねぇ…しかも地上に降りてきてるし。
「私の感覚でもまだ数日ですけど、魔法は楽しいです。街はここしか知らないので何とも言えないですけど…」
「この世界は広いからまだまだ楽しめるはずだ。
とりあえずはこの大陸の王都に行くと様々な情報を集められるだろう、もちろん君の好きにしてもらって構わないのだけどね」
「やっぱり王都があるんですね、王様には目を付けられたくないからあまり近づきたくないけど」
「スキルや魔法を使えば何とでもなるだろう。君をどうにかできる奴はこの世界には存在せん」
「あんなステータスしてたら当たり前ですよ。この世界では完全に異端扱いされる者ですし…」
私のステータスに勝てる人がいたらそれはもう神様だよ、神様VS女神見習いの最終決戦だよ。
あ、女神様が来たんだから男性のことはシスターより女神様に聞くのが早いかな。
「この街には男性が見当たらないのですが何か問題があったりしますか?」
「ん?問題も何もこの世界に”男”は居ない」
……衝撃の事実。何かの問題で~とか、何かの事件や事故で~とか、そういうことは関係なく、ただ単に男そのものが存在していなかった。イミガワカラナイ。
「そ、それは生物的に無理なのでは…?」
「ワタシが作った世界だからな、そこは問題がないように工夫してある」
「そ、そうなんですか…」
すごく聞きたくないから話を終わらせておくことにした……この世界の常識はいずれ知ることになるし、今はこの世界に男性がいないと言う衝撃だけで十分だし。
「その話はいいとして……ここに現れたタイミング良すぎじゃないですか?」
「それはもちろん、ワタシのイブが何をしているかなぁ…と思ってな。別に”すとーかー”とやらをしているわけではないぞ。
女神像にはワタシの目の代わりになる魔法が使ってあるから、”たまたま”イブが見えたときに”たまたま”目に留まっただけなのだ。
全然深い意味はないからな!」
うん、愛が重いなぁ…押しつぶされそうだ。私にそんな魅力はないと思うんだけどなぁ…。
話が終わって、女神様の姿が消えると周りの人が動き出す。シスターに聞こうと思っていたことは女神様から聞けたし、ここでの用事が終わってしまった。しかも時間が止まってたから0秒で情報を手に入れたよ。
今日することがなくなってしまった…。男の人がいないのは当たり前で、早めにこの世界の常識を知っておかないといつ怪しまれるかわからない。あの女神様にしてこの世界ありみたいな感じがする。
宿屋に帰るのも早いし、冒険者ギルドに行ってお仕事でもしますか。
冒険者ギルド前に着きました。ギルドの中じゃなくて前です。
私が着いたときには入口の前に結構な人数が居て、中に入ることが出来なかった。なんか嫌な予感がするけど聞かないわけにはいかないよね。一応は冒険者なんだし。
周りの人からは『鬼が~』って聞こえてくるから、鬼の魔物が出たのかもしれない。異世界では定番のオーガってところかな。オークもまだ見たことないのにオーガが来ちゃったのか…怖そうだけど一度見てみたい。
更に人が集まってきたタイミングでギルドの入り口が開き、ギルドのお偉いさんらしき人が出てきて説明が始まる。
「皆さん落ち着いてください、今からこの騒動の原因を説明します。
少し前にオーク討伐の依頼を受けて行った冒険者達が負傷して戻ってきました。話を聞いたところ、オークが出現した場所に向かう途中、この辺りでは珍しい”黒鬼”に襲われたそうです。
そして今回は特別依頼として”黒鬼”討伐を出しますが、依頼受注条件はCランク以上の冒険者とさせてもらいます。
それからこの街からリーラロックへ向かう道を、領主様の指示により一時的に使用禁止とする」
Cランク以上の冒険者しか受けれないってどんな化け物なんだろう…。黒鬼って名前からして黒い鬼だと思うんだけど、珍しいってことは変異種とか亜種って呼ばれる類いなのかな。
まぁFランクの私には関係ないし、ギルドにいい依頼がなかったら森に行ってウルフ狩りでもしますか。
……止められました。前に行った森に行こうと思っていたらエスランに止められた。詳しい話を聞くと、森がある場所はリーラロック?方面にあるらしく、今行くと黒鬼に出会う可能性があるから許可できないと言われ、現在に至る。
私、見習いとはいえ一応は女神だし、ステータスもおかしいから、オーガだろうとドラゴンだろうともしかしたら魔王とかも問題なく倒せると思うんだけど…そんな事知らない人は止めるよね。見た目も大人と言うより子供に近いし…身長は平均的だよ、この世界の平均身長が高いだけだよ。
まだ無収納にウルフが十匹くらいあるし、お金には困らない。でもレベルを上げると鋏とか私自身のスキルが手に入れられるかもしれないし、積極的に上げていきたいなぁ。
まぁ今日のところは外に出るのはやめて、ちょっと前に手に入れた召喚獣の作製をしていこうかな。
……忘れていたわけじゃないよ、本当だよ。嘘じゃないよ。
確か召喚獣を作るための条件は
・ぬいぐるみを作り核を入れることで出来る
・核となる物によって強さが変わる(核に出来る物の条件は魔力が宿っていること)
……この条件って、核になる物の魔力が多ければ召喚獣も強くなるってことだよね。
今この街の近くに現れたのはオーガ亜種の黒鬼で、依頼受注条件はCランク以上の冒険者だったから結構強いはず…もし、今話題の黒鬼を倒して手に入れた魔水晶を核にして召喚獣を作ったら、結構強い召喚獣が出来るんじゃないかな?
