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女神様のお気に入りになった私の自由な異世界百合生活  作者: 安心院 百合猫狐
初めての百合異世界
2/12

能力 付与 女神

時間かかりましたが無事に書けて安心しました。

 突然の自称女神様の告白に私の頭は考えるのをやめていた。


「ワタシが世界に干渉すると色々と問題があって、暇だから別の世界を覗いていたら君を見つけたということだ。名前が同じというのが最初のきっかけだが、あの自己紹介後の孤独がワタシの母性本能をうにゃうにゃ、それで向こうの神に交渉してこっちに連れてきたという次第だ」

「……それって私の意思を無視して連れてきたってこと?」

「いや違うぞ。君が”お願い”したのではないか、ファンタジーな異世界に連れて行って…とな」


 私は頭を抱えながら 確かに言った と何とも言えない気持ちに襲われていた。


「何となくわかりましたけど、そうなると私はもう戻れなくなったということなんですよね。せめて連絡くらいはしたいんですけど…」

「連絡?余裕で出来るぞ、むしろ帰ることもできなくはないし」

「……えっ?」


 この自称女神様は家に帰れるし連絡もできるって言った、断言した。

 普通出来ないことじゃないのかと頭を抱えるがいちいち衝撃を受けていてはもたないと思ったので考えないようにした。


「連絡は手紙だな、帰る場合は少し特殊な条件があるから異世界で生きていくための能力付与をした後に教えよう」

「私の知っている異世界物は帰れないし連絡も取れないのが普通なんですがそういう制限はないんですか?」

「君は普通に来たわけではないからな、それに連絡が取れないと向こうの世界のご両親が警察やら捜索やらで迷惑がかかるだろう。それはワタシの望むことではないからな」


 どうやらこの異世界の自称女神様はかなり融通が利くみたいです。


「他に気になることはあるか?」

「いえ…特にないので、その……能力がもらえるんですよね。どういう感じでもらえるんですか?」

「そう急がなくとも良いではないか。能力はこの箱から選んでもらうことになる」


 その言葉の後に自称女神様の目の前に3つの箱が現れた。


「この3つの中から1つ選べばいいんですか?」

「その通りなのだが、中身はランダム。私もどういう能力が入っているのかわからないのだ。もちろん超強力な設定にしてあるから弱い能力ではない。だから安心して選んでほしい」

「そういうことなら……」


 私は少し悩んで右の箱を手に取ると他の箱は消えてしまった。


「その箱を開けると、向こうの世界にあるゲームに出てくるような説明枠が現れるからそこに能力が書いてあるので確認すると良い」


 説明されてから開けると空中に半透明のパネルが出てきた。



・女神の力[見習い]


《不老半不死》

歳を取らないし大体のことでは死なない


《完全識別 眼神》

視る物(者)の情報が全て説明枠で現れる


《飛翔》

自由に空の旅へ


《暗視》

暗闇でもよく見える


《スキル作製・付与・剥奪》

スキルを自由に作ったり与えたり奪うことができる


《無限収納空間》

あらゆる物を出し入れできる異次元の収納空間

中身の確認もできる

(生物不可(死体は可)・大きさ無制限・容量無制限・個別最適温度対応・時間停止・通貨両替・自分自身の出入り)


《魔法》

全ての魔法が使える



 なんか凄いものが出てきた気がすると思いながら自称女神様のほうを見ると明らかに焦っているのがわかる。


「ど、どういうことだ……見習いとはいえ女神の力が出てくるなんて…」

「もしかして想定外の能力だったりします?」

「……想定外と言うより本来はないことなのだが…もしかすると中身をランダムにした事で起こり得てしまったのか……」


 自称女神様もどうしたものかと悩みに悩んでいる。

 それにしても女神の力って、それ以前に女神に見習いなんてあったんだ。

 ……これって私が女神…つまり神様になるってこと……なのかなぁ。


「見習いですけどこれって私も女神ってことになるんですか?」

「ん?…ああ、そう…なってしまうな。いや、これはもしかして面白いことに……」

「このまま異世界に行っても大丈夫なんですか?女神になってしまったみたいですし、神が干渉するのは良くないみたいな事を言ってましたし」

「そこは問題ない。女神と言っても見習いだからな、ワタシが管理するこの世界”フラワリア”の誰も敵わないが、見習いには修行と言う口実で地上に降りて勉強することが許されているのだ。元が一般市民の君が勉強と言えるかわからないが、この世界の常識や生活は知らないから勉強になるだろう」


 どうやら異世界の名前はフラワリアと言うらしい。

 フラワリアには行けるみたいだけど、この自称女神”この世界の誰も敵わない”って言ったよね?それって無敵になって異世界で生活するってことだよね……チート系じゃなくて無双系になってしまった。


