二人の探偵の入学
少なくなっています。すみません。
湯川 透は明日から高校生になる。だが、ただの高校生になるわけではない。高校生探偵になるのだ。高校生探偵とはその名の通り高校生の探偵であるが、法律によって探偵でも未成年の銃の携帯は禁止されている。なので高校生探偵という職業は普通の探偵よりさらに危険なのでほぼ高校生探偵はいない。
だが、明日から僕を含め例外がたくさん生まれることになるのだ。その高校生探偵の例外とは探偵育成高校の生徒である。探偵育成高校の生徒は最初こそ普通の高校生探偵と同じで銃はもてないものの探偵育成高校で銃の訓練をしてテストで合格することで、銃の携帯を認められる。
実は今、透はベッドの中で、もう夜遅くなので早く寝なきゃいけないのだが、よっぽど楽しみなのか寝れなかった。ちなみにそんな透が住んでいるこの家は意外と小さい。小さな庭付きの普通の家より少し大きい二階建てだ。ただし外から見れば。実はこの家は広大な地下階があり実質4階建てである。しかもこの家、電気代が馬鹿にならない。この家の電気代は普通に三百万はいくのだ。それもそのはずで普通に家のなかにコンピューター室があり、そこにどの研究所よりも演算能力がすごいスーパーコンピューターがおいてありそれが二百万ぐらいは使っている。後の百万は日々行われている試験テストや自動調理ロボット。パワードスーツの電気のチャージやいろいろなスキャナなどで百万は使われている。で、結局透は昨日から寝れず、部屋の中にあるフーコの振り子で遊びながら朝を向かえた。
透はセットしていた目覚ましがなると同時にフーコーの振り子を止めニヤリと僅かに嬉しそうな表情をすると、今度は目覚ましを止めた。そして「一応、女の子と基本一緒に行動するから髪はキチンと整えなきゃ」といい洗面台に歩いて行く。ちなみに基本一緒に行動する女の子というのは三井 雪音という少女である。気になる容姿はというと、かわいい。少女のボーイッシュさを感じるショートカットの黒髪に大きくパッチリとしている黒い目。白人の血を引いているからか日ごろ外に居ても日焼けしておらず白く小さい顔。太くも細くも無い引き締まった腕。鍛錬の成果かくびれていることが遠目でもわかる引き締まったウエスト。そしてその上に載るDはあるのではないかというでかさの胸。引き締まった小さなお尻。
そんな可愛い少女と何故、一緒に行動するかというと透と雪音、二人だと名探偵になれるが、一人だと中の上くらいの探偵でしかないからだ。あとなぜ、寝てもいないのに髪をキチンと整える必要があるかというと、いつも髪を整えていないからか、デフォルトでぼっさぼっさなのだ。
ちなみに透の顔はカッコイイのだが、あの髪のせいで女子には近寄られなかった。なので女に対する免疫がゼロなのだ。だが、これからは髪を整えるのでいっぱい女の子に近寄られることだろう。
透が洗面を終えた後の時刻は7時10分で、8時にでれば、余裕で間に合うのだが、透はあせった表情で僅かに汗をしたたらせながら自動調理ロボットが透の栄養バランスを考慮して作ったご飯をバクバクと猛スピードで食べていた。透はただ単に楽しみだからという理由で早く探偵育成高校に登校したいわけではない。
その理由とは授業は8時20分から始まるので8時10分から通常校舎は開くのだが、訓練するための施設が集まる訓練棟は別で7時30分から開放され、自己責任で訓練してもOKになっている。透たちはこの訓練の為に早く行くのだ。
ちなみにこの高校に入学式は無いので、登校初日から訓練できる。しかも訓練するのは早く一人前の名探偵になりたいからだけではない。その理由は入試にあっ
た。
一応、探偵育成高校には実技試験がある。実技試験の内容は、というとたった一つで銃でいかに精密に撃てるのかという内容である。だが、日本では銃の訓練をできないため、実技試験はできる人はやってもいいけど、入試にちょっと有利になるだけといったものだった。たったそれだけのものなのだが、その実技試験が原因だった。
ーーーーーーーーーーーー実技試験まで遡るーーーーーーーーーーーーーーーー
実技試験は訓練棟の通常射撃訓練場で行われた。射撃訓練場の全体は黒かった。床は黒い色をしたベルトコンベアーになっており、ベルトコンベアーを動かすと射撃訓練のときに落ちた空薬きょうが横に空けてある溝に落ちる仕組みらしい。的と的は幅3メートルで仕切られていて、レーンについている台座には盗難防止用のチップが埋め込まれたオートマチックガンが入っており、台座の横には盗難防止用のチップが埋め込まれたマガジンが所狭しと並べられている。初級は10レーン・中級は6レーン・上級は15レーンになっている。初級・中級・上級は壁で仕切られていた。