すごく欲しくなってきた。黒鬼の魔水晶とついでに素材も。私の召喚獣を作るために出てきたのかと思うくらいのタイミングで出てきたんだもん、倒しに行くしかないでしょ。
透明魔法で門から素直に出て、リーラロック?って方面に探索魔法を使いながら行けば見つかるはず。今日は召喚獣を作る予定だったし、その素材集めだと思えばやるしかないでしょ。
早速周りに人がいないことを確認してから透明魔法を使い、門から堂々と出ていった。透明になっておきながら堂々っておかしいかもしれないけど、そこを気にしていたらこの世界では生きていけないって。……多分。
私が来た湖方面の道とは反対側の道がリーラロックという王都に繋がってるらしい。王都には近づきたくないけど、素材のためだから今回はノーカンで。
探索魔法で適当に範囲を広げて索敵しながら道を歩いて行く、もちろん透明な状態で。
トルリリアから少し歩いた場所にある初級の依頼で使われる狩場の森を超えた辺りで大きめの反応があった。多分これが黒鬼だと思う。
他の魔物より反応が強いから間違えることはないけど、ちょっと怖くなってきたなぁ…。黒鬼ってオーガの亜種みたいなものだから、身体も大きいだろうし、力も強いだろうし、今回は身の危険を感じておいたほうがいいかもしれない。いやおそらく無傷で終わるんだろうけど…。
もし黒鬼を倒したら、倒した事を誰にも話さずにいつの間にか居なくなってた感じになるまで目立たないようにひっそりと暮らそう。
勇者とか英雄とか呼ばれて祭り上げられたくないから、今回の黒鬼討伐の事は誰にも知られないように気を付けていかないと。
そんな事を考えながら歩いていたら、黒鬼と思われる反応がこっちに向かってきた。今は透明状態だからバレてないはずだから、このまま相手が見える所まで進んでいく。
数分くらい進んだ先に、身長2〜3mくらいの筋肉質な黒い鬼…の雌が現れた。眼神を使わなくても雌って一目瞭然…特に胸の部分。別に嫉妬なんてしてないし、あと数年後には私の胸も普通に大きくなるはずだし。そうだよね、この世界には男が居ないから雄も居ないんだよね。マジで何この世界。
それは置いておくとして、多分目の前に居るのが黒鬼と呼ばれるオーガ亜種なんだろうけど…こっちを見てる気がする。透明魔法使ってるからバレるはずないのにガン見してくるよこの鬼。
もしかしたら固有のスキルを持っていて、その効果でバレてる可能性があるから、そんなスキルは盗ってしまおう。
《眼神》を使ってステータスを見てみよう。
名前 黒鬼
レベル 26
年齢 31
性別 雌
弱点 風 雷
魔法 なし
スキル 《嗅覚強化》 《豪腕》 《火耐性》
何か拍子抜けするスキルばかりなんだけど…。この中なら《嗅覚強化》しか怪しいスキルがないから、匂いで私の居場所を特定してるのかもしれない。試しに《嗅覚強化》を盗ってみたらどうなるのか試してみよう。
《嗅覚強化》を剥奪する!
《嗅覚強化》
嗅覚が鋭敏になり、匂いを細分化して捉えることができる
やっぱりこれだ。匂いを捉えることができるなら獲物の匂いだけを的確に狙える。これは結構使えるスキルかもしれない。まぁ私には探索魔法があるからあんまり使わないかなぁ。
《嗅覚強化》を盗ったから、黒鬼が周りを見渡しながら首を傾げている…ように見える。今まで匂いで獲物を狙ってたのに嗅覚が鈍くなって困惑しているのかも。
これで私の位置は把握出来ないはずだからゆっくり倒し方を考えようとしていたら、
「ウガァァァ!!」
匂いが分からなくなって怒っているのか、私に向かって…正確には私の居る方面に向かって右手を横振りしてきた。
急に攻撃してきたことに驚いて、慌てて後ろに飛び退いた。
……慌てていたとはいえ少し飛び退いただけなのに、黒鬼との距離が7~8メートルくらい空いていた。飛び退いただけでこんなに距離が空くなんて普通思わないでしょ。
この脚力で走ればトルリリアから数分くらいあれば別の街や村に簡単に着きそう。そんな人外みたいなことしたくないけど。いや、転移あるから一度行けば走る必要もないんだけどね。
そんな話は置いておくとして、距離が空いたから黒鬼をどう倒すのが一番安全なのか考えよう。まぁ、今の私ならどんな倒し方でも安全だと思うんだけど、スプラッタァな光景はあまり…出来れば見たくない。
とりあえず無収納から鋏を取り出して、首を斬撃で斬って氷魔法で傷口を凍らせておけば血を見ることもないし、安全に倒すことも出来るんじゃないかな。首が飛んでいったらもうそれは諦める、精神力を強くするスキルでも作って耐えるしかない。
少し近づいて《斬撃》を首に向けて放つと綺麗に首が飛んでいった。首が飛んでるのに綺麗も何もないんだけど…。急いで首と飛んでいった頭に《氷魔法》を使い、スプラッタァにならずに倒すことができた。
「首が飛んだなぁ…うぅ…見ないようにして収納しよ」
直視しないように近づいて収納する。気分はブルーだけど、これで召喚獣を作る材料は揃った。ついでに黒鬼の素材も手に入れたから、これも召喚獣の材料にしてみよう。強い召喚獣が作れそうだなぁ。
そんなことを考えながら街に戻っていく。黒鬼がいなくなったことをどう教えよう……。