「この女神の力[見習い]はゲームでのHPやMPとかのステータスはどうなるんですか?」

「それは…言いにくいのだが女神になったことで《不老半不死》というスキルが手に入っていて、まぁ…簡単に言えばHPやMPなどは無限だな」


 この自称女神様は何を言っているのだろうと言いたいが、神様がそんな簡単に死んでしまう話はあまり聞かないから本当のことなんだろう。

 私は本格的に人間をやめてしまったみたいです。


「……これって職業的なものは女神になるんですか?」

「そこは安心してよい、本来渡す予定の仕立物師という職業を表職業にして裏職業を女神見習いにしておく」

「ちょっと待ってください。何ですか仕立物師って、どういう職業なんですか?」

「そんなに変な職業ではないぞ、ネコのマスコットを買った手芸店みたいなものだ。裁縫などを得意とする平和そうな職業だろう?」

「平和…ですけど、せっかくの異世界なのに職業が特殊だから不安しかないです」

「大丈夫、ちゃんと戦えるし強いように”作った”からな」


 自称女神様の自作職業だった、つまりは私以外にそんな職業の人は存在しないということだと思う。


「ちなみに転職は出来ないようにしてあるが、女神の力[見習い]があるから転職できなくても良いだろう」

「なんか…色々諦めました。それで両親に連絡をしておきたいのですが」

「そうだったな、今回は連れてきたことを加味して直接連絡をしておこう」


 自称女神様が手を鳴らすと目の前に半透明のパネルが現れる。そこには普段暮らしている自宅の一室のリビングが見えた、でも見え方がおかしいと考えていると両親と目が合った。


「おかしいぞ…テレビにイブが映っているように見えるんだが」

「私にもそう見えるけど…一体どうなっているのかしら」


 私がテレビに映っている?なんかよくわからないことを言っている両親に自称女神様が


「初めまして、ワタシは女神イヴです。今回は娘さんが異世界に行くことを願ったので叶えることにしました。地球の神にも話は通してあります。どうやらそちらのお話にある異世界では連絡や帰ることができないとお聞きしましたが、そんなことはなく連絡は手紙と帰る方法は特殊ですがございますので安心していただきたいと思っています」


 長々と話をしていたがおそらく両親の反応を見るに話の内容が何も頭に入っていないと思う。


「お父さんお母さんそういうことみたいだからちょっと異世界行ってみようと思うんだけど」

「……これはなにかのドッキリか?隠しカメラでもあるのか?」

「さっきのご飯のときの話…かしら。本当にイブが異世界に……」

「私もいまだに信じられないけど本当っぽいんだよね…チート能力も貰ったし」

「…ちょっと部屋を見てくる」


 お父さんがリビングから出て行ったのが見える、そういえば私の部屋はどうなってるのかなぁ。

 少しするとお父さんが帰ってきた、納得してるようなしていないような顔をしている。


「部屋には居なかったし玄関に靴もあった、これは現実なのかもしれない…信じられないが」

「ワタシを無視しないでいただこうか、信じられないなら今ここで手紙を書いて送ればいいだろう」


 確かに今の映っている状態で書いて送り、届いて確認したら何も疑うことがなくなる。

 手紙には異世界に行くこと・チート能力のこと・自称女神様による自作職業のことを書いてみた。


「手紙はどうやって送ればいいんですか?」

「本当は収納空間のスキルを与えて、そこに入れてワタシが回収して送る予定だったが…試してみると良い、スキル作製を」


 そういえばそんなスキルもあった。《スキル作製・付与・剥奪》これで手紙を送るスキルを作れということだろう。

 地球の両親に…リビングでいいかな、机の上…手紙を置くイメージ……多分スキルの名前を決めないと駄目だよね、だってスキルを自作するんだから。


【スキル《置き手紙》を作製しました】


 いい名前が浮かばなかった…シンプルが分かりやすいよね……泣きたい。

 とりあえずスキルを作ったけど、どうやってスキルを使うのだろうと考えていたら


「スキルができたら、そのスキルを使用すると念じればよい。スキルの条件が揃っていれば発動する、スキル名を唱えて発動させることも出来るから格好よく唱えてもいいぞ?」


 スキル名を言うのはお断りしたいので念じることにする。

 手に持っていた手紙が消えた少し後に向こう側で両親が机の上の手紙に気付き驚いている。


「手紙が突然机の上に出てきたぞ……夢でも見ているみたいだ」

「こんなこと普通できないわ、本当に異世界にいるみたいね。イブ、あなたはどうしたいの?」

「私は……憧れていた異世界とチート能力を貰ったから向こうに行って楽しみたい」

「それなら行ってきなさい。ただし!手紙での近況報告は必ずすること」

「エルフやドワーフに出会ったら色々話を聞いて教えてくれ、いい話を書けるかもしれないからな」


 お母さんは心配してくれているけど、お父さんは混乱しているのか異世界のことしか頭にないようだ。


「話はもう終わりでよいのか?」

「はい、大丈夫です。今度は手紙を書いて送ればいいので」


 自称女神様がパネルを消した。


「それではワタシは他にもやることがあるからフラワリアに転移させるぞ」

「お願いします…転移って私でも使えますか?」

「今は無理だな、一度行った場所に飛ぶことができるからな。まぁ後でスキルを作って色々試すといいだろう」

「わかりました、あまり問題は起こさないようにします」

「問題が起きたとしてもワタシが何とでもできる、安心して楽しむと良い」




 自称女神様がなにかを唱え始める、私の足元に魔法陣みたいなものが浮かび上がってきた。これでフラワリアに転移するのだと思う。

 転移する時に自称女神様の微笑みが一瞬見えた後、目の前が暗くなった。

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