そんな射撃訓練場は初級コース・中級コース・上級コースと分かれている。どのコースでも的の形状と大きさは一緒だ。的の形状は丸く。一番小さい円が半径50cmでどんどん円の半径は大きくなっていき最終的には半径3mとなる。初級コースの場合、的までの距離は4mで中級コースでは5mとなる。上級コースは3mから6mの間を縦横ランダムに的が動く。もちろんこの試験は初級コースで行われていた。
気になる実技試験での成績はというと、みんながみんな同じような点数だった。そのみんなの点数の差はどれくらいかというとせいぜい1点か2点ぐらいの差だった。ただしさっきまでは。またさっきと同じように抑揚に乏しい声で2レーンにいる試験官が呼んだ。
「シェーン・ヴィン4世さん」
「はい」
そう流暢な日本語で答えた彼はとてもイケメンだった。彼は一目見ただけでもだれでも即座に西欧の血筋だろうと思うであろう風貌をしていた。サラサラな金色の髪に青黒い瞳。鼻筋の中央が出っ張っている高い鼻。白く整っている顔立ち。無駄に筋肉がついていない引き締まった体。そんな彼は台座に入っている銃を見て手に握り取り出すと瞬きをし終わった瞬間にはもう四つの的の真ん中を打ち抜いていた。試験官があまりにも早すぎる早撃ちに唖然としたいた。だが、二人にとっては彼が人ではできないんじゃないかというスピードで銃の早撃ちをしたのは些細なことだった。もちろん二人にとっては彼の名前の方がよっぽど重要だったのだ。
二人はシェーン・ヴィン4世という明らかに二人の祖先であるシェーン・ヴィンからとった名前のことを彼が打ち終わった後もその意味を考えていた。そんな中シェーン・ヴィン4世はコツコツコツと茶色い革靴を鳴らしながらまるでいや、明らかに二人の心中を察しているのか二人の耳元で「君達の高祖父であるシェーン・ヴィンおじ様もがっかりするだろうね。銃も扱えないなんて」そう呟き彼は去っていった。
とまあこんなことがあってシェーン・ヴィン4世に馬鹿にされたので、二人とも一刻も早く銃を扱えるようになりシェーン・ヴィン4世をぎゃふんといわせたいのだ。そんなこんなで食事も終えて20分ちょうどに探偵育成高校の制服に着替え終わった透は家を出て雪音と一緒に登校するために隣の三井家に向かうのであった。
すぐに透は湯川家とは違いとても大きくレトロな感じの三井家の門についているインターフォンを押した。ピンポーンそうインターフォンが鳴るとすぐに雪音は出てきた。透は隣の家に住んでいるのに一切雪音と遊んだことは無い。だから雪音は幼馴染ではないので女の子と意識してしまいそうなので高祖の玄孫と言った方が女と意識しなくていいんだよなーなどと考えていると、雪音は突然手を握り「ほら、行くよ!」といいながら手を引っ張り歩き出した。透は前述した通り女に対する免疫が無いので顔を真っ赤にしてフリーズしてしまった。
雪音はいつまで経っても反応が無いなと思い後ろを振り向くと顔がゆでダコみたいに真っ赤になっている透を見た。そしてなぜ真っ赤になっているのかを瞬時に理解して雪音は透から手を離した。透は手を離されるとじょじょに正常な顔色に戻っていく。雪音はそれを見てため息をつきながらあきれた顔で「透はどんだけ女に免疫無いのよ」と言った。透はもっともな反論をした。
「いや、会って一ヶ月しか経っていない相手に手をつなぐとか、普通ありえないだろ」
「え、そうなの!?」
本当に驚いている雪音は何か思い出したらしく質問した。「そういえば、透って珍しい名前だよね由来とかあるの?」実は2020年あたりから子供にキラキラネームを付けるのが流行っているため透のようなごく普通な名前は逆に珍しいのだ。透はとくに答えない理由も無いので質問に答えた。
「親父が言うには『真実を見つけるために物事を見透かせ』って言う意味らしい」
「すてきだねーうらやましいな。」
「三井さんだって雪音っていういい名前がついているじゃん」
「幼いころにねパパに聞いたのよそしたらねパパはこう言ったの『雪を踏むとザクザクと音が鳴るだろそんな音は縁起がよさそうじゃないか』ってね。幼いころはわからなかったけど、たぶんお金をザックザック掘り当てるっていうのにかけたんだよ。」
透は予想外の返答に黙ってしまった。まさかそんな理由で娘の名前を決めるとは思わなかったのだそんなこんなで二人が黙りながら歩くと遂に探偵育成高校についた。二人は同時に同じセリフを言った「おもしろいことになりそうだ(ね)!!」
なんか○弾のアリアにかなり似てしまいました。あと、気に入った人はブックマークをして更新したときに通知する、というのを使うと良いかもしれません。本家を書いている赤松中学さんすみません。次回は事件が勃発。無口なスナイパーが登場。あれ、どっかで聞いたことのある設定